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薬膳の勉強の記録

仕事の忙しさと畑の整備にかまけて、7月8月に頑張った薬膳の勉強がすっかり疎かになっていました。ひと月半ほど勉強しなかったので、学習したことが抜けきっています。これはマズい・・・・・!ということでもう一度記憶を思い出すべく、学習記録をメモしておこうと思います。

五臓の中の自分のウィークポイントとして自覚があるのが「脾」です。疲れが溜まるとお腹が空かないことがよくあります。薬膳を勉強するようになってから、その原因の一つに「脾」の不調を考えるようになりました。食べ物を消化吸収して出来た水液を運化できていない状態「脾気虚」になりやすいのです。消化吸収できないものが胃腸に溜まったようなぽちゃぽちゃ感も「脾気虚」の特徴です。

気虚は他にも、五臓で分類すると、肌を潤し要らないものを汗として排出できず、肌がぶよぶよしてしまう「肺気虚」、排尿異常を伴う「腎気虚」などがあります。水の循環、排泄が悪くなり、湿が溜まった状態が「腎」の不調による気虚水毒です。

さて、「湿」を溜め込むと心身に様々な不調が現れるのですが、水が排出されず身体に溜め込まれやすい人は「水毒」の可能性があります。脾が弱っている人は、「水分の取りすぎ」や「甘いものの摂りすぎ」が気虚水毒を引き起こす原因になりますので注意!夏の蒸し暑い時期に、「湿」を溜め込みやすいタイプは、外風(風邪)と湿邪が結合して風湿を生み出し、四肢のだる重さや胃腸風邪、下痢になる恐れがありますので注意が必要。粘っこく熱を持った体内の水分、「湿熱」が溜まると、痒みの原因にもなります。そんな時はスパイス系の辛いものは控えたほうが良いでしょう。

★「脾気虚」によるアレルギー症状が悪化した時の対策★

お腹を温め、水はけ良い身体にしておくことが大切。食材は、山芋、インゲン豆、フェンネル、そら豆、とうもろこし、カルダモンなどが効果的。「温中化湿」。「健脾」には、芋類やハーブ類、豆類、白身魚、雑穀類を積極的に取ること。

山芋は薬膳を勉強してから、積極的に摂りたいと思うようになった食材の一つです。山芋は別名「山薬」といって生薬のひとつとされています。火を通すと疲労回復になります。生のままだと体に潤いを与える食材に。
こんなふうに、調理法によって食材の力が変わるのも知っておきたいですね。

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畑のバジル、イタリアンパセリ、シソ。ミントやセロリ、セリ、バジルは気を巡らしイライラを抑えたい(肝陽を下げたい)時の食材にもなります。

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畑でスクスク成長しているツルムラサキやスベリヒユは胃腸を整えるのに効果的な食材です。

スベリヒユは実家で生えてたのを取ってきて、畑に移植しました!少し酸味があって、おひたしにして鰹節と合わせて、柑橘を絞ってポン酢で食べるとすごく美味しいかったです。

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脾虚で湿邪を溜め込みやすい人は、外風(風邪)と湿邪が合わさった風湿にかかりやすいので注意が必要です。風湿症の時は、脾の弱りから、梅雨時や雨の日、後頭部にこりを感じたり、むくみやだる重さ、痛みを感じたりします。

脾気虚になり、脾の働きが低下すると、運化の機能が失調し、消化吸収機能の減退が症状として出てきます。私は疲れが溜まると脾気虚になりがちで、お腹が空かなくなるんです。そして身体はだる重く浮腫みがちになります。水分が身体の外に排出されにくくなったりもその原因。体内に排出されず溜まった水が湿となってドロドロ溜まった状態になっている状態です。湿熱の湿疹を冷ますには「清熱利湿」。「利湿」、体内の余分な水分を排出させることが必要なんです。身体の熱を取って、利湿を促す。例えば、ゴーヤ、キュウリなど瓜科の食べ物は身体を冷やす効果があります。「利湿」に良い食材は、トウモロコシ、カボチャ、はと麦、陳皮など。

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↑はソーメンカボチャ、コリンキー、バターナッツ。3種の食べ比べです。カボチャは気血両虚の時にも積極的に取り入れたい食材です。

身体の代謝は「気」の巡りにも大きく影響します。気の流れがスムーズに行かないと、気滞を引き起こし、血瘀もあわさると気滞血瘀証を引き起こします。気滞で「肩こり」、「イライラ」、「お腹の膨満感」などが引き起こされ、「血瘀」で血の流れが悪くなります。緊張やストレスが巣づくと、血液が流れにくくなるという悪循環を引き起こします。生理前にもなりやすいとされる症状です。

とにかく、気滞血瘀の時には頑張りすぎず、香りの良い食材で気を巡らし、リラックスすることが大切だと思います。

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シソ、柑橘類、春菊など香りの良い食材は、「気滞」がもたらす精神不安にもおすすめです。シソは「水毒」の精神不安にもオススメの食材。畑に一番生い茂っているシソですが、こんなに薬膳的に効用が高いなんて嬉しいです。

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今育てているパクチーも香りの食材なので、「行気」、「理気」の効果がありそうです。

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2回間引きをしてこんなに大きくなりました!パクチーは、白ネギ同様、風邪対策の「解表」にも効果的な食材です。

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畑がハーブ中心になってきました。ハーブや柑橘で気を十分巡らし、活血食材でを流し健やかな身体で季節を楽しみたいですね。

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「気滞血瘀」の治法は、「疏肝理気」、「活血化瘀」。痛みがある場合は「止血」、「通絡」、「調経」も加えること。「疏肝理気」の時、効果的な食材は例えばウコン、蕎麦、柑橘類、金針菜、シソ、酢、セロリ。「活血化瘀」に効果的なのは、あぶら菜、紅花、セリ、ウコン、黒キクラゲ、シナモンなど。ポイントは香り風味をきかせ、さっと煮すること。イライラ、偏頭痛、肝鬱気滞にも疏肝理気は必要となります。

イライラや精神不安は「肝」が押さえつけられたりストレスがかかることによって起こります。「肝血不足」、「肝陽上亢」はイライラのもと!そして肝をいたわることは、老化防止のためにも必要です。歳を重ねるごとに、日々の暮らしの中で、ストレスを溜めず心穏やかに過ごす術を考えながら生きていきくことが大切だと思うようになってきました。

肝をいたわるレシピをもう一つ。鰹節を削った後の出がらしで作るシジミの佃煮も簡単メニュー。シジミは腎や血虚にもよい食材です。ただ、作ったらたくさん出来ちゃうので食べきれないのが難点(笑)シジミもやっぱり殻付きのものがいいんですが、手に入りにくくて、保存できないので乾燥しじみを購入しました。ただ、味付けがしてあって甘いんですよね〜・・・。だから甘さがくどくてお味噌汁にも入れられないし、佃煮にするときは味醂を入れすぎると甘くてくどくなる。貝類を日々取り入れるにはどうしたらよいものか・・・。

ストレスと言えば・・・この時期、毎年恒例の「ストレスチェックシート」なるものが回って来るのですが、今年は即捨てました。
あの項目に答える事そのものが1番のストレスになるので。提出義務があるかも確認してません。答えない権利くらいはあるのかな、くらいに思って捨てました。周りも同じ理由で答えてない人は多い、と思います…..多分。昨年は、項目を読まずに全部適当にマークして、カウンセリング対象ギリギリでした。

「この項目にこうチェックしたらこんな結果が出るだろう」という予測がこっちで容易に立ってしまうストレスチェックなんて、何も面白くないです。面白くないというか、虚しい。立派な目的があって実施するんだろうけど、あれで一体何か解決出来るんだろうか。
多分、ちゃんとした目的があるんだろうけど、少なくとも自分は、あれに意味を見出せません。世の中は、他にもそこに意味を見出せないものは多いけれど、私にとって「ストレスチェックシート」はその一つです。

新明解国語辞典で「世の中」を引くと、
「社会人として生きる個々の人間が、誰しもそこから逃げることのできない宿命を負わされているこの世。一般に、そこには複雑な人間関係がもたらす矛盾とか政治経済の動きによる変化とかが見られ、許容しうる面と怒り、失望を抱かせる面とが混在すると捉えられる。」と書かれています。


確かに逃れられないものは多けれど、せめて「ストレスチェックシートの回答」からは逃れたいと思い闇に葬りました。

★そのほかの「気」のトラブル

「気逆」に良い食材は、セリ、セロリ、菊花、貝類、ハブ茶、蕎麦など。「気虚」の精神不安には、ハスの実、棗、竜眼肉、牡蠣など。貝類は「殻ごと調理する」、「汁ごと飲む」のがポイントです。

★その他「血」のトラブル

「瘀血」の精神不安には、クチナシ、甜菜、サフラン、ピーマン、セロリ、ウコンなど。「血虚」の精神不安には、棗、いちご、金針菜、貝類の身、竜眼肉など。金針菜はヤマユリの蕾で「忘憂草」とも言われます。生の蕾はなかなか手に入らないのですが、マルシェなどで見かけたら、是非ゲットしたい食材です。乾燥しているものは中華食材の輸入品として手に入ります。使用する際には、水に浸けて柔らかくしてから使います。芯は硬いので切っておくこと。金針菜は肝陰を増やしたい時にも効果的で、増血と精神安定にオススメです。

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「陰虚」の精神不安には、小麦胚芽、りんご、百合根、五味子、クコの実、鮑、スモモなど。陰虚の人が陥りやすい症状としては、次のような症状が挙げられます。微熱、のぼせ、火照り、両手、両足の裏が午後や夜間に熱を持つ、耳鳴り、口が乾くなど。百合根など「白くて辛くない食べ物」は精神効果が高いとされます。

効果的な食材を無理なく普段の食生活の中にどうやって自然に取り入れていけるかが、薬膳を勉強する上で一番肝心で難しさを感じるところです・・・。目下苦戦中・・・・。忙しい中で、暮らしが整わない時でも、いかにするか、そこが難しいんです。

毎日、優雅に朝ごはんを準備して、美味しい薬膳茶を飲めたら、なんて思うのですが、なかなかそうはいきませんもんね。

比較的薬膳茶なら負担も軽く取り入れやすいかな、と思います。

症状別に薬膳茶レシピを考えてみました♪
★ルイボスティー・紅花・大和当帰 /テーマ:鮮やかな赤色の[血を補う薬膳茶]
★よもぎ・ドクダミ・スギナ  /テーマ:利尿効果抜群![むくみ解消薬膳茶]
★クロモジ(奈良県天川村産)・レモングラス・陳皮 /テーマ:香りも楽しむ[気を巡らす薬膳茶]


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しばらくブランクが出来た薬膳の勉強ですが、リハビリがてら再開できたらいいなと思っています。

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ハーブも日常生活の中で自然に取り入れていきたいです。食べる以外にもこうやって入浴用としてお風呂でにハーブ時間を楽しむのもオススメです。

★食材の特徴メモ★

血を補う・・・食材ナス科

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利尿、清熱・・・ウリ科

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デトックス効果・・・トロピカルフルーツ

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補気・・・キノコ

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補気、補腎、通便・・・種子(銀杏、落花生、カシューナッツ、アーモンド、栗、松の実、胡桃など)

健胃・・・根菜類

温める・・・スパイス


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