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第2話 「鳥たちの楽園」

第1話はこちら↓


森内の後について温室の中を進んでいく。
斜め後ろに気配を感じて振り向くと、緑と赤で彩られた鮮やかな鳥が悠然と枝に止まったところだった。尾がとても長く、枝から地面に垂れ下がっている。

「ああ、ケツァールですね。アステカの言葉で、"大きく輝いた尾羽"という意味なんですが、見ていて、ほれぼれしますよね。グアテマラの国鳥なんですけど、グアテマラのほかだとコスタリカに行くと見れますね。現地の熱帯雨林では尾羽を長く引きながら、伸び伸びと飛んでいますけど、ここの子もいい顔をしてるでしょう」

森内はすらすらと話してくれるが、こっちはグアテマラとかコスタリカって聞いたところで、コーヒーしか思い出せない。きっと湿度が高くてじっとりとした森の中なんだろうな、と想像するしかない。いや、その想像すら合っているのかどうか。一体この森内という営業マンは何者なんだ?

森内は、"ごく当然" みたいな顔をしてどんどん進んでいく。置いていかれないように、こちらも必死でついていく。さっき通路の側にじっと立っていたやつはハシビロコウだったっけ?神戸どうぶつ王国で見たのと似ていたような、、 きょろきょろしていたら置いていかれそうだ。

前を進んでいた森内がにっこり微笑んで振り返り、重い木のドアを開けた。それは温室の真ん中に位置しているらしいバーだった。

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