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故郷の景色

忘れないうちに昨日の続き

奈良さんは現在北海道で活動をされてる。
あれ?ご出身は青森のはずだけど、どうして北海道なのかなぁと思っていた。

答えを教えてくれた。
青森のご実家あたりはどんどん開拓されて建物も建ち、景色がみるみる変わってしまったそう。昔の景色を思い出させてくれて、広くて開放的な北海道だから心地よくて制作意欲を掻き立たせてくれるらしい。

そういえば
私が生まれ育ったのは隣りが広い図書館。敷地内にどなたかの銅像やお稲荷さんがあったり本当に楽しい遊び場だった。
反対の隣りは小鹿田焼や小石原焼を扱うお店で、いつもお客さんがいないのを確認しておばちゃんのところにお茶を飲みに遊びに行っていた。裏は何かの工場があったような。
9歳になった頃同じ校区内の住宅地に引っ越した。それでもうちは区画の第一号だったから、周りは田んぼだらけ。レンゲ草が咲き、車に敷かれた蛙をよけながら学校に行き、帰り道はお地蔵さんのところでしばらく寄り道。家の前の川には蛍がきて、冬は凧上げもできた。
今は全て住宅地。変わらない景色は線路くらい。それからは田舎に住むことはなかった。都市という所を転々として回った。
もちろん都会でも田舎さが残る所を選んで住んでは、時々上を向いてプハッーと息をする。忙しく行き交うお母さん方に遅れを取るまいと必死に暮らしてきたところもある。

宮崎に行った時もやはり中心地付近に住んだ。
転勤族に慣れた子ども達がたくさんいるありがたい地域だった。周りは主要なお店ばかりで車がいらないくらい便利な場所だった。だから何も今までと変わらないと思っていた。
でもちょっと行けば海がある、山がある。道も広い。こんな所に今まで住んだことがなかった。気付かぬうちに解放されていた。
細かい作業が好きでちまちまやっていたのが、もっと大きなスペースに作品を作りたいと思うようになっていった。

それが私のスタートだった。

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