キャプチャ

知覚形成の性質を利用した「投信の窓口」のCM

遠藤憲一さんが出演する「投信の窓口」のCMが脳の性質をうまく利用した秀逸なクリエイティブであると感じたので紹介します。

動画サイトでは見つけられなかったので、個人の方がUPしたInstagramのリンクを貼っておきます。
投信の窓口 CM

簡単に解説すると、
投信の窓口に初めてきた遠藤憲一さんが説明を聞いてサービスに感心する
しかし、突如腹が立ってきて席を立つ
何に腹が立ったかと言うと、今までの自分の投信選びはなんだったんだ!
というオチ
そして、「投信選びに公平なものさしを」というキャッチで〆る。

どの部分が秀逸かと言うと、もし投信の窓口の良さのみを伝えたCMだった場合、脳に引っ掛かりがなくそのままスルーされてしまいます。
それは、よくあるCMは訴求ポイントをストレートに伝えてくるという知覚があるためです。
しかし、最初はポジティブな心境で展開していくのですが、突如、反転してネガティブな態度を取り、まさかの席を立ってしまいます。
ここに、大きんな違和感と普通であれば〇〇という知覚ではないものが目の前で展開するので、知覚を新しく形成するために、どうなってしまうのかを見届けなければならない本能が働きます。
で、最も伝えたいコピーをそこで伝える。
メッセージの浸透度は結構高いCMなのではないでしょうか?

これはツァイガルニク効果の1種で、知覚と言うのは〇であれば〇と違和感なくきれいに覚えさせたいという脳の本能があります。
その〇がちょっとでも掛けていると気になってしまうわけです。で、何とかその掛けた部分を補完しようと、解決するためにカロリーを使うのです。

ツァイガルニク効果は、「続きはCMの後で」のようなものが代表例ですが、こういった違和感の作り方もあるんだなと感心させられる事例です。

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