2023.3 黒田総裁最後の日銀政策決定会合について

予想通りと言いますか、多くの日本人の予想通り、YCC(イールドカーブコントロール:短期金利目標-0.1%、10年金利目標0%±0.5%)、資産買入方針、を全員一致で据え置きました。

景気面では、全体としての基調判断は持ち直していると据え置かれましたが、個別項目では、輸出と生産が増加から横ばいへ下方修正されました。また、消費については増加が維持されましたが、物価上昇の影響を受けつつも増加と、物価高の文言が追加されています。

その物価については、政府のエネルギー対策の押し下げ効果に加え、輸入物価の価格転嫁の影響も減衰していくことから、2023年半ばからプラス幅を縮小していくという基本的な見解は変えていません。

多くの外国人及び、一部の日本人の中には、
植田次期総裁への負担を減らすため、またサプライズ好きの黒田総裁の最後の会合ということもあり、YCCを解除したり再拡大を加える予想がありました。
実際昨日は、SVB銀行のニュース(SVBファイナンシャル株価急落、株式売却で 他の銀行株も下げ | Reuters)からリスクオフ気味の相場となり、通常であればリスクオフのUSD買いになってUSDJPYは上がるべきところ、リスクオフの円買いかのように、BOJへの警戒感も合わせて円が買われていました。

BOJ後の相場の反応
瞬間的に1円程度上昇し、その後136円台後半で揉み合い。
これは二つの要因があると整理しています。
①外国人勢のUSDJPYショートの損切り
②日本人は証拠金など見てもロング目になっており、今回の上がったところで利食いのUSDJPY売り
①と②がぶつかって136円台後半の揉み合いになったのかなと。

ここからの展開
今晩米雇用統計、来週米CPIが出てきますが、SVBについては詳細に分析できていないものの、不透明な雰囲気が加わってより難しくなっています。
今回の日銀を受けて、日本が相対的に低金利の状態が続くことは明らかであり、当面USDJPYだけでなくクロス円(AUDJPY等)の買いが人気になるのではないかと予想します。
特に米指標によってUSDが振らされる中ではUSDJPYロングよりクロス円のロングの方が安全です。

また、雇用統計が強かった場合、普通に米金利上昇+USD買い。弱かった場合、普通なら金利が低下しそうですが、昨日SBVを受けて大きく低下してしまっているため、金利の低下余地は少なく、むしろここぞとばかりにリスクオフの材料に使われて、リスクオフのUSD買いになると予想します。
つまり、今晩はどのような結果となってもUSD買いになるのではないかと考えています。

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