見出し画像

ビジュアルノベルゲーム レビュー③ (穢翼のユースティア)

こんにちは
Markerです。

引き続きビジュアルノベルゲームレビュー
第3作目といきます。

今回は穢翼のユースティア という作品です。

この作品は非常に私好みの作品で、プレイ終了後余韻に浸かれました。
教訓も豊富で、価値観も変わるそんな作品です。

作品概要

2011年Augustが販売した異様な作品
PC版を原作として、PSvita版、PS4版、Switch版と多角的に全年齢版リメイクしています。

私はPC版でプレイしました。
言葉の表現の規制がないのでPC版でプレイして良かったと思います。

ストーリーとしては「不条理」をテーマとしたダークファンタジー系であり、作品として教訓や名言が多く、人生観が変わる作品。
世界観としては中世ヨーロッパで階級社会による理不尽さが表現されている。
「牢獄」に住む主人公カイムが羽化病やノーヴァスアイテルに潜む謎を解き明かしていく。
ヒロイン5人+1人で選択肢で本編から外れると個別ルートに行くが、ほぼ一本道の作品で小説を読んでる感じに近いため読書のつもりでプレイしてもいいかもしれない。


作品評価

ストーリー 5 ☆☆☆☆☆

「不条理」をテーマとした一本道のストーリーではあるが、軸としては王道で綺麗に纏まっており、伏線回収もしっかりしてくれ、物語が進行するにしたがって比例形式に面白くなる。
感動シーンや泣けるシーンも多く、プレイヤーをしっかり楽しませてくれる。
ラストの展開は世論によると賛否両論があるが、私の考え的にこの展開以外考えられないと考え、私なりにエンディングは非常に評価は高い。

表現力 5 ☆☆☆☆☆

特にこの作品は心理描写の表現が豊富でAnother episodeで主人公以外の心理描写を表現をしっかりしてくれるので、その行為におけるジレンマなど明白に為、読み手を飽きさせない。
語彙に関しても難しい言葉を正しく使い文章を表現しており、重みがある。背景や作画、CGなども綺麗かつ多い。
作画は人を選ばず、CGではヒロインの表情が変化したり、動くので作り込みを感じる。
豊富な背景により、どのような状況や場所で会話しているか想像しやすく、BGMのおかげで高揚感や緊張感も楽しめユースティアの世界観に入り込める。
はっきり言って表現力に関しては文句付けようがない。

キャラ・登場人物 5 ☆☆☆☆☆

ヒロインはもちろん男性キャラ、女性サブキャラだれもが印象に残るキャラで作者の愛を感じる。
ヒロインは癖が強いキャラが多いが(特にエリス)、その個性がブレることなく、基本的にその個性や信念に基づいた行動を取るため好感が持てる。また、純粋に容姿がよく可愛い為気にならなかったりする。
男性キャラは主人公カイムを始めとして、ジークやルキウスなどカッコよく強い人生観を持ったキャラが多く、非常に魅力的である。
ここまで多くの男性キャラが魅力的な作品も珍しいであろう。

音楽・BGM 5 ☆☆☆☆☆

BGMは非常に豊富で展開に応じたBGMが流れるので臨場感がしっかり味わえる。
BGMは「Haplbmond」はヴィノレタや牢獄を代表するBGMで印象に残る。
OPの「Asphodelus」はこの作品の世界観を忠実に表現した歌で世論でも非常に評価が高い。

難易度 5 ☆☆☆☆☆

ルート分岐は最終的な選択肢ヒロインを受け入れるか、そうしないかの2択で決まるので非常に簡単に個別ルートに行ける。(受け入れなかったらTrueルート)
ビジュアルノベルゲームとしてはかなり簡単であり、初心者でも気楽にプレイできる。

ゲームテンポ・ストーリー長さの
バランス 5 ☆☆☆☆☆

1章〜5章構成となっており章ごとにヒロインが変わり、展開の変化や進行度がわかりやすい。
会話に無駄がなく展開がどんどん変わっていくのでテンポがいい。
ストーリー長さは長すぎず短すぎずバランスが絶妙でボイス付きかつ個別ルート込みで30〜40時間程度で完全クリア可能。

やり込み要素 3 ☆☆☆

本編はTrueルート一本道かつ分岐した個別ルートも短い為、普通にやる分のやり込み要素はほぼ無いが、本編クリア後に解放されるおまけシナリオが多い。
内容は個別ルートの補填やサブキャラの絡みなどでやり込み要素の少なさを補充している。
しかし、本編の個別ルートをもう少し長くしたり、ティアのグッドエンドが欲しかったというのが筆者の願望だったりする。

ゲームシステム・バグ 5 ☆☆☆☆☆

ゲームシステム上の不満は無し。
動作も軽く、マウスジェスチャー機能もあり快適にプレイできる。
オプションがこれでもかと思うくらい豊富すぎてむしろ驚嘆に値する。バグもほぼない。

総合評価 10/10点 最高評価

総評

「8月の奇跡」と言われる本作品ではあるが、それに恥じないほど、ビジュアルノベルゲーム全体で見ても非常に完成度が高い。
ストーリーやキャラはもちろん、BGMや難易度、ゲームシステムなど含めても完璧すぎる作品。
あえて欠点を言うと、展開の少なさややり込み要素の少なさが気になるが、しっかり作り込まれた本編によって1つの小説として考えればその欠点も気にならなかったりする。
この作品のテーマは「不条理」であるが、もう1つのテーマとして「選択」がある。
シナリオの最後にヒロインやサブキャラが極限状態に陥った時、様々な選択をしていくが、主人公だけが選択出来ず、葛藤し最終的に選択する展開は非常に見物である。この時のルキウスの選択することの崇高さを主人公カイムに諭す言葉は私の人生観を大きく変えた。
他にも本編中の名言がたくさんあり、プレイヤーの心中を感激させられる。また、
筆者が初めてサントラを買った作品でBGMや歌も非常に良好で記憶に残る。
筆者がプレイしたビジュアルノベルゲームの中で間違いなく最高傑作である。
ビジュアルノベル初心者やギャルゲーに抵抗がある人でもストーリー内容、難易度的にもかなりオススメできる。
もっと有名になってもいいと思う作品であり、筆者もこの作品を沢山の人に紹介していきたいと考えている。


余談だが、私はコレット(聖女イレーヌ)1推しである。
純粋で負けず嫌いで少し言葉がきつめという聖女とは思えない性格をしており、そのギャップに大変惹かれた。
将来、結婚前提に付き合いする人はコレットみたいな人がいいなという筆者の願望である。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?