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所詮オッパイなどお尻のまがいものに過ぎないのか(2)

前回、胸フェチ派は人類の本能を失念している、という意味合いのことを述べました。しかしながらちょっと視点を変えてみまして、どうして尻の代替部位として胸がありえたのかということを考えてみたいと思います。

 というのも四足歩行においては尻が目の前にくる。ここは頷ける。しかしそこから二足歩行においては胸が目の前にくると述べることには論理といいますか、視点の飛躍があるように思えるんですね。

 四足歩行時に尻を眺めるという状況で想定されている視点はメスを背中側から眺める視点です。その視点を維持して二足歩行を想定するのであれば、そこで目の前にくるのは依然として尻のままのはず。

二足歩行時における背中側からの視点の例

 まあこの視点はだいぶ見下げる必要があるので感覚的に若干の無理があるのは否めません。しかし少なくとも二足歩行時の背中側からの視点において、少なくとも胸へ視線が向くことはありません。
 
 仮に尻と同様の形状を違和感なく見出すのであれば、それが二つの丸みであるという点で尻の代替部位は肩になるはずです。

二足歩行時において無理が無い背中側の視点の例

 しかし肩フェチ派という派閥を私は知りませんし、ましてや尻フェチ派や胸フェチ派と同等に語られるのを私は寡聞にして聞きません。
 
 似たような話で、メスと対面するにあたり、二足歩行において胸が目の前にあるように四足歩行においても胸は目の前にあります。

四足歩行時における正面側からの視点の例

 つまり四足歩行であろうが二足歩行であろうが、胸は胸として、尻は尻として、オスを惹きつける部位としてありえて然るべきです。

 以上のことから考えて、尻も胸もオスを魅了する部位として価値は同等なのではないかということを私は主張したい。この価値に偏りを生じさせるのは四足歩行と二足歩行の変化なのであって、尻と胸、どちらがどちらの代替という議論それ自体がナンセンスである可能性があります。

 この主張を擁護する根拠として挙げられるのがガイノイド脂肪です。

 ーー女性のオーナメンテーションは、「ガイノイド脂肪」と呼ばれる、女性特有の特殊な脂肪で出来ている。
 ーーガイノイド脂肪は、妊娠や授乳に必要なエネルギーを供給する。
 ーーガイノイド脂肪は胸、ヒップ、お尻、太ももなどに蓄積される。

オギ・オーガス、サイ・ガダム『性欲の科学 なぜ男は「素人」に興奮し女は「男同士」に萌えるのか』CCメディアハウス 2012年

 ここから分かるのは胸と尻はガイノイド脂肪の溜まり場という点で同等の部位ということで、その点で胸フェチ派と尻フェチ派は本質的に同質の性的嗜好である可能性を指摘しえるように思われます。

 それにも関わらず胸フェチ派・尻フェチ派という対立が起こるのは、あるいは胸も尻もどちらも好むというファジーな派閥があまり語られないのは、片方のガイノイド脂肪に注目すると、胴体が邪魔をしてもう片方のそれが見えづらいからでしょう。簡潔に述べれば胸を見れば尻が見えず、尻を見ていたら胸が見えない。どっちつかずな視点は認められないわけです。

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