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漫画の存在に助けられて正直に書いてみた話

現在、尾石晴さんが講師をつとめる「感性的読書会」というオンライン講座を受講しています。

かなり内面的な内容なので、自分のブログではなくnoteに書くことにしました。今回は、第2回目(DAY2)の内容について。

DAY1の内容はこちら↓
https://designcolor-web.com/self-introduction/

課題図書がどうしても読めない

正直、焦っている。

講座を終えて、「何かアウトプットしておきたいことはあるか」と改めて自分に問うてみると特にこれといって思い浮かばないのだ。

課題図書は以下↓。

(私の知る限り)他の受講生の方々がみな一冊すべて読んだこの本を、私は指定箇所の第一章しか読んでいない

■本の概要
「あなたにしか語れないこと」を表現できるようになる!

・企画書・報告書を自分の言葉で書きたい
・伝わるプレゼンがしたい
・SNSで自分のオリジナルな考えを発信したい

どこかで見たような内容ではなく、自分オリジナルの考えをオリジナルに表現するには? 
企画書で、プレゼンで、会議で、面接で、SNSで、誰もが突き当たる壁を乗り越える方法を解説します。
Amazonより引用

この講座で重要視されるのが「他者との対話」だ。なので、読んだ本の感想を受講生同士で共有し合う。

自身で驚愕したのが、あれほどまでに他者と対話を重ねたにも関わらず、本にどうしても興味がもてない。
自分は人の心がないのか?」と不安になったほどだ。

私はサイコパスではない。

はるさんの教えや他の方々の感想から、「いい本」だというのも頭では理解できる。

けれど、この本が自分に何らかの変化をもたらすきっかけになるには、何だかその一歩手前で「必要性」を自分で本気で感じることが必要な気がした。

とにかく、自分の中での「今じゃない感」がすごい。

そもそも第一章しか読んでいない時点で語る材料が足りないというのもあるが、それ以前に圧倒的に「語りたい」という熱量が足りないのだ。

「千葉くん」に乗っかってみた

いい歳して感想文が「本に興味がもてなかった」はなかろう。

というわけで、読書会で「とにかくイメージが湧かない」と相談したところ、受講生の方々が「千葉くんのエピソードを読むといい」と口々に教えてくれた。

なので、ひとまず第一章の他に「千葉くんのエピソード」だけ読んでみた。

「千葉くんのエピソード」とは本書で語られている内容の具体的な事例だ。第一章を読んで「何やらピンとこない。具体例がほしい」と読むのを諦めた私だが、なんと最終ページ近くになって具体的なエピソードが差し込まれていたのだ。

正直「それもっと早く…」と感じるところだが、本を通じて考え続け、最後まで到達できた者だけが著者に用意された「わかりやすさ」という恩恵を得られる。

事例では、千葉くんが他者との対話の中で、「一人でいることと私」という自分のテーマに懸命に向き合い続けたことが評価されているように感じたが、私の考えは少し違った。

どちらかというと、私は千葉くんが最初に「どうしておれ一人、(テーマが)決まんないのかなあ」とぼやいたことに価値があったのではないだろうか?と思えてならないのだ。

もっと言えば、そのあとに「お前はいつも一人でボーッとしているからじゃないのか」と率直に言ってくれた友人が一番の立役者なのではないかとすら感じる。

おそらくこの友人は後にも先にも登場しないため、その時のみ関わりのあった大して親しくない人物だったはずだ。にも関わらず、千葉くんの独り言にわざわざ反応してくれたことで、テーマの決定打にまでなっている。

話を千葉くんに戻すが、彼は「わからない」と感じていることを、素直に「わからない」と言葉にした。

それが千葉くんの「はじまり」だったのだとしたら、私もそれに乗っかってみることにした。

そもそも興味が持てないのは何故か

深堀りしてみたところ、いま自分の脳内の大半を占めるものが「クライアントワーク」だからじゃないのか?とひとつの仮説に行き着いた。

私の職業はデザイナーだ。

クライアントワークにおいては、「つくりたいもの」の答えを持っているのは自分ではなくクライアントだ。それは「クライアントのことば」で、「自分のことば」ではない。

けれども、クライアントのことばが「自分」というフィルターを通すことで世に出るということは、「自分がなぜこの表現(デザイン)をしたのか」は密接に関わってくる。

とはいえ、クライアントワークで制作したデザインは「純粋に自分のもの」ではないから、やはり本の内容をそのまま実践するのは違和感がある。
きっと求められるのは、もっと別のスキルだろうとも感じる。

そのように思考していくと、自分も少し前から「自分の商品」を作ってみたいと漠然と思っていることを思い出した。それに置き換えたら、本の内容が少し想像がしやすくなった。

けれども、読むのを一度あきらめた本を再び腰を据えて読み直そうとするも、どうしても気が乗らない。アウトプットのブログを書こうにも一向に筆が進まない。

尊敬している人が勧める本について、これほどまでに何も出てこないものかと半ば絶望した気分で、気晴らしに「海が走るエンドロール」最新刊を読みはじめた。

「私の強みってなに?」突然きいてみた

「海が走るエンドロール」は、私がいま一番面白いと思っている漫画だ。(最近知った)

かいつまんで要約すると、65歳のおばあちゃんが美大生の男の子と出会ったことで「映画を撮りたい」という自分の気持ちに気づき、美大(映画科)に入学するというストーリー。

作中の主人公たちは、自分は「なぜ」その対象を映画に撮りたいのか?その底にある感情は?と、ひたすらに自分の感情に真っ直ぐに向き合っている。

特にこの日、自分の印象に強く残ったのは主人公のうみ子(65)が他者の言葉をきっかけに「自分の強み」について思考するシーン。

漫画を読む手を止め、何の脈絡もなく、たまたまリビングに居合わせた夫に聞いてみた。

「私の強みってなんだろう?」

正直に書いてみた

「えぇ…いやまあ、嘘がつけないっていうか…正直なところじゃないの」とのことだった。

40手前にして強みが「正直」。
なんとも子どもじみている気もするが、案外的を得ているかもしれない。

ここは10年以上のつきあいのある夫の言葉を信じて「正直」に書いてみることにした。

正直な話、「海が走るエンドロール」を読んだ後のほうが「自分のことば」を作りたいという強い衝動にかられた。

物語を通じて、終始ありありと主人公が自分のオリジナリティを追求する姿が描かれているので、何十ページに渡って本で説明されていることが、たったの数コマで理解ができる。

私は「読む」のが遅いほうだ。絵が大半を占める漫画でも1冊読むのに1時間ほどかかる。にも関わらず、育児中ということもあり自分の自由に使える時間は少ない部類に入る。

そのため、課題図書とほぼ同じテーマを扱っている「海が走るエンドロール」の存在は、いわば救いだった。違いは「ことば」か「映画」かというだけに感じる。

漫画は、「わかりやすさ」と「持てる時間の少ない状況」がマッチしていて、とてもよいツールだと思った。
…なんていうのは、活字を読むのが遅い言い訳だろうか。

というわけで、「海が走るエンドロール」は本当に面白いのでオススメです!(何の話)

※結びが雑だけど、noteではこれくらいの温度感でいこうと思います。
※課題図書は時が来たらまたリベンジしようと思います。

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