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おんなの浴衣姿について思うこと 2006-05-16

2021.7月
もう15年間前の記事です。
コロナの影響で夜店も自粛や中止。
先日ようやく開催されました。
時は流れても、やはり考えは変わらないようです。再掲。

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夏到来!といった天気が続いています。備後地方では、各地で土曜夜市が始まりました。どこの商店街も不況の中、手作りのゲームやストリートミュージシャンの演奏会など、知恵をしぼった催しで毎年にぎわいます。

だけど、だけど、ここ数年の夜店の風景に私は多大なる不満を持っているのです。その原因は、若い女性の出で立ちにあります。2、3年前から浴衣(ゆかた)にヒョウ柄やらハイビスカス柄を見かけるようになりました。
「せっかくの浴衣なんだから、日本情緒を楽しめばいいのにな〜」
なんてちょっと残念に思っていましたが、今にして思えばヒョウ柄やハイビスカス柄なんてまだまだ可愛いもんでしたね。去年の夏は黄色にオレンジ、スカイブルーと、まあ 目の覚めるような原色のオンパレード。驚いたのは、20歳前後の女の子たちがなんとトロピカル柄の甚平を纏っているのです。そう甚平、じんべいさんは小さな子どもかおじいちゃんのものではないのでしょうか。 おまけに袖を肩までまくり上げ脇の下も丸見えなのです。自転車に二人乗りをして通りすぎる彼女らを、あんぐり口を開けて見送った次第です。
そうそう、浴衣の裾を膝上まで切っていた人もいましたね。 その浴衣は多分彼女の母親の物なのでしょう、紺地に可憐な桔梗の花がいくつもちりばめられています。黄色い帯でも文庫に結んで、髪をまとめて飾りを付ければ本当に可愛らしい女の子のできあがりなのに…と、ついつい余計なことまで考えてしまいます。

  私は浴衣が大好きです。夫や娘の浴衣もチクチクと縫いました。だけど普段は穴だらけのジーンズも履くし、迷彩やゼブラのカーゴパンツも持っています。ラメ入りシルバーのアイラインを引いて大きなピアスも付けちゃったりします。
でもそれは洋服の時だけ。浴衣を着るときは出来るだけ浴衣のルールにあわせたいと思っています。

理由は【それが一番かっこいいと思うから】。

それだけです。

浴衣を着るなら夕涼みをイメージしてみたりします。化粧は最小限にして、でもアイラインは黒できちんと。爪も短く切ってエナメルはつけません。背筋はしゃんとのばして。
お気に入りの浴衣は藍にトンボ柄で自分サイズにお誂え。それに合う団扇(うちわ)を探しに尾道まで出かけました。値札の3600円には少々悩みましたが、思い切って買いました。以来10年、その団扇を使っています。下駄は絶対白木の桐芳町。若い頃には渋めのグリーンの塗り下駄や少しかかとの高い草履なども履いてみたけれど、結局は桐の木目が見えて、歩くとカタン、カタン、と二本の歯の音がする昔ながらの物に落ち着きました。こうやってひとつひとつ道具をそろえるのも楽しみのひとつです。

あなたがもし、浴衣を着てみようと思うなら、洋服の時の自分を忘れて浴衣美人を気取ってみてはいかがでしょうか? いつもと違う自分に会えるかもしれませんし、透明のネイルに淡いピンクの唇をして金魚すくいに興じるあなたを見て、彼は二度惚れするかもしれませんよね!



【散在していた書いたものを少しずつnoteにまとめています。】

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