2023/4 RBA政策決定会合結果

政策金利を3.6%に据え置きました。
3月会合の議事録にて、利上げの休止が検討されたという主旨の記録があったこと、直前の月次CPIが予想以上に落ち着いていたことから予想の大半は据え置きで、問題は今後についてRBAがどのようなスタンスを示すかということでした。
その辺りを声明文で確認しますと、ざっくり以下の通りです。
・インフレは高いものの、様々なデータはインフレがピークに達したことを示唆している。
・一旦これまでの利上げの影響を評価するために停止した。
・労働市場は引き続き引き締まっており、今後も賃金インフレと個人支出は注視する必要がある。
・インフレを目標に確実に戻すためには、更なる利上げが必要になる可能性がある。

利上げの可能性の文言を残したことで、市場が期待したほどのハトではなかったかもしれません。
AUDUSDの反応としては、発表直後から高値圏でステイして、暫くしてから緩やかに下落開始という感じでした。
今回のこの値動きだけでは難しいため、銀行破綻による金融不安、RBA議事録辺りからの流れを確認したいと思います。

元々RBAは遅かれ早かれ利上げは停止すると思われていましたが、3月会合直前のCPIが予想以上に強かったため、3月は利上げとなりました。しかし、声明文のトーンからは積極的な引き締め方針が見られなかったことからAUDは売り先行となっていました。
その後、銀行の破綻問題が発生しましたが、豪州国内への波及が想定しにくいことなどから、通常のリスクオフよりも売り圧力は弱かったです。それでも、それなりにAUDはショートが溜まっていたと思われます。
しかし、破綻銀行が即座に救済されることが決定されると、リスクオンの雰囲気になる中AUDは反発、ショート勢が苦しくなりました。しかし、同時期に3月会合時のハト的な議事録と、CPIが予想を大きく下回ったことで、また押し下げられた状態でした。
本来であれば、このままRBAを迎えるはずでしたが、週末に予想外のOPECの減産のニュースが飛び込んできました。オイルが上昇し、資源国通貨が買われる展開の中、RBAを火曜日に控え、タイミング的にハト派期待のAUDショート勢がカバーさせられる展開となってしまったため、大きめのショートカバーが入ったところでRBAを迎える形となりました。

従って、一度AUDショートをカットした状態で、RBAがハトだったとはいえ、一応利上げの可能性は残した状態で、更に資源価格が上昇、金融不安からも脱却したリスクオン状態であったため、再度AUDを対ドルでは売りづらく、恐らくEURAUDを買ったり、AUDCADを売ったりと、AUDクロスを売る参加者が多かったため、時間差で緩やかにAUDUSDが下がったのではないかと整理しています。


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