テレビがつまらなくなって、YouTubeが面白くなっている理由

最近、YouTubeが面白くなってテレビを視聴するよりもYouTubeを視聴する時間の方が多くなっている気がします。

テレビがつまらなくなったという声を聞くようになりましたが、個人的にはテレビがつまらないのではなく、映像のクオリティであったり企画の大きさに関しては変わらずテレビコンテンツの凄さを感じています。

どちらかというと、YouTubeコンテンツが独自ポジションを築きつつあり、それが消費者に受け入れられている結果が今であるように思えます。

テレビとYouTubeの違いはなにか?
一つは構造上のモデルに大きな違いがあるように思えます。

テレビは言わずもがな広告モデルで、YouTubeも同じく広告モデルです。
しかし、テレビには番組提供を枠であるタイムCMと、番組を指定せず時間帯の面を購入するスポットCMに分けられます。
タイムCMは広告主が番組に協賛しているため、制作面で番組に対してパワーを持ちます。極端に言うと、広告主の商品を貶めるような表現は番組ではされることはありません。
また、昨今のコンプライアンスに対する極端ともいえるケアから、昔は無茶をしていた番組内容も今の世の中では自粛されています。テレビは影響力が大きいので他のメディアに比べてもその傾向は顕著です。
そして、政府要省の圧力。
ニュースでは「国の借金問題」といった表現が使われていたりしますが、マクロ経済に詳しい人からすると国の借金問題というものは存在しないのは常識です。
しかし、その誤った情報を流さなければならないのは、テレビにジャーナリズムがないのではなく、そのように流さざるを得ない事情があるためです。

つまり、テレビに関しては、少なくとも広告主・コンプライアンス・政府要省のパワーが働いているため、番組コンテンツに自粛圧力が掛けられていると言えます。

対してYouTubeに関しては、それがほとんどない。広告モデルになるので広告収入の増減によりコンテンツの調整はなされると思いますが、広告主ではなくどちらかと言うとGoogle側のロジックを見るのが大きな違いです。

よって、YouTubeにはコンテンツに対する自粛パワーがあまりかからないため、表現者は自由に自分の思うことを表現できているわけです。

また、「共感」という視点でも2つには違いがあります。
テレビは大衆を相手にするため、コンテンツの内容も最大公約数的なものにならざるを得ません。
しかし、YouTubeはどちらかというとロングテールを狙っているので、興味のある人により深い情報を与えることでビジネスが成り立つモデルとなっています。

わかりやすく言うと、サーフィンのテクニック講座のテレビ番組はつくることができないが、YouTubeではそれがむしろ有益コンテンツとして支持されるということです。(テレビでサーフィン講座なんてものをやったら視聴率が取れなくてすぐに打ち切りになるでしょうね。)

そう考えると、テレビ or Youtubeという対立構造ではなく、ポジショニング自体が少し異なる棲み分けができてきている状態ではないかと考えられます。

YouTubeの存在により、割を食っているのはテレビではなく、雑誌や専門講座などのセグメントされたビジネスではないかと思っていたりします。

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