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経済

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世界各国の経済情報をまとめたマガジンです。
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記事一覧

【インフレ再加速?】トランプ政権になったらFRBは利上げするかも...

2024年のアメリカ大統領選挙において、もしトランプ氏が再び政権を握ることになれば、インフレが再加速するリスクが懸念されます。 トランプ氏は自国産業を守るための「関税の引き上げ」や、「所得税およびチップからの徴税免除」などを掲げており、これらがインフレを加速させる可能性があります。 本記事ではトランプ政権の掲げる政策とそれに伴うインフレリスクについて解説させていただきますので、ぜひとも最後までご一読いただけますと幸いです。 ◆トランプ政策がインフレ要因となる理由インフレ

【ダウ銘柄入替】インテル/ダウ OUT・エヌビディア/シャーウィン・ウィリアムズ INーーインテル覇権の終焉

2024年11月1日、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、ダウ工業株30種平均(ニューヨークダウ)における銘柄の入れ替えを発表しました。 新たに半導体大手のエヌビディア(NVIDIA)と塗料メーカーのシャーウィン・ウィリアムズ(Sherwin-Williams)が採用され、これまで構成銘柄だったインテル(Intel)とダウ(Dow)が除外されることになりました。この入れ替えは、2024年11月8日から正式に適用されます。 本記事では銘柄入替が持つ意味について記事にまと

【半導体関連株下落】レーザーテック・ソシオネクスト大幅下落、現在の状況の確認

2024年10月31日から11月1日にかけて、半導体関連株が大幅に下落しました。特にレーザーテックとソシオネクストは株価が急落しています。本記事では、この下落の背景にある要因をまとめましたので、ぜひ最後までご一読いただけますと幸いです。 半導体関連株が下落した5つの主な理由1.ASMLのガイダンス悪化 10/15に半導体製造装置の大手であるオランダのASMLが、業績見通し(ガイダンス)を大幅に下方修正していました。このことが、市場全体に「今後の半導体需要が減少するかもしれ

【覇権国の礎】アメリカがイスラエルを支援する理由

アメリカは長年にわたり、イスラエルに対して強力な支援を行ってきました。 これは単なる歴史的な絆や宗教的理由にとどまらず、アメリカ自身の覇権を維持するための戦略的な側面が大きく影響しています。 本記事では、アメリカがイスラエルを支援する主な理由を、解説していきます。 1. 歴史的背景:ホロコーストとイスラエル建国イスラエルの建国は、1948年に起こりました。 第二次世界大戦後、ナチス・ドイツによるホロコーストで600万人以上のユダヤ人が犠牲となったことから、ユダヤ人にと

【紛争と株価】中東紛争が株価に与える影響とは?

株価は、世界中の出来事に敏感に反応します。特に中東での紛争や地政学的な緊張が高まると、株式市場もその影響を大きく受けることがあります。 この記事では、中東での紛争がどのように株価に影響を与えるのかを解説します。 ◆中東紛争が株式投資において重要な理由中東は、石油や天然ガスなど、世界のエネルギー資源において非常に重要な地域です。 この地域には、世界の石油埋蔵量の大部分が集中しており、エネルギー市場における中東の安定は、世界経済全体に大きな影響を与えます。 特に、主要な石

【繰り返される歴史】なぜ中東は紛争が止まないのか。

中東は、世界的に重要な地域でありながら、数十年にわたって紛争が絶えない状況が続いています。 その背後には、宗教的対立、資源争奪、植民地支配の遺産、外部勢力の介入など、さまざまな要因が絡み合っています。 さらに、この地域の地政学的な重要性から、世界各国が関与し、緊張が絶えず高まっています。 本記事では、中東で頻発する紛争の主要な原因を詳しく探り、その背景を解説します。 1. 宗教的対立中東は、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教といった主要な宗教の発祥地です。特にイスラム教

【経済の原理】逆イールドを警戒すべき理由

2022年7月以来続いていた逆イールドは、2024年9月のアメリカのFRB(連邦準備制度理事会)の利下げによって解消されたと判断してよい水準となりました。 経済が不安定な局面では、多くの投資家が市場の動向を注視し、特に「逆イールド」という指標に注目しています。 逆イールドは、過去のリセッション(景気後退)の前触れとして多くの注目を集めてきました。 本記事では、逆イールドの原理や発生する理由、経済全体と株価への影響について解説させていただきますので、ぜひとも最後までご一読

【経済の原理】金利と債券価格の関係

投資において金利という変数は、現在の市況の確認、および将来を占う上で、非常に重要な要素になります。 その金利が最も影響を与える債券価格についてまずは解説させていただきますので、最後までご一読いただけますと幸いです。 ◆債券とは何か?債券は、政府や企業が資金を借りるために発行する「借用証書」のようなものです。 投資家は債券を購入することで、その期間中に利息を受け取り、満期になると元本が返ってくる仕組みです。 債券は比較的リスクが少ないとされており、安定した収益を得たい投

米国の景気後退(リセッション)の歴史をみてみよう

経済は成長と収縮を繰り返すサイクルがあります。経済が成長してピークに達した後、企業の生産や消費活動が減速し、不景気になるまでの期間を「景気後退(リセッション)」と呼びます。リセッションの期間中は、多くの企業の利益が減少し、失業率が上昇することが一般的です。 今回は簡単に過去どのようなことが原因でリセッションが起きたのか歴史を紐解いていきたいと思います。 ◆リセッションの定義 まずは景気後退(リセッション)の定義を確認します。 米国では、2四半期以上連続して実質GDP(国

アメリカの覇権とペトロダラー体制の終了:株価への影響

2024年6月、サウジアラビアとアメリカの間で50年間続いていた「ペトロダラー体制」が終了したことは、世界経済に大きな影響を与える出来事でした。 ペトロダラー体制の終了は、石油取引の米ドル依存を終わらせるもので、米ドル需要の低下につながる可能性があると考えられています。 この動きがアメリカの覇権や経済に与える影響、株式市場への影響についてまとめさせていただきましたので、最後までご一読いただけますと幸いです。 米ドルの価値と株式市場への影響1. 米ドル需要の減少とその影響