母親の覚悟の強さが垣間見える『ワンダー 君は太陽』

絵本のようにいいお話。
心が洗われるようだった。

生まれつき醜い顔をしたオギーが、
母親の意向で学校に通うようになり、
からかわれながらも友達を増やし、
やがて軌跡を起こしていく話。

醜いといっても、すぐ見慣れるし、
そもそも日本人の我々からしたら、
外人の顔の違いなんて、あんまり気にならない。

この映画、実はオギーだけでなく、
その友達や実の姉など、何人かにフォーカスを当てた構成となっている。
もちろんメインはオギーなのだけど、
彼を取り巻く、彼とつながりの強い人の心情もしっかり映すことで、
よりオギーの扱いに深みが出てきる気がした。

あとは物語の主軸が子供っていうのが、癒しだよね。
彼らは大人のように忖度したり、遠まわしにしたりしない。
すべてがシンプル。
だから、時に残酷なこともするけれど、
その分、小さなきっかけですぐ仲良くなれたりする。
その純粋さや正直さは、素直にうらやましいと思った。
僕にもあんな頃があったのかなあ(遠い目)。

ただ、個人的にこの映画を見て思ったのが、
実は母親が一番辛かったんじゃないかってこと。

だって、学校なんかに入れたら、
我が子がからかわれることは目に見えているし、
傷つくこともわかってる。
それをわかった上で、自分の子供のためを思って、
えいやっと普通学校に入学させた。
その意志と覚悟の強さを見て、
『ファイナルファンタジーXIII』の
「母は強し」というセリフを思い出したね。

大人だったら、あえて傷つくところに自ら行こうとはしない。
子供は大人の言うことを聞くしかないから、
オギーも最初から嫌がっていたわけではないけれど、
母親の意向が強かったと思うから、まあ従うしかなかったのかもしれない。
そして、その母親も子供が辛くなることがわかっていながらも、
あえて厳しい環境に行かせた。
今しかないからと。
先延ばしにすればもっと辛くなると。
ダメージは今が一番小さいと。
(経営者のような判断だな(笑))

結果オーライではあったけど、
少なくとも、今の自分にはない道だなと思った。
今の僕は、あえて傷つく道は通らないし、
そこを強制する大人もいない。
いたとしたら、反発するだろうし。

オギーの経験は、子供だからできることなのかな。
素直に人の言うことを受け入れるだけの柔軟性があったからなのかな。
ちょっとうらやましいなって思った。
その柔軟さ(と言えるのかわからないけど)が。

とにかく、心の汚れているキミたちは見た方がいいよ(笑)

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