2023.2月米CPIの結果と3月FOMCの予想

結果
総合指数
前年比+6.0%と市場予想通り、前回の+6.4%から伸びは鈍化。
前月比も+0.4%と市場予想通り、前回の+0.5%から伸びは鈍化。
コア指数(エネルギーと食品除き)
前年比+5.5%と市場予想通り、前回の+5.6%から僅かに伸びは鈍化。
前月比+0.5%で市場予想+0.4%を上回り、前月の+0.4%から伸びが加速。
内訳
エネルギーサービスが前月比▲1.7%と前回の+2.1%から減少したことが総合指数が抑えられた主因です。
一方、住居費は前月比+0.8%となり前回の+0.7%から伸びが加速してしまい、これがコア指数の底堅さに繋がっています。

パウエル議長注目の「家賃除きのサービスコア価格」は前月比+0.4%と前回の+0.3%から加速しましたが、これは航空運賃が前月比+6.4%と5カ月ぶりに反発したことが主因と考えられます。

市場の反応
米株は主要3指数(ダウ・S&P・ナスダック)ともに上昇。
米金利は、インフレ高止まりのため3月FOMCの利上げ停止確率が下がり、前日下がり過ぎた反動で上昇しました。
為替は、USDJPYは米金利につられて上昇、その他通貨は米CPIというより、SVB破綻が他の地銀に連鎖することはないという楽観論による行き過ぎたリスク回避の巻き戻しでUSD売りが優勢。結果として、クロス円が上昇しました。

3月FOMCの予想
SVB問題がなければ、このCPIが出ていたら、コア指数に鈍化の兆しが見えてこないため、0.5%の利上げになったのではないかと思います。
しかし、SVB破綻の原因はずさんなALM管理とはいえ、そのきっかけとなったのが米金利の上昇による保有米債の評価損であることを考えると、あまり、急ピッチでの利上げ踏み切ることはできない状況で、0.25%の利上げにとどまると予想します。
また、ターミナルレートも5.5%程度(前回12月時点より2回分利上げが上乗せされた水準)になると予想します。

市場の反応予想
仮にFOMCが予想通りとなった場合、織り込みが足りていませんから米金利は上昇すると思われます。ただ、為替市場参加者は、債券市場程ハト転していませんので、USD買いはそこまで続かないと思います。
どちらかというと、SVB問題が米国の他の地銀に波及しないこと、同じように利上げを続けてきた欧州などの地銀に同じような状況に陥っていないことが確認できれば、FRBの急ピッチの利上げ派想定しにくく、ターミナルまであと2回ということがほぼ確定したことを確認の上、徐々にリスクオンのUSD売りが優勢となっていくと予想します。


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