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真里谷の雑記

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#世界史

【歴史/翻訳】『名もなき兵士(Hayalim Almonim/חַיָּלִים אַלְמוֹנִים)』/それは2000年の宿願、ナチス・ドイツとさえ組むことを欲した一部のユダヤ人の狂奔

戦争が続きます。昔も今も。 そんな叙情的な始まりですが。さて、そうした悲劇惨劇を努めて公平に、冷静に見定めること。このスタンスから、本題へ参りましょう。ヘブライ語の歌の、個人的な翻訳の試みです。 動機・命題・「レヒ」について『ハヤリム・アルモニム(Hayalim Almonim/חַיָּלִים אַלְמוֹנִים)』という曲があります。英訳題は「Unknown Soldiers(Anonymous Soldiers)」で、したがって「無名戦士」や「無名の兵士」が直

【歴史/架空】『Southern Victory』(SV)解説・解読/アメリカ南北戦争で南軍が勝ったら……この前提でも特に濃厚な未邦訳長編シリーズを概観

こちらのポストですね。 ははあ、名作映画『市民ケーン(Citizen Kane)』のチャールズ・フォスター・ケーンがおそらくニューヨーク州知事選挙でつまづかず、ジェデッドアイア・リーランドとともに大出世を果たした世界か。面白いな。 そう考えておったところ。 確かに、そこにはifの楽しみが眠っとりますわいね。 そうなると、せっかくなら日本語に翻訳されてない歴史改変モノに面白いのが眠っとりゃせんか。そう考えた結果、アメリカで10冊を超える大型歴史改変モノを見つけました。し

【歴史】「孫殿英」軍閥で匪賊で闇商人~そして"物語"の巨悪に擬された男

孫殿英がヤバい。そんな話を耳にしたのが、この記事の始まりです。 なんだこの軍閥時代でも傑出したやべーやつは、たまげたなあ……。 そんなわけで、百度百科くんを始めにいろいろ掘り下げようと思ったんですが、人生で一番体調が悪い時節を迎えているので、ほとんど百度百科くんの受け売りです。情報ソース単一化による誤認可能性を高めていくスタイル。 こうした軽いつもりで始めたところ、「いや、これは絶対に怪しいぞ」という、"歴史的事実の主観と客観"に立ち返るきっかけになりました。あまり広く

【雑記】各国の『統一戦線の歌』を聴く「労働者統一戦線へ、きみの居場所へ」

『統一戦線の歌(Einheitsfrontlied)』はバリバリの左翼思想の歌です。これは間違いない。 2023年現在の世界において、とりわけ極左に値する思想について、作家のジャン=ピエール・ファイユが提唱した「蹄鉄理論」を思い起こす方も多いでしょう。この理論では、極左と極右は相似した傾向を持つと位置づけられています。 なるほど、例えばWW2における独ソ戦などは、全体主義の極致たる2つの国家が選んだ"絶滅戦争の一端"を明らかにしました。 さて……こういった堅苦しい話は、