麦野マーマレード

ちょっとしたことや、ちょっとした言葉

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最近の記事

見えないけど感じる

見えないけれど感じる エネルギー 見えないけれど感じることができる 人のもつエネルギーは伝わる 画面越しにも伝わってくることもある けれどリアルは桁違い オフラインで飛び交う数々のエネルギー 熱気、一体感、そういうものもエネルギー エネルギーには温度があるのかもしれない その温度は伝わる すっかり冷えたお部屋で飲むホットココアの様な温かさもある 静まり返った冬の朝の部屋の窓ガラスに触れたときのような冷たさもある もちろん速度もあるだろう 弾丸のように進むものもあれば 軒先の

    • 十分不十分でも不十分で十分

      十分不十分 十分に不十分なのだ 足りないことが足りている 不十分が必要なだけある 不十分で十分 不十分で十分構わない そう思えた時、何かが一瞬解れる音がした その音に持続性はないかもしれないが 何かが解れた感触は私に残った 肩の荷が降りるだけじゃない、肩や首や身体全身、そして心がスゥっと軽くなる、軽やかになる自分勝手にこしらえた自分への設定が一時リセットされる、それをリセットする その瞬間に軽くなる、軽やかになる、そしてその軽やかさを味わう 不十分で十分 到底そうは思え

      • 残感覚

        残っているのは夢をみたという感覚だけだ 何かの夢をみた その感覚だけしか私には残っていなかった 確かに私は夢をみたのだ でもそれがどんな夢だったのかは思い出すことが出来ない その感触はありありと私のこの手元にあるのに

        • ブロッコリーと恐竜の頭

          酔いが覚めた頃だろうと思った 目に入ったコーヒーショップに入ろうと決めた 縦長のグレーと黒の自動ドアの表示 いつも手を触れるか触れないか少し迷って 少しだけ触れる、手の先端だけ 店員さんのキラキラした挨拶が眩しい 嗚呼そうだ、今は朝だ 太陽が人々に朝を告げることもあればコーヒーショップの店員さんが人々に朝を告げることもあるのだ 本日のコーヒーを2つと私は追加でシュガードーナツを頼んだ ネジを巻く様な階段を登って3階に座った 階段付近に絵が4枚程飾られていた 一番左から2番目の

        見えないけど感じる

          胸は高鳴るままに

          胸の高鳴りを抑えない 胸が高鳴り思わず涙が出てしまうのなら 流れるままに 胸が高鳴り首を左右に揺らしてしまうのなら 揺れてしまうままに ふいに高鳴り始めた胸の鼓動を自意識で抑えない涙は流れるままに 身体は動いちゃうままに 胸は高鳴るままに

          胸は高鳴るままに

          問答

          「これが無くなったらどうしよう」 「今、まだそこにあるじゃないか」 「これが切れたらどうしよう」 「まだあるじゃないか」 「この先、手に入らなくなったらどうしよう」 「それはその時に、手に入らなくなった時に考えればいいじゃないか」 「実際に手に入らなかったらどうするの?」 「それはその時に考えればいいさ」

          しないこと

          疲れている時にしないこと 決断すること 焦って決めようとすること あれもこれもキチンとしようとすること 理路整然とさせようとすること 衝動買いすること 衝動買いしたとしてそれを気にすること ルーティンが崩れたことを気にすること 自分ルールを守ること ありもしないルールを守ること 自分のキャラとか考えること 完璧とかを求めること 生産性とか求めること 返信すること 矛盾がないように努めること 無理矢理ポジティブになること 誰かの期待に応えようとすること 好ましい感情が持てない

          そんなふうにして我々は

          そんなふうにして我々はコーヒーを飲んだ アボガドサーモンチーズサンドを食べた そんなふうにして我々は秋の匂いが感じられる初めての道を散歩した そんなふうにして そんなふうな時間が過ぎていくのだろう そんなふうにして過ぎ去ったそんなふうな時間が私の身体と記憶に刻まれていく そしてそんなふうな記憶だけが時としてふとした瞬間に呼び起こされるのだ それはあの時を生きていた確かな証として

          そんなふうにして我々は

          バイブスに乗る

          「これは高まる」 としか言いようのないバイブスに乗る そのバイブスに乗っかる リズムに乗る 自然と刻んじゃうビートを刻み続ける 自然と揺れちゃう身体を揺らし続ける 「後先」という名のよく分からない未来のことと未来の事後のことなんか置き去りにしちゃって バイブスに乗る 「これは高まる」 としか言いようのないバイブスに乗る

          バイブスに乗る

          噛んだ

          同じところを2回噛んだ どうして私はしくじったのだ 一度その痛みを味わっているはずなのに にも関わらずもう一度同じ場所を噛んだ しくじった 人間は愚かだ 同じ過ちをいとも簡単に繰り返す 人間は愉快だ 痛みを忘れてノリノリで次のステップを踏む 楽しさは痛みを忘れさせる 楽しさはペインキラー 私は愉快にしくじったのだ

          私から見た君と君から見た私

          存在する 私から見た君と 君から見た私 君が思う君自身と 私が思う私自身 あの彼やあの彼女も もちろんその辺を歩いている無数の人達にも 私が語る君と 君が語る私 あの人が語る君とあの人が語る私 私はこの目の前にある現実を確かに感じ、目の前に私の手が映っているのを確認する。私は確かに私のこの現実に生きている。それと同時に誰かが私を語る時、そこに私は息を吹き返す。そこにも私は存在している。 君は君の目の前の現実を生きている。それと同時に誰かが君を語る時、君が語られた時、君はそこ

          私から見た君と君から見た私

          泳がせておく

          判断を泳がせておくこと そんな余白を常に残しておくこと それが未知の世界に繋がることがあるということを身をもって知ること

          遮らない

          どう思われてしまいそうか、をもってして どう思うかを遮らない どう思われるだろうか、をもってして どう思うかを遮らない どう思われるかな、を持ってして、 どうしたいかを遮らない

          みそ汁とごはん

          カッカッカッカッカッ ズズッ 「…はぁーっ」 カッカッカッカッカッ ズズッ 「…はぁーっ」 カッカッカッカッカッ ズズッ 「…はぁーっ」 みそ汁とごはん そこには在る 安らぎと夢中と喜びと 生きてる感じ、そのものが

          対象物

          寒くなってきた。気温が低くなってきた。気温の低下が寒さを生み出しているのだろうか。あるいは私が寒さを感じるから寒くなってきたのだろうか。そういうこともあるに違いない。私が存在しなければ寒さは存在しない。ああいう寒さもこういう寒さも存在しない。私という対象物がそこに在るから寒さを感じるのだ。何かが私に当たり寒さを私は感覚的に覚える。私が存在することで寒さは存在する。色が存在しない暗くて深い湖を想像することで寒さを覚える。エアコンの直下に居続けることを想像して寒さを覚える。地球の

          外れていたネジ

          ネジが外れていた そもそもネジは固定されていたのだろうか ネジだけが転がっていた 何かの拍子に外れてしまってバウンドして そのまま転がって摩擦で止まった ネジが落ちていた 音はしなかった それは空気のように軽いネジなのかもしれない それはどこに固定されるべきネジなのか ネジすらも分からないでいるようだった