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【IR情報で市場分析】マーケターが絶対に見るべきIR情報のポイント

IR情報は投資家や就活生のための情報だと思っていませんか?
実は、IR情報は企業の過去・現在・未来の情報がつまった「情報の宝」なのです。
一度、IR情報の見方を覚えれば、他社のIR情報も簡単に分析することができ、あらゆる市場・業界で役立たせることができます。

そこで今回は、マーケターが押さえるべき「IR情報を見るポイント」についてご紹介します。

IR情報とは

そもそもIR情報とは、企業が投資家・顧客に対して経営状況や財務状況、業績に関わる情報を発信しているものです。
投資家たちは今後「伸びていく市場」を見極める判断材料としてIR情報を見ています。
なので、市場調査や競合調査を行うマーケターにとっても企業の「現状の売上、主力事業・今後投資をする事業」などを知ることができるIR情報は「情報の宝」なのです。
IR情報と聞くと難しいイメージを持たれる方が多いかもしれませんが、ポイントを押さえれば、簡単に読み解くことができます。

マーケターがIR情報を見るべき理由

マーケターがIR情報を見るべき理由は3つあると考えています。

  1. 企業の業績を客観的に知ることができる

  2. 企業の今後の取り組みがわかる

  3. 業界や市場の動向がわかる

上記3つを簡単に説明します。

企業の業績を客観的に知ることができる

この企業は大手企業だし、資本金が○○億円もあるからきっと業績もいいのだろう!!と企業の情報を主観的に捉えていませんか?

多くの人が自分でも気づかないうちに、企業の情報を主観的に捉えてしまいがちです。
重要なのは「なぜ業績がいいと言えるのか」といった具体的な根拠です。

IR情報は、企業の経営状況を数値をもとに客観的に捉えることができるため、主観を取り除いて強みや弱みを正確に把握することができます。

企業の今後の取り組みがわかる

IR情報には、「中期経営計画」などの経営方針が書かれているため、企業が今後どのように事業展開していくのかを見ることができます。

中期経営計画とは、3〜5年程度のスパンで企業が目指している方向性や具体的な目標、これからの活動の内容を記載したものです。決算説明会動画やパワポ資料などに記載されています。

業界・市場の動向がわかる

調べたい企業がIR情報を出していない場合は、同じ業界で上場している企業のIR情報を見てみましょう。

上場企業が出しているIR情報は、業界全体に共通する課題を記載している場合が多いため、業界・市場全体の動向を知ることができます。

近年でいうと、半導体不足や新型コロナウイルスの影響がどのように業界に及んでいるのか、上場企業のIR情報で事細かに説明されているのを見かけます。


IR情報を見る際に見るべきポイント

売上高

売上高とは、企業の商品やサービスを販売することによって得られる売上の合計のことを言います。
例えば、単価1万円のサービスが10個売れた場合、売上高は10万円です。
このように、売上高は販売のためにかかったコストを考慮せずに、単純に「いくら売れたのか」を示します。

過去の売上高と比較し、売上高が下がっていた場合は、原因は何であるのかを注意して見る必要があります。

また、売上高が高くても、経営が順調であると判断するのは危険です。
売上高はあくまで商品やサービスがどれくらい売れたかという指標なので、売上高が順調でも、原価やコストが高ければ、最終的な利益は少なくなってしまいます。必ず、営業利益とセットで数字を見るようにしましょう。

営業利益

営業利益とは、企業がもつ商品やサービスを販売することで稼いだ利益のことを言います。
売上高から商品を仕入れる際にかかった原価を引いたものが「売上総利益(粗利)」になり、その売上総利益から人件費、広告費、運送費などの「販管費」を引いたものが営業利益になります。

例えば、単価100円のサービスが1個売れたとして、原価が10円、販管費が20円だった場合、売上総利益(粗利)は90円、営業利益は70円になります。

営業利益が順調に上がっている企業は、経営が安定していると言えます。
営業利益も売上高同様に、過去の数年をさかのぼり、上がり幅・下がり幅がどれくらいかを見ましょう。

経常利益

経常利益は、企業が持つ商品やサービス以外の損益を足したものです。

例えば、本業がITサービスを売っていても、保有する不動産からの家賃収入などを得た場合、経常利益に含まれます。つまり、経常利益には本業の商品やサービス以外の利益や損失も含まれることになります。

営業利益に比べて、経常利益が上下している場合は、その会社が本業以外でどのような活動をしているのか調査しましょう。

事業別利益

会社全体の「売上高・営業利益・経常利益」を把握したら、次は事業ごとの業績と定性的情報を見ましょう。

各事業ごとの数字を見ることで、企業が行っている複数の事業から、順調に利益を出している事業とうまくいっていない事業を把握することができます。

また、事業部ごとの市場動向や課題、リスクについて書かれているので、なぜ利益が上がっているのか、下がっているのかを理解することができます。

まとめ

今回は、マーケターがIR情報を見るうえで絶対に抑えておくべきポイントを紹介しました。

多くの上場企業で本決算の発表は5月中旬にあり、四半期決算の発表が3回あります。
マーケターの方々はこの時期を逃さないように、市場・業界分析を行いましょう!


はじめまして。この度は記事を読んでいただき誠にありがとうございます。
私、マーケ犬と申しまして、
IT企業でマーケティング・コンサルをしております。
Noteでは、近しい業界の方々とコミュニティを築き上げていきたいと思い、
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