不動産証券化マスター 過去問で重複出題箇所⑤

テキスト102
売却の際には、様々な顧客とリレーションを有する仲介会社を活用することでダイレクトセールに比べて多様性に富んだ取得候補者へのアプローチが可能になる。

取得候補者から開示資料に関する事項などについて質問は、当該質問者以外の取得候補者にも質疑内容を共有することが重要である

地価公示は、国土交通省土地鑑定委員会が、毎年1月1日時点における標準的な土地の1㎡あたりの正常な価格を判定して公示する価格で、毎年3月下旬に発表される。一般に公示地価と言われる。
基準地価は、都道府県知事が、毎年7月1日時点における標準的な土地(基準値)1㎡当たりの正常な価格を判定して公表する価格で、毎年9月下旬に公表される。基準地価は都市計画区域外の林地・リゾート地なども対象となる。
相続税路線価は、国税庁が相続税および贈与税の計算の基準のため、毎年1月1日時点における路線(道路)上の1㎡当たりの標準的な宅地の価格を算定した価格で、地価公示の8割程度が目安とされる。
固定資産税評価は、市区町村が固定資産税課税標準となる適正な時価を求めるための核である。評価水準の目安は地価公示の7割程度とされる。固定資産税、都市計画税、不動産取得税、登録免許税の算定に利用され、3年ごとの1月1日に評価替えが行われる。

不動産取引データで今後の価格トレンドを分析する。不動産を購入している主体が誰かにも
注目することが大切である。中長期の保有するのは、J-REIT、生保、年金といった機関投資家や自社使用目的の一般事業会社である。短期の保有は不動産私募ファンドである。長期保有者の取得が進んでいる場合は市場に売買物件が出回らなくなり、売りの供給が絞られてくると考えられる。一方、短期保有者の取得が進んでいれば、いずれ近いうちに売却物件として市場に出てくる供給圧力になることを意識しておかないといけない。

賃貸借契約書では長期間入居しているテナントについては、契約始期の契約書だけでなく、その後の変更契約書、覚書などを所有者などに徴求し、現在の契約内容を確認するとともに過去の契約内容、条件変更の経緯なども確認すべきである。普通借の既存テナントの賃料が、市場賃料水準より低廉な場合は、更新時に一気に市場水準まで増額することが困難な場合が多い。既存テナントの賃料が、市場賃料水準より高位な場合は、テナントの退去リスクや賃料減額請求のリスクを考慮すべきである。

再調達価格とは、対象建物の仕様に従い、対象建物を調査時に再度同一の規模で、新築するとした場合の費用である。解体撤去費用、設計料、移転引越し費用、営業補償費および官公庁の指導事項による工事費増要員などは含まれない。なお、竣工後に行われた追加工事、改修工事などの費用も反映される。ただし、竣工後における法的な制約条件の変更の影響などは含まれない。

建物の建設には、都市計画法、建築基準法、消防法を始めとする法規制、地域における条例も含めて様々な規制があるが、これらをすべてクリアしてはじめて「建築確認申請」を行うことができる。検査済証をもって、対象建物の竣工時点における旬報性が証明される書類となるため、その意味と存在は、非常に大きい。

地震リスク評価にはPML(予想最大損失)が用いられる。当該地で想定される最大級の地震に対して、建物全般の損失率・損失額(物的損失)を算出する。PMLの定義には様々なものがあり、米国のASTM、日本のBELCAにより提案されている。1981年以降の「新耐震基準」の建物であるから被害が少ないとは限らないし、それ以前の「旧耐震基準」の建物であるから、想定される以外が大きいとも限らない。評価に採用するデータベースや独自の知見、予測誤差の考え方および被災データベース・損傷率などがER作成者により異なるため、同一の建物を評価しても結果は異なる可能性がある。

プロパティマネジメントの役割は、ビルオーナー(AM)が立てた対象不動産の運用計画を具体的な実務に落とし、ビルの収益・資産価値の最大化を図ることである。プロパティマネージャーは、日常的な対象不動産の管理運営における実務の専門家として、運営収益から運営費用を控除した運営純収益(NOI)の改善・増大を図ることが求められる。最適な賃料条件を設定してテナントを誘致することや、テナント入居後はテナント満足度を高めるべく、質の高い建物の維持管理を図るとともにコストの無駄を減らし、最適化の工夫を行うことが必要とされる。

テナントの入居に際しては、ビル使用上の制限や義務に関する遵守事項を定めた「館内使用細則」を配布し、テナントに対して規則の周知徹底を図る。テナントが解約申し入れの意思表示をした場合において、解約理由をテナントに確認することは、プロパティマネージャーにとって重要な業務である。

テナントが解約予告を出した場合、通常は契約終了日までに賃貸借室内のテナントの物品など一切を運搬し、テナントの設置した内装造作諸設備などを撤去し、賃貸借室を賃貸借機関開始日の現状に修復して明け渡すこととなる。

ビルメンテナンス業務の設備管理業務には、主に日常運転監視業務と定期整備業務がある。設備管理員にて行う場合と、専門業者に委託して行う場合がある。

セントラル空調方式を個別空調方式に変更する工事内容によっては、ビルメンテナンス業務仕様の変更をともなうものもある。保守点検業務のみならず、法定点検項目も変更となる場合があるため、注意が必要である。


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