見出し画像

【SD】 シリーズ PrellerGMのトレードを振り返る (14年〜15年編)

新年あけましておめでとうございます。今年は11月に控えるPadresのワールドシリーズ初制覇に向けて、僕もこのnote企画を通してPadres界隈を盛り上げていきたいところですね。


企画説明


今回の企画の詳しい説明に入りたいところですが、まずは下の2つのツイートに載っている図を見てほしいと思います。

2つの図は20年、22年にPS進出を果たした全チームの選手獲得方法別のbWARを表しているのですが、Padresだけ異様にトレードで獲得した選手のbWARが多く、ドラフト指名で獲得した生え抜きの選手のbWARが少ないことがわかりますね。

ということで今回からチーム戦略の最高責任者であるGM(ゼネラル・マネージャー)に2014年から就任したPreller氏の携わった全トレード(ドラフトピック、金銭なども含む)を年度ごとに振り返りつつ、

22年シーズンまでに
・獲得した選手が「パドレス」で稼いだbWAR
・放出した選手が「放出先」で稼いだbWAR

の差を求め、どれほどトレードが成功しているのかを検証してみたいと思います。

参考資料

14年オフのトレード一覧


2014年11月20日
獲得 Reymond Fuentes(KC)
放出 Kyle Bartsch

Adrian Gonzalezとのトレードで獲得したFuentesをKCへ放出したこのトレードがPrellerGM初トレードとなっています。

2014年12月18日
獲得 Matt Kemp(LAD)   Tim Federowicz(LAD)
放出 Yasmani Grandal Joe Wieland
   Zach Eflin

前年25HRの強打の外野手Kempと捕手のFederowiczをLADから獲得。一方14年15HRのGrandal、後に横浜Denaベイスターズで活躍するWieland、12年1巡目追補のEflinを放出しました。

2014年12月18日
獲得 Wil Myers(TB) Gerardo Reyes(TB) 
   Jose Castillo(TB) Ryan Hanigan(TB)
放出 Trea Turner(WSH) Joe Ross(WSH)
   Burch Smith(TB) Rene Rivera(TB)
   Jake Bauers(TB)

PrellerGM初の三角トレード。15年〜22年の8年に渡って在籍するMyers、現在Padres組織全体で最古参であるCastilloなどを獲得。一方14年に1順目指名されたばかりで後にスター選手となるTurner、22年は西武で活躍したSmithなどを放出しました。

2014年12月18日
獲得 Will Middlebrooks(BOS)
放出 Ryan Hanigan

数時間前に獲得したばかりのHaniganをBOSへ放出。

2014年12月19日
獲得 Derek Norris(OAK) Seth Streich(OAK)
放出 Jesse Hahn R.J. Alvarez

2014年AS出場のキャッチャーNorrisを獲得。一方2014年14G 防御率3.07のHahnをOAKへ放出しました。

2014年12月19日
獲得 Justin Upton(ATL) Aaron Northcraft(ATL)
放出 Max Fried Jace Peterson 
   Dustin Peterson Mallex Smith

ATLから前年29HRのUptonを獲得。一方12年1巡目指名で14年はTJ手術を受けたFriedらを放出しました。

Myersの絡む三角トレードから24時間で5つものトレードを行いました。初年度からPrellerはエンジン全開です。

2014年12月29日
獲得 Shawn Kelley(NYY)
放出 Johnny Barbato

リリーフとして14年59Gに登板したKelleyをNYYから獲得。そして後にファイターズでもプレーするBarbatoを放出しました。

2014年12月30日
獲得 Brandon Maurer(SEA)
放出 Seth Smith

SEAからリリーフPのMaurerを獲得。一方14年12HR打率.266 OPS.807のSmithを放出しました。

2015年3月30日
獲得 Cory Mazzoni(NYM) Brad Wieck(NYM)
放出 Alex Torres

NYMから2人の投手を獲得。一方14年に導入されたヘルメット型の帽子を初めて被って登板したことでも知られ、後に日本のBCリーグ・群馬ダイヤモンドペガサスでもプレーしたTorresを放出しました。


Alex Torres

計算結果

獲得選手総bWAR    +18.3
放出選手総bWAR    +55.8

18.3 - 55.8= -37.5

総評

就任1年目のオフシーズンは9件のトレードを行い積極的に補強しました。
Uptonは1年間でWAR4.2を稼ぐも、Kempは1年半でWAR0.7しか稼げず、8年間プレーしたMyersは怪我に悩まされWAR12.3と物足りない結果に。

一方WSHへ移籍したTurnerは6年半でWAR22.3、LADへ移籍したGrandalは4年間でWAR10.4、ATLへ移籍したFriedは6年間でWAR17.1と大活躍しています。bWARの差は大きくマイナスであり、14年オフのトレードは成功とは言えないですね。

15年シーズン中のトレード一覧


2015年4月5日
獲得 Craig Kimbrel(ATL) Melvin Upton Jr.(ATL)
放出 Cameron Maybin Carlos Quentin
   Jordan Paroubeck Matt Wisler
   2015 1st round pick (#41)

シーズン開幕当日に3年連続防御率2.00以下、4年連続40セーブ以上のクローザーKimbrel、14年オフに獲得したJustin Uptonの兄であるMelvin Uptonを獲得。一方かつての超有望株でありながらその後はパッとせず14年には薬物検査に引っかかったMaybin、14年は左膝の故障により大不振であったQuentinらを放出しました。またATLは15年全体41位指名権を獲得し、Austin Rileyが指名されました。

2015年7月31日
獲得 Marc Rzepczynski(CLE)
放出 Abraham Almonte

TDL当日にリリーフPのRzepczynskiを獲得。一方後にPadresに復帰する守備の上手い外野手Almonteを放出しました。

2015年8月18日
獲得 Marcus Greene Jr.(TEX) Jon Edwards(TEX)
放出 Will Venable

TEXからマイナーのGreeneと14年オフには精巣がんを患い、後に阪神タイガースでもプレーするEdwardsを獲得。一方13年22HRのVenableを放出しました。

計算結果

獲得選手総bWAR    +3.9
放出選手総bWAR    +14.5

3.9 - 14.5 = -10.5

総評

シーズン中は3件のトレードが行われ、ATLから獲得したKimbrelはやや成績を落としたためWAR1.3Uptonは怪我もありながら1年半でWAR3.3を稼ぎました。

放出した選手の合計のWARは2.5と、ここまではPadres側がやや成功したと言えますが・・・

問題はKimbrel•UptonとのトレードでATLが獲得した全体41位指名権です。そこで指名されたAustin Rileyは21年に大ブレイクし、4年間(実質2年間)でWAR12.0を稼ぎました。ドラフト指名権を除くとまずまずな結果でしょうか。

15年オフのトレード一覧

2015年11月11日
獲得 Jose Pirela(NYY)
放出 Ronald Herrera

後に広島カープでもプレーし、22年シーズンはKBOサムスンで大活躍したPirelaをNYYを獲得。

2015年11月12日
獲得 Enyel De Los Santos(SEA) Nelson Ward(SEA)
放出 Joaquin Benoit

2年間安定した投球を続けていたリリーフPのBenoitを放出する代わりにマイナー2選手を獲得。De Los Santoは昨季CLEで50Gに登板し防御率3.04と地区優勝に貢献していました。

2015年11月13日
獲得 Carlos Asuaje(BOS) Javier Guerra(BOS)
   Logan Allen(BOS) Manuel Margot(BOS)
放出 Craig Kimbrel

2015年MLB公式のプロスペクトランキングで99位であったMargotら4選手をBOSから獲得。一方15年はクローザーであったKimbrelを1シーズンで放出しました。

2015年12月2日
獲得 Drew Pomeranz(OAK) Jose Torres(OAK)
   Jabari Blash(OAK)
放出 Marc Rzepczynski Yonder Alonso

20年シーズンから再びPadresに復帰するPomeranz、
楽天イーグルスでもプレーし、独特な構えで知られるBlashらを獲得。一方TDLで獲得したRzepczynski、Manny Machadoの義兄であるAlonsoをOAKへ放出しました。

2015年12月8日
獲得 Jon Jay(STL)
放出 Jedd Gyorko

STLから外野手のJayを獲得。一方13年には新人ながらチームの持つ二塁手最多HRの記録を塗り替えたGyorkoを放出しました。

2015年12月10日
獲得 Christian Bethancourt(ATL)
放出 Casey Kelly Ricardo Rodriguez

ATLから強肩捕手であり、後に投手と捕手の2刀流をするBethancourtを獲得。12年はMLB公式プロスペクトランキングで50位であり、22年はKBOのLGツインズで最多勝となったKellyらを放出しました。

2015年12月10日    
獲得 Luis Perdomo(COL)
放出 金銭か?

23年シーズンは千葉ロッテでプレーする予定であるPerd
moをルール5ドラフトでCOLが指名した直後に獲得。

2016年1月28日
獲得 Trevor Seidenberger(MIL)
放出 Rymer Liriano

12年MLB公式プロスペクトランキングで60位であったLirianoをMILへ放出しました。

2016年2月4日    
獲得 Jean Cosme(BAL)
放出 Odrisamer Despaigne

12年には侍ジャパンマッチにキューバ代表として出場し、20年〜22年はKBOのKTウィズに所属したDespaineをBALへ放出しました。

2016年3月28日
獲得 Dan Straily(HOU)
放出 Erik Kratz

HOUからStrailyを獲得するも直後にウェーバー公示し、CINへ移籍。移籍先では14勝上げました。一方14年の日米野球で来日したKratzを放出しました。

2016年3月30日
獲得 金銭か?
放出 Nick Vincent(SEA)

リリーフPであるVincentをSEAへ放出しました。

計算結果

獲得選手総bWAR    +9.5
放出選手総bWAR    +15.8

9.5 - 15.8 = -6.3

総評

14年オフの「Prellerpalooza」とも呼ばれる積極的な補強をしたものの地区4位に終わったしまったため、チーム解体へ方向転換することになります。

主力であるKimbrelGyorkoらを放出することで、多くのプロスペクトを獲得することに成功し、Pomeranzは16年シーズン前半だけでWAR3.3Margotが4年間でWAR6.2を稼ぐものの、他の選手は目立った活躍はできませんでした。

こんな感じで14年〜15年オフのトレードを振り返ってみました。bWARだけみると成功とはいえませんが、ここからどのように立て直していくのか注目ですね。

あわせて読みたい

19年〜22年の全トレードを振り返った記事をFelixさんが書かれています。この記事で紹介した選手もでてきているので、よりFelixさんの記事を楽しめるかもしれません。


受験の関係で次回の投稿は未定ですが、16年〜18年の全トレードを振り返った記事を書くつもりです。お読みいただきありがとうございました!






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?