2023/4 英国CPI・NZCPIの結果及び今後の展開予想

昨晩3月英CPIが前年比+10.1%(予想+9.8%)と以前2桁を超える高水準を維持しました。更に、コアCPIは他国と同じ傾向で強含み、前年比+6.2%(予想+6.0%)と前回の+6.2%からペースは落ちていません。
これを受けて、BOEの利上げ織り込みが2023年内3回強まで進行し、GBPUSD1.24台後半まで急騰しました。しかし、既に利上げ織り込みは織り込まれていることと、むしろ物価高止まりによる景気減速が意識されたのか1.25を超えることなく、結局元の水準に戻ってきています。全体的に、米国で起こったことが3か月低dの遅れて欧州に波及していることから、市場はEURやGBPのロングがもう既に相応にできており、徐々に飽和状態になってきている可能性があります。
また、賃金上昇率も前年比+6.6%(ボーナス除き)と引き続き上昇トレンドを維持しています。しかし、10%をこえるCPI調整後の実質賃金では総報酬に対して▲3.0%となっており、個人の購買力が上がる環境ではありません。

そして今朝NZの第1QCPIが発表されました。3か月に一度の発表なので元々注目されているのですが、隣国の豪州は昨年から3か月に一度のCPIに加えて月次CPIも発表するようになったため、NZのCPIの傾向も豪州から予測するようになっています。今回も前回第4Qからは減速するというのがコンセンサスとなっていましたが、結果の前年比は予想の+6.9%を下回る+6.7%(前回+7.2%)、前期比でも+1.2%(予想+1.5%、前回+1.4%)と物価に落ち着きが見られピークアウトが濃厚となったことから、NZDは売りで反応しています。RBNZは前回会合でサプライズとなる0.5%利上げを実施しましたが、0.25%という案もあったことを認めており、今後利上げスピードは徐々に弱まるだけでなく、米国の様にそろそろ引き締めストップが意識される時間帯に差し掛かっているかもしれません。

今週はCPIなどでその当該通貨が動くことは多いですが、全体としては方向感なく小動きが続いています。その中でも、VIXがじり安となっているように、金利市場は引き締め中止を概ね織り込み、金融不安はなくなった一方で、信用収縮も織り込み済みということで、特に材料がなければ、短期金利の上下動で動くものの長期金利は若干の上昇気味で株が底堅い展開が、GWに開催されるFOMCまでは続くと予想します。既に多くの投機筋が保有しているようにクロス円ロングが最も心地よいポジションで、もう少しワークするのではないかと考えます。



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