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英語リスニングに効いた練習法

 前回に続き英語ネタです。この1年間続けた英語の練習法(学習法ではない)で、リスニングが劇的に改善しました。特に単語がつながって発音されるリンキング(リエゾン)に効果がありました。発音矯正インストラクターのレッスンを受けたことがきっかけでしたが、書籍やオーディオブック等でも自習可能なのでご紹介します。

1.正しい発音・発声

 日本語は母音重視なのに比べ、英語は子音重視です。まず子音がきれいに発音できるように地道に練習します。使ったのは『英語耳』シリーズの一番基本のものです。地味ですが、とっても重要です。

 たとえば日本語のサ行と英語のSは似て非なるものです。唇や舌の形も違いますし、息の量が何倍にもなります。まずSがちゃんとできるまで何度も練習します。その調子ですべての子音を練習します。破裂音のBやPも日本語のブやプとは違いしっかり息を「破裂」させられるまで。RとLとラ行はそれぞれ全然異なるものだとわかるまでやります。
 母音も日本語は5種類ですが、英語はなんと22種類もあります。ローマ字教育を全面的に忘れないとできません。過去の思い込みがガラガラと崩れる感じでした。(ここまでは上記の本に加え、インストラクターのオリジナル教材も加えて指導を受けました。)
 そしてすべての子音・母音を正しく発音できるようになると、自分の話す英語がかっこよく聞こえてくるようになってきました。本当に、今までの学習はなんだったのだろうと、思ったものです。

2.基本単語の発音確認とフレーズ反復練習

 次は、英語耳シリーズの最新版に取組みました。この本の特徴は基本単語1660語を150の例文に振り分けていることです。ネイティブがナチュラルスピードで話す音声データを用い、1日2分(10回リピート)×3回(朝昼晩)のシャドウイング(つまり同じ例文を30回)を行う練習法です。

 私は1日1例文のペースで進め、だいたい5カ月かかりました。やりきるのには強い意志が必要でしたが、その原動力は、この本のコラムにあった著書の友人の体験談でした。その方はTOEIC800点台前半で伸び悩んでいたところ、基本の1000単語(中学生で習うレベル)をネイティブスピードでひたすらシャドウイングしたら、TOEICのリスニングがほぼ満点になり、念願の900点を超えたそうなのです。パレートの法則により、基本単語2割で会話の8割はカバーできるのです。この本に掲載された1660単語は、大学英語教育学会基本語リストのうち頻出のものを厳選したものです。なお私は1660単語の発音記号を再確認しましたが、1割から2割は間違った発音で覚えていました。がーん。主にカタカナ英語の弊害です。たとえばManagementはマネージメントじゃなくてニヂメンtです。

 この本の推奨する使い方では、短い例文(平均12秒)を、最初は英文を見ないで耳だけで10回リピート、次はテキストを読み英文を見て10回リピート、三回目はまた見ないで10回リピートします。スピードはネイティブのナチュラルスピードで、いわゆる英会話教材よりはかなり早く感じます。(最初聞き取れなくて凹んでいました。)ですが、この早いスピードの音読を繰り返すことによって、英語のリズムや、強弱・高低といったものが身に付きます。自分でもリンキングが自然とできるようになります。これでようやくあの単語が全部くっつく感じが聞き取れるようになってきます。

 5か月後に1660語・150例文を終えた時には、CNNやBBCなどの英語ニュースがスッと入ってくるようになりました。もちろん専門用語が多いとちょっとわからないのですが、自分の馴染みのある分野であればかなり楽に聞けるようになります。友人の中には、この一冊だけでもだいぶリスニングに効果があった人が複数いますので、おすすめです。

3.パワー音読

 2が終わった頃に、インストラクターからお薦めされたのが「パワー音読」。独学で一流の同時通訳になった方が書いた本です。短いフレーズを繰り返しすところは2と似ていますが、こちらは一定時間内にできるだけ数多く繰り返す、つまりできる限り早く音読をする練習法です。

 5分間に何回繰り返せるか、早口言葉並みにがんばるのですが、この練習法によって、文字通り「英語が口をついて出てくる」ようになります。表紙にもありますが「英語を話す筋力と反射神経を鍛える」ことが目的なのです。

 この本のもうひとつの良いところは、あるシチュエーションに合せた例文が印象的で使いやすいです。たとえば、心配事をつぶやいたり、友人にアドバイスしたり、深酒を後悔したりなど、具体的なシーンに合わせ、ネイティブがよく使うフレーズが散りばめられています。文法の解説も付いてはいますが、試験用というより実践的で使いやすいです。ある程度英語ができる人がこの本からやっても良いかもしれません。

4.ボキャブラリー強化

 ボキャブラリーを強化する目的で、オーディオブックが付いている英語の本では次のものもやりました。

このシリーズの英語の語源図鑑もよかったですが、私には英熟語が勉強になりました。

 またビジネスの場面では丁寧な英語が必要ですが、こちらの本が役に立ちました。2倍速で19分で終わるのはよいです。

5.音声データ活用について

 上記1,2はCD(音楽CDで再生)またはMP3データ、3はCD-ROMまたはMP3、またはALCの無料アプリ,4の2冊はaudio bookによって音声データが取得できます。ネイティブの話し方を確認し、真似することで飛躍的にリスニングとスピーキングが改善しました。ひとつひとつの単語については、Googleで単語名とPronouncitationと入れると音声データを再生してくれます。なんならYoutubeで発音特化したプログラムも出てきます。言語の習得は、自転車に乗ったりすることと同じで、「学習」というより「練習」によってその言語の神経回路が脳に出来上がり、口・舌の筋肉に伝達することが肝要なのだと思います。

 明治の時代の偉人が考えてくれたローマ字、一定の役割は果たしたと思いますが、今では、日本人の英語能力の引上げには妨げになっているのではないのでしょうか(素人の私見ですが)。英語の字面をカタカナにあてはめること自体に無理があるのです。私はこの年になってようやくまともな英語にちょっと近づけたかと思っていますが、もっと早く、成人する前にこの方法にたどり着きたかったと思っています。学校教育以外に音声データも含め英語の「練習」の方法があふれるようになりました。この環境を生かし、令和の時代に生まれた日本の子供たちはもっと英語が上手になりますように。

ーENDー

IR(インベスター・リレーションズ)の経験などに基づいたテーマで記事を書いています。幅広い層のビジネスパーソンにも読んでもらえたら嬉しく思います!