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切り戻しのススメ

前回、初心者にとってハードルの高い、植え替えについて書きましたが、今回は同じくハードルが高いと思われる、切り戻し作業について書いてみようと思います。

遠慮気味に整える感じで剪定するのはともかく、がっつり切り戻す作業はドキドキするものです。こんなに切って、小さな株にならないかなとか、せっかく育ったのにもったいないとか、何かと躊躇してしまいます。
しかしながらバッサリ切ることのメリットは大きく、枝の更新、徒長せずしっかりとした株にする、蒸れの防止など、多くのメリットもあるのです。

私がイメージする切り戻しのタイミングは、早春、初夏、梅雨前、真夏、晩秋以降とあります。そう、結構しょっちゅう切り戻しの作業はあるのです。なぜなら、植物とその目的によって切り戻しのタイミングは異なるので。。。私自身も探り探り、実験しています。実際に行った切り戻し作業の結果を振り返りながら、紹介していきます!

○早春(2月後半〜3月上旬)

セージ系、ラベンダー、ハーブ類
暖かくなり芽が動く前に、徒長や木質化を防ぎ、整った樹形にすることを目的にしています。

早春に切り戻した、ラベンダーの様子。今のところの花芽はなく、ひょろっとした感じ。このタイミングでうまく咲いた年もあったけど、今回は晩秋に購入した幼い苗にも関わらず強剪定しすぎたのがいまいちな原因かも?つまり一律に、この時期にこの方法というより、苗の状態を見ながらの作業が大切なんですね〜

早春に切り戻したレイコフィルム。根本に近いところから、しっかり芽が出てきているので、いい感じ。

○初夏(5月上旬)

春に咲いた花木の強剪定。ユキヤナギやヤマブキなど。剪定が遅れると花芽がつかなくなる。

○梅雨前・真夏

蒸れ防止で。切り戻しというか透かすイメージが強いかも。また、一度咲かせたセージ系は切り戻すと、秋にまた咲いてくれる。

○晩秋(11月)

早春と同じく、セージなどの強剪定のチャンス。花が終わったセージ・サルビア系やアナベル、ブッドレア、デュランタなどは、地際まで切り戻す。冬もやや枯れたようや姿を見続けかったら、残しておいて早春までに切り戻したら良い。

晩秋に地際まで切り戻したボッグセージ。株は徒長せず整っており、既に50cmは超えている。

晩秋切り戻した、レモンバーベナ。木質化して、かなり樹形がくるっていたので、地際5cmくらいに。4月になっても全く動きがなく、さすがにやりすぎたと思ったが、無事萌芽。樹形が良くなりそうなので嬉しい。

切り戻したというか、ワンコが踏んで地際0cm(!)、即ち地上部が消失したアジサイ霧島の恵み。超スパルタな切り戻しをしてしまったが、なんと春に芽が出て来て驚き。今では20cmくらいまで伸び、花芽も付いている。後述のアナベルと同じ、花芽を春以降に付けるタイプのアジサイということを知る。

○真冬(2月)

晩秋の時点では残しておきたいけど、そろそろ見苦しいなと思ったらこのタイミングで剪定。

真冬に地際10cm以下に切り戻したアナベル。今現在では60cmほど。花芽も無事付いている。他のアジサイと違って、花芽を春以降に付けるので、冬剪定できるのが嬉しい。切り戻した枝を挿し木しておいて、4月くらいに植え付けると根付く。前年度、弱剪定(地際30cmくらい)すると花が小さくなったので、今年は思い切って地際まで切り戻した。さて、結果はどうなるかな。。。??

真冬に、地際20cmほどに切り戻したキンシバイ。いつも軽く整える程度に刈り込むくらいだが、キンシバイは樹勢が強く他の植物を圧倒、中途半端な剪定を繰り返していて、樹形もボンバーになっていたため、一度強めに切り戻すことにした。さすがキンシバイ、今現在60cmほど、元気に丸く育っている。切り戻してよかった。。

シモツケは地際20cmから80cmくらいまで、目的の高さに合わせて色んな切り戻しをしてみた。何も問題なく花芽も付いている。

切り戻しとは

切り戻しは、徒長・木質化を防いだり、花を何度も咲かせたり、樹形を整えたり、目的や植物によって異なるため、一律にこの時期に地際何cmまで切る、と言うのは難しいです。しかし、1つ言えるのは、切り戻しに強い植物は扱いやすいということ。形状や高さも思う通りにしやすいし、庭師さんのような高度な剪定技術がいりません。つまり、維持・管理の観点で楽。そして、挿し木などで増やしやすい植物も多いです。私もまだまだ実験途中ですが、いろいろな切り戻しを試していこうと思います。

ちなみに、晩秋にも早春にも切り戻ししそびれた、ローズゼラニウムは現在暴れております。(長くなりすぎて倒れている。)

花が終わり次第、がっつり切り戻す予定です〜!

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