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WACATE2023冬 ~ 初めての分科会オーナー 「テストして感動したこと、心動かされたこと」

書き出したら長くなってしまったので、分科会どんな感じだったのかを手っ取り早く知りたい方は「感動エピソード例」のところをつまみ食いしていただくことをおすすめします。


はじめに

12月23日・24日の2日間、合宿型の ワークショップ、WACATE2023冬に参加してきました。企画していただいた実行委員の皆様、一緒に参加し学び合った皆様ありがとうございました。そして、本当にお疲れ様でした。

"WACATE is nothing without its people"

OpenAI 社騒動があった時の有名な言葉のパクリですが、WACATEは運営されるみなさま・参加されるみなさま、これまで創り上げてきた皆様あってのことです。改めて感謝の気持ちでいっぱいです。

さて、私は、WACATE2023夏に 初参加し、今回は2回目の参加でした。今回は、分科会 (「テストして感動したこと、心動かされたこと」)のオーナーを初めてやってみて感じたこと、そして、どのような内容だったかをレポートしてみたいと思います。

なんで分科会オーナーに?

夏のWACATEでは参加者側で参加して、とても楽しかったので、今度はその場を創る側を経験みてみたい、そして、自分自身いろいろなバックグラウンドの人と語り合えるのが大好きで、そのテーマを自分で決めることもできる。やってみるかー。 そういった想いがあったように思います。

事前準備編

WACATE公式の分科会オーナーについて の HPを指針に、いろんなイメトレをしました。参加者がめっちゃ少なかったり、めっちゃ多かったり(こっちの方は可能性は低いなーとか思いつつもw)した場合どう回していくのが良いかなーなど頭の体操は何度かしました。いろんなバックグラウンドの方にとって、時にはゆるく、特にはエモく、何らかの学びやヒントが得られるようにするにはどのようにすれば良いかなあと、時に歩きながら、時にコーヒーを飲みながら考えました。けれども 「 実際には、蓋を開けてみないとわからないことも多いから、柔軟に変更できる変更容易性も高くしよう。」 みたいなことを考えていました。準備のエピソードの一つになりますが、「感動した〜シリーズ」のように、少しサブテーマ的なものも取り入れても良いかもと思い、ChatGPTでプチシミュレーションしてたりもしました。

( スクショなので「↓」アイコンを押しても続きが見れるわけではないので注意 )

そして、分科会PRタイム

1日目クロージングセッションにおいて、分科会のオーナーには、PRタイムが 1分間与えられます。 実は、他の分科会のテーマにどういったものがあるのか、どなたがオーナーになるのかについてはこのタイミングで知りました。情報見逃していたらごめんなさい。オーナーとしては、他にどのようなテーマがあるのかがわかっていると、それに合わせて内容を微調整しやすくできるかなと思いました。けれども、いろいろなテーマがある想定ではいたので、その他の分科会のテーマやオーナーの方を見た上で、今回は私は「ゆるい系」に全振りした方がむしろ良いと直感的に判断し、そうアピールしました。

休憩・夕食・休憩 (2時間半) の間に・・

分科会の前には少々時間があります。普段から少食かつ、1日1食から2食の私は、ディナータイムとその前後の休憩時間は、分科会PRタイムで得た情報を元に分科会に向けての軌道修正や準備を行う時間にしようと目論みました。

まず、分科会の間の飲み物やちょっとしたおつまみ類を近くのコンビニに買い出しに行き、飲み物類を冷蔵庫に入れた後、ノートPCを開きました。

その時、もう一人の分科会オーナーでもあり、WACATE2023夏の同級生でもあるぐんちゃさんの 投稿 が目に留まりました。

正直オーナーになっても、他の分科会には興味津々で、自分も参加したいなーという気持ちがいっぱいの中、そういった数ある分科会の中から自分の分科会を選んでくださった方(この時は、片手で数えられるくらいになればいい方かなと思ってました。)に少しでも期待に応えたいなあという気持ちが湧いてきて、私は、 docswell のアカウントをさっと 作って、スライド を作りました。

スライド作成時には、参加前、分科会開始時にゆるい系であることが明確に伝わる内容にすること(期待とのギャップを少しでも減らせるように)、そして、分科会に向けての私の想いもしっかり伝える(人はWhyに共感するもの)ことを反映したいと考えてました。

そして、直前にはなってしまうものの、"better late than never" 精神で、X にも投稿しました。

分科会開始直前

19:30から開始なんですが、19:10分くらい前に会場に到着し、早過ぎたかなあと思いつつもゆっくり 障子を開いて中を覗きました。実行委員の角玄さんがいらっしゃって確認したところ、「いいですよー」と会場に入れていただけたので、会場のセッティングの確認もでき、より解像度感が高いイメトレができました。ありがとうございました!

尚、今回は和室 という扱いの会場でしたが、装飾は洋室、テーブルは回らない中華テーブル風の丸テーブル、1テーブル毎に 約10名前後が座れるようなセッティングとなっていました。

a very pleasant surprise (嬉しい驚き!)

そして、開始時間が近づき、人も集まってきて、それぞれの分科会の場所も定まり、参加者の皆様が興味に応じて座っていきます。あれ、あれれ?? 私のテーブルに、 一人。  

2人、3人、4人とどんどん増えて・・・・。10名の方に座っていただけました。様子見の方も当然少なからずいらっしゃると思いましたが、それでもこの時点でありがたい気持ちでいっぱいになっていました。集っていただけたみなさま改めて感謝です!ありがとうございます。

人数が少なくなりそうと軌道修正してイメトレしてましたが、柔軟に多人数プランに頭を切り替えました。

分科会開始!

事前にXの投稿を見れた方はごく少数であるはずなので、まずは、スライドを表示しながら、分科会の狙い「ゆるく、癒しに繋げる」、そして、癒しにつながる理由の説明( なんちゃって定義)、からの「みんなで力を合わせて感動体験を共有し合うことで明日の元気に繋がる分科会にしよう。」というメッセージと、私がテスト大好きな理由に感動体験が大きく影響していること、つまり私が個人的に「感動体験はテストが大好きになるパラメータの一つである。」と強く信じていること、そして、参加いただく様々なバックグラウンドの皆様と一緒に感動体験を共有し合うことで、気づきだったり、ヒントが得られる かもしれない 。 感動体験は 個々の価値観で異なるものだからこそ、共感できるものもあるかもしれないし、共感できない部分もあるかもしれない。でも、むしろ その違いを知ること自体も大きな価値だと思うし、「みんな違うからこそむしろ良い。」 そういったことを話した上で、「感動の正しい定義とは何かを議論する、そういったことはスコープ外である。」と伝えました。みなさま優しいので、うなづいたり、時折笑顔で聞いてくれていましたが、もちろん、ここまで聞いて、移動したくなっちゃった方もいることも想定して、そういった場合は全く遠慮せず移動しちゃってください、また、少し参加したうえで移動したくなった時にも同様にそうしてください。と伝えました。その時点では離脱者0名でした。

分科会の流れ


下記のような流れで進めました。

  1. 自己紹介(一人 2分目安)

  2. 進め方の説明

  3. 共有したい感動エピソードのキーワードを各自付箋にメモする
    (話す内容を書くのではなく、キーとなるキーワードを見ながら話しやすくするツールとして利用してもらう)

  4. 発表者の決定( 今回はほとんど、自主的に手をあげてもらえました!)

  5. 感動エピソードの発表

  6. 質問や深掘り(だいたい 1,2名の方が質問や関連する話しをする形となりました)

  7. 「4」を繰り返す

尚、ちょうど1時間経過した時点で全員のエピソード共有が一回りしたタイミングで、休憩を10分挟むことにしました。その時間を使って、他の分科会を覗くこともできるし、休憩を挟むというのは、分科会オーナーのTipsとしては一つの選択肢としてはありかもしれないです。

感動エピソード例

個別具体的な詳細的なところまでの共有ではありませんが、どのような 「テストして感動したこと、心動かされたこと」が語られたか、概要を紹介したいと思います。

  1. 境界値分析と同値分割などのテスト技法を学んで、実際に使ってみたらバグを見つけることができた! - 新しいテスト技術を習得し、実際のテストケースに適用。重要なバグを発見し、理論の実践的な応用の重要性とテスト技術の効果を実感。

  2. 新卒採用でファーストキャリアとしてQAを選んでもらえた! - やりがいのある自動化のテスト領域を CS (Computer Science)を修めた新卒(大学院卒)に担当させることで、3ヶ月のトライアル期間後正式に入社いただけた!

  3. 様々な工夫を重ね「最後の砦」から脱却できた! - テストし始めるとすぐにクリティカルなバグがでるような状況であったが、スモークテスト的なものを導入したりしたところ、開発の人から受け入れテスト作ってくれるようになって、大丈夫そう?と聞きにきてくれるようになった!開発経験があったことから、QAとして何を考えているか、相手にわかる言葉を使って相手に伝えるよう工夫した( JaSST Review の Lisi さんの Speak Their Language に繋がりそうな話しかもですね )

  4. お客様から "直接" 「ありがとう」をもらえた! - マネージャーとなって調整多くなった、クリティカルなバグを検出して、リリース前にバグを検出してくれたことに対しクライアントから直接感謝を受け取ることができた。

  5. 炎上案件乗り切った! - 総合受け入れテスト中に多数(想定10個ぐらいのところが100個!)の不具合を発見。予想外の問題に直面しながらも、リソースを効果的に活用し、プロジェクトを成功に導いた。

  6. (共感関連エピ)QAE不在で倒産に! - QAエンジニアの不在、忙しいディレクターがテストケースを書いて実行しているような現場があったがバグがでまくっていた。もちろん、QAE不在だけが原因ではないと思うけれども、結果として、その後倒産するに至った。

  7.  後輩を育成しJaSST Nanoの発表するまでになった!- エンジニアがテストできるようにした話。伸び悩んでるエンジニアをテストができるSETみたいに育成した。Visual Regressionとかツールを一緒にやっていくようになって、JaSST nano で発表するようになった。

  8. 「お金」は強力な成長達成感の源! - バイネームで仕事もらえる。目標を達成するために億単位のお金を動かす! 成長の達成感といえばやっぱり「お金」

  9. アクセシビリティに関連する超重要バグの発見!
    きっかけはレビューミーティング時のひらめき。友人に障害者教育の道を目指す人がいて、その人のことがふと思い浮かんだのがきっかけ。
    ※盲目の方が用いる 入力方法 である、6点入力(パーキンス式入力)に対応できていないもので、その入力が必要な方には、全く役立てていない製品だったのが修正されることでようやく土俵に登ることができるようになった!

  10. エンジニア全員がテスト技術をできるようになってもらった! (前提としてブラックボックステストであまり品質があがらず、コードがわからないとダメという特性あり)エンジニア全員がテスト技術を身につける文化を推進し実現した。感謝が嬉しかった、役立てたことが嬉しかった!お互いに教え合うことが自然にできるような組織文化創りに貢献できた!

  11. 開発チームの超奮闘に感動! - (前提QAチームと開発チームが別組織)テストケースを9割くらい消化し、リリースも近づく中、残り1割のところに不具合が集中した! リリース厳しいかと思ったが、開発チームが超奮発し迅速に対応し、バグを全て解消。背景として、頻繁にQA担当もミーティングに呼んでもらえる関係性はあった。

  12. 特殊なサーバーが必要なテスト環境の構築は鬼門! - 委託先の能力がよくわからない中依頼した。テスト用に特殊なサーバー必要だったが、スキルが足りず工数があっても構築できず行き詰まった。

  13. 契約大事! - 顧客との契約を遵守し、契約に書いていることを満たさないと 瑕疵対応が必要になることがある。自社の営業と歩み寄り、しっかり、コントロールできることは、管理・コントロールしよう。コントロールできないことも踏まえて、見積もりもちゃんと作ろう!( 補足:やること、やらないこと、前提条件、再見積もり条件など)

  14. USの優秀なエンジニアも投げ出していたバグの原因究明できた! - かつて無線LANルータのテスト準備時に学んだネットワークの知識を総動員して、あるPC仮想化ソフトにおけるネットワークに関連するバグ(ごく稀に再現するが原因不明。深刻なため閉じずに放置されていた)の原因を究明できたことで、バグの修正に繋がった。チームに感謝された!
    ※ バグ は、Path MTU Discovery Black Hole によって発生していた。

おわりに

今回は、私の分科会では、「振り返り」の時間を含めていませんでした。後半の10分くらいで、Fun Done Learn! とかを使って振り返りするというのも分科会に取り入れても良かったかなあと思いました。

実際の分科会では、もっと肉付けされていて、深掘り時間もあったりしたので伝わりきれないものがたくさんあると思いますが、少しでも雰囲気を感じていただけたら嬉しいです。

お読みいだきありがとうございました。

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