不動産証券化マスター 過去問で重複出題のテキスト箇所③

テキスト101

金融商品取引法では、信託受益権や投資ファンドなどの集団投資スキームの持ち分も広く有価証券とみなされ、包括的に規制対象と位置づけられている。集団投資スキームの持ち分が金商法の規制対象とされたことは、不動産証券化の実務にも大きな影響を与えている。

金融商品取引法では金融商品取引業として①第一種金融商品取引業(従来の証券業)、②第二種金融商品取引業(みなし有価証券の売買など、限定的な証券業務)、③投資運用業(従来の投資一任及び投資信託委託業、④投資助言・代理業(従来の投資助言業)が規定されており、また、証券仲介業に代わって金融商品仲介業が設けられた。これらの業務をすべて登録制として横断的に規制する一方で、業務内容の範囲に応じて、例えば財産的基礎要件などの参入規制(登録拒否要件)を設けている。

金融商品取引法上の開示は、投資家に対して適切な投資判断材料を提供することにより資本市場の健全な発展及び投資家の保護を図ることを目的としており、3つに分類される。企業内容などの開示、公開買付に関する開示、株券などの大量保有の状況に関する開示。これらの開示書類は、EDINETにより電子化されている

会社法の開示は、企業の直接的な利害関係者である債権者、株主の保護を目的としており、金商法が広く投資家一般を対象にするのと異なる。具体的には、計算書類および事業報告の定時株主総会での報告または承認が求められるほか、監査報告書などを5年間本店に、その謄本を3年間支店に据え置き、株主または債権者の閲覧に供すること。定時株主総会の終了後には、承認された貸借対照表、損益計算書を公告

金融商品取引所(証券取引所)の規則に基づく開示は、有価証券の投資判断に重要な影響を与える会社の業務運営または業績などに関する情報について、投資家に適時・適切に開示(適時開示)することを目的としている。公開の開示にはTDnetの利用が義務付けられている。

上場企業は、法定開示、適時開示などの法律や取引所の規則に基づく開示にとどまらず、投資家に向けて積極的に会社情報の開示を実施しており、その任意の情報開示をIR活動と呼ぶ。

証券市場とは、発行(プライマリー)市場と流通(セカンダリー)市場に分けられる。

株式を証券取引所に上場させるには、幹事証券会社を通して証券取引所に申請を行い審査に合格しなけらばならない。株式は上場すると、不特定多数の投資家により売買されるようになるため、上場は株式公開とも呼ばれる。市場への初めての株式供給との意味で、IPOともいう。株式の流通量が不足し公正な価格形成が困難になった場合や会社が破綻状態となった場合は、上場廃止基準に基づき上場廃止の措置が取られる。

信用取引とは、顧客が売買代金の一定比率を委託保証金として証券会社に預託し、買付資金又は売付証券を当該証券会社から借りて売買を行い、所定の期限内に返済する取引で、制度信用取引と一般信用取引の2種類がある。

銀行の固有業務は3つ。①預金業務、②貸付業務、③為替業務
①預金業務は、企業や個人などの顧客からの預金を受け入れる業務で、
 受信業務ともいう。バランスシート上は銀行の負債となる
②貸付業務は、企業や個人の返済能力を信頼して、資金を貸し出したり、
 手形を割り引いで現金と交換する業務で与信業務ともいう。
 バランスシート上は原則として銀行の資産になる。
③為替業務は、振込みや送金、手形・小切手によって、実際に現金を
 移転させることなく、資金の決済などを行う業務である。

貸付金利の体系は二つに分かれる。一つは、プライムレート体系(短期プライムレート+スプレッド)である。もう一つが市場金利に直接連動した市場金利連動方式(変動金利方式/TIBOR+スプレッド、固定金利方式/市場固定金利+スプレッド)。スプレッドとは基準となる市場金利に対する上乗せ金利をさし、本来は引き受ける信用リスクやコストに見合うと銀行が判断するリターンといえる。

ペイオフとは、預金保険機構が元本1000万円までとその利息額を保険金として預金者に直接支払うことである。

銀行の信用創造機能とは、銀行が預金と貸出を連鎖的に繰り返すことで預金通貨が増えていくことさす。最初に預けられた預金を本源的預金、信用創造により新たに創出された預金を派生的預金という。支払準備率rが低下すると派生的預金は大きくなる。

信用リスク管理とは、与信業務にかかわるリスク管理である。与信先が倒産して返済不能の状況に陥るなどの危険性を定量的に把握・管理し、経営の健全性と収益性のバランスを適切にコントロールすることは、銀行業務の基本ともいえる。

2011年にPFI法の一部改正がなされ、適用範囲が「賃貸住宅」、「船舶、航空機などの輸送施設」、「その運航に必要な施設」に拡大された。民間からの事業実施制度の導入、コンセッション方式といわれ民間の長期間に渡り公共施設の運営権を付与する方式が導入されるなどした。日本では改正と同時に施設の所有権が公共部門に移転する案件「BTO案件」が多いのが特徴である。

信託業法については、2004年12月に大幅に改正され、特許権や著作権などの知的財産権についても受託することが可能となった。

生命保険・損害保険・年金・銀行といった機関投資家の資産運用・管理においてはALMの考え方が導入されている。各投資家が持つ負債の特性に基づいて総合的に資産管理を行うリスク管理手法がALM。

銀行は、不動産会社や「不動産流動化などを目的とするSPC」に対する貸出しを行い、不動産投資市場を支えている。

年金基金としてグローバルに不動産投資を行っている大型年金基金として、オランダABP、米国カルパースなどの公務員年金があるが、これらは日本の「国民年金」に類似する「基礎年金」あるいは「社会保障年金」ではなく、それに上乗せする年金に該当する

大型の年金基金に次いで、不動産投資運用額で上位に位置するのが政府系基金のSWFである。SWFとは、国有財産を運用するファンドで、石油などの資源売却収入を主たる原資とするもの(アブダビ投資庁、ノルウェーのGPFG)と外貨準備金や財政余剰金を原資とするもの(シンガポールのGIC、中国のCIC)に大別できる。SWFは、他の投資家と異なり給付債務を持たないことから、投資利回り設定に関して柔軟性が高い。






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