2023/4 米CPIとPPIと今後の展開予想

米3月CPIですが前年比+5.0%上昇と予想の+5.1%を下回り、前月の+6.0%からは大幅に伸びが鈍化しました。前月比も+0.1%と予想の+0.2%を下回り前月の+0.4%から伸びが鈍化しました。
一方で、コアCPIについては前年比+5.6%と市場予想通りとなり、前月の+5.5%からは伸びが加速してしまいました。

今回CPIが鈍化した主因はエネルギーです。3月はWTIを見ても70ドルを下回っておりガソリン価格も低下ということで、このような結果となっています。その後4月になってOPEC減産によりオイル価格は80ドル台まで上昇していますが、一方で前年比でみた場合比較対象となる2022を見てみると、2022/3中旬から2022/6にかけてオイルは急上昇しています。従って、前年比のベース効果を考えると、エネルギー価格は前年比ベースではここから更に低下する可能性が高いと考えます。
加えて、住居費がついに下がり始めています。こちらもFRBの予想通りですが、住宅価格は低下する一方でそれが家賃に転嫁されるまでタイムラグがあることはわかっていましたが、それがようやく確認できたということです。従って、こちらもCPIの低下要因として寄与すると考えておりまして、今後もCPIのヘッドラインは低下傾向が鮮明になってくると予想します。

しかし、コアCPIは未だ高止まりしていますので、5月のFOMCでは0.25%の利上げをした上で、その後様子見しながら引き締め効果が出てくるのを待つという形になるかと予想しています。

3月PPIの結果は、前月比ベースではコロナショック以降最大の低下となりました。こちらも主因はガソリン価格です。
PPI総合は前年比+2.7%で予想の3.0%を下回り、前月の+4.9%からも大幅に低下。前月比でも▲0.5%と予想の0%を大きく下回っています。
コアも前月比で▲0.1%で市場予想の+0.2%を下回っていますから、CPIの上流でも同じことが起きているとなると、いよいよ物価は低下傾向が鮮明になってきたのかもしれません。

今後の展開
現在は先々の信用収縮の影響で利下げ織り込みが正当化されている中で物価が低下基調になるのであれば、株は下がりにくくリスクオンのUSD売り継続と見て、USDショート積み増しを検討しています。
ポイントは本格的なリセッションが訪れるかどうか。それを判断するには雇用が崩れるかどうか。今のところ、危ない兆候はありますが、それより早く物価が下がりそうなので、そうであれば、リセッションは回避できるというのがメインシナリオです。

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