達成したい成果を意識するためにプロジェクトカルテを用意する

ありたい状態・達成したい成果は行動ではない

集荷した気になることを受け入れした時に、「ありたい状態・達成したい成果」として別の紙に書いておきました。今回はこちらについて書きます。

「ありたい状態」というのは、タスクと違って動作ではありません。だから実行すれば完了するとは限りません。あくまでも実行することはタスクであり、ありたい状態というのは想定したタスクが成果をあげた結果です。
そのため、事前に想定していたタスクを完了しても思っていたような結果を得ることができず、さらに何かタスクを行う必要が出るといったことがあります。
また、有効な手立てが事前にわかっていたとしてもいくつかのステップを介することで望む状態となる場合もあります。

このように、「ありたい状態・達成したい成果」になったかどうかを確認したり、意識する場合にプロジェクト管理が必要となります。

プロジェクトはGTDでは複数のタスクの集合という意味で捉えられていますが、どちらかというと「ありたい状態・達成したい成果」を得るための行動や計画やアイデアなどを包括したものであり、狭義の意味合いとしては「ありたい状態・達成したい成果」といった方が本質的かもしれません。

このような「ありたい状態・達成したい成果」について、フォーカスする方法として「プロジェクトカルテ」というものを使っています。

プロジェクトカルテの構成

プロジェクトカルテにどのようなものを記載しているかを以下に列挙します。

1.プロジェクト名(納期とともに)
2.タスク(アイデア的なものも含め)
3.メモ&記録(作業記録や判断や状況など)
4.プロジェクト概要(目的とか)
5.連絡先(関係者諸々)
6.参考資料(ファイルサーバーや紙ファイルの場所とか)

まずは、「プロジェクト名」です。プロジェクト名というと大げさなので、ありたい状態を表していれば良いと思います。納期も記載しておく方が良いと思います。

「プロジェクトの概要」は目的とか中間目標とか、当初の予定を記載しておくものです。プロジェクトを進めていくうちに状況や計画が変わっていくことがあります。元々の計画からどのように変わったのか、いつの時点で見直しが入ったのかなど状況の変化も記載しておきます。

「連絡先」は関係者の連絡先をまとめておくために作ってあります。デジタルであればグループ毎にまとめたメールアドレスを記載しておくことで、関係者にメールを送付しやすくします。アナログ(紙)の場合は、関係者の電話番号をリスト化しておけば、電話をかけやすくなります。

「参考資料」はプロジェクトに関係するような資料ですが、プロジェクトカルテにはファイルを保存しているサーバーの場所を記載してあります。あと紙媒体や資料メモはプロジェクトカルテと合わせてクリアケースに入れておくようなことをしています。

以上はプロジェクトカルテ表紙に当たる部分に記載してあります。
その他の「タスク」や「メモ&記録」はたくさん増えることが当然ですので、必要に応じて紙を追加して記載していきます。

「タスク」「メモ&記録」は明確にわけているわけではなく、時系列に行動記録と思考記録を残しています。タスクに基づくメモもあったり、次はこうした方が良いという記録だったり、このままだとうまくいきそうにないからやり方を変えようと考えを整理したりとしています。

作業記録を残す際は
 S(Subject)   :主観的情報
 O(Object)    :客観的情報
 A(Assessment):判断/評価
 P(Plan)      :次の計画
ということを順番に書くことを意識しています。

また、プロジェクトカルテはプロジェクトごとに作りますが、それとは別にプロジェクト名をリスト化したものがプロジェクトリストとなります。プロジェクトリストを見ればそれぞれのプロジェクトのことを想起するのに役立ちます。

プロジェクトカルテとタスク管理

プロジェクトカルテで重要なのは、ここを見ればプロジェクト全体が見通せるということです。患者の基本情報やこれまでに行なった処置やその後の経過がわかるお医者さんが記載しているカルテと同じようにプロジェクトを患者に置き換えてもらうとしっくりくると思います。

一方、タスク管理はお医者さんの例えでいうと医療業務の管理と捉えることができます。外来診療は受付順で診察を行いますが、急患が入れば優先することもありますし、診察に必要な準備やカンファレンス、入院患者の回診もあります。これらの一日の流れの中で、漏れなくスムーズに行動するためのサポートとなるのがタスク管理と捉えられます。

タスク管理が実行者&時系列目線での行動管理であり、プロジェクト管理は目的&俯瞰的な目線での状況・行動の管理であるため、この2つは行動という点において交わりますが、異なるものという認識で扱っています。

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