心のゴミが溶けない日のこと

(8月13日)
夏はすき。夏の終わりはいちばんきらい。今年は特に。
なんにも変わりたくない。ずっとこのままがいい。嘘。なんで時間は止まってくれないんだろう。

ここ数年、桜の季節になると憂鬱だった。咲く前から散るときのことを考えてしまうから。
夏休みとか、紅葉とか、クリスマスとか。季節を象徴するものを必死で捕まえて、「イルミネーション見たからクリスマス回収」とかって、いつからか季節を消費するようになった。
昔はこうじゃなかった。季節なんて当たり前にあるものだった。
追いかけなくてもいま当たり前にあって、この先も当たり前にあるものだった。
いつの間にか、自分から手を伸ばして、(大丈夫、ちゃんと感じた)と言い聞かせないといけないものになった。

コップに半分入った水を、まだ半分というか、もう半分というか、みたいなベタな話。
何かを始めない理由には「もう」というし、何かにしがみつく理由には「まだ」と言ってきた。
なんの言い訳もできなくなったとき、自分がどんな理由で立っていられるのか分からない。

(8月23日)
なんとも現実的な問題が立ちはだかっている。10月以降、住む場所がないかもしれない。
ないわけはないのですが。会社指定の業者だと、条件をつけるまでもなくそもそも希望するエリアに1つたりとも物件がない。
1000歩譲って妥協できるエリアにすら1件もない。

補助はいらないので指定業者を使いたくない、と言いたいけれど、それが許されるわがままなのかわからずまだ聞けないでいる。
そもそもいろんな特別扱いで成り立っている異動なのに。
同僚には「そんな扱いをしてもらえるなんてすごいね」と言われた。純粋な感想なのか、ちょっと棘があったのかわからない。
わたしが異動を希望しなかったら、その人は元の部署にいられたかもしれない。
わたしがいろんな人を振り回してる。でももう会社のことで仕事以外に我慢したくない。

怠け者の言い訳かもしれないけれど、あるいはただの貧乏性だけど、自分一人のために生活を整える気になれない。
だから今までずっと仮暮らしのような気持ちで何年も生活してきた。
周りが年相応にQOLを向上させていく中、学生か売れない芸人みたいな狭い1Kで、ろくに物も買い足さず、身綺麗にもできず、くだびれた格好で人に見せられない適当なごはん食べて…。ロハスとかマジで無理、二日酔い。

でも次からが本番だ、ようやくまっとうな大人の、まっとうな生活が送れるとおもってきた。
貯金もしてきた。(去年の11月以降、ボーナスを除き毎月赤字だけど)
ここにきて、住みたいところに住めないかもしれないのは、本当に、甘えだとはおもうのだけど、住めば都というけれど、出鼻を挫かれた。やっぱりショックが大きい。

そんなわけで昨日からなんにもやる気が出ずぼーっとしていたら、大学のサークル友達から9か月ぶりに連絡がきた。
「秋に異動するって言ってたけど大丈夫そう?」って。11月に会って少し話しただけなのに、大学時代だってそんなによく会ってたわけでもないのに、覚えていてわざわざ連絡をくれた。

人付き合いが決していいほうではないのに、なぜか昔からそういうことがある。
仕事で追い詰められて休職する方法しか考えられなくなったり、誰にも影響を与えず消えることばかり願ったり、
そういう時に限って、普段ろくに話もしない人からいきなり連絡がくる。
別にそれでなにが解決するわけでもないけど、なんとなく救われた気になって気持ちが切り替わる。
その人にというか、もっと大きい何かが見てくれているような気になる。信仰とかじゃないんだけど。

…なんて言いながら元も子もない話。
そもそも気持ちとか気分とかいって、たぶん大脳辺縁系になんちゃらとかホルモンとかなんか電気信号とか、そういう話で。全然わからんけど。
自分の外側の事象それ自体はそんなに大事じゃなくて、脳と体がどう処理するかだけの問題だろうとおもったりもする。あとは胃かな。
だから大抵のことはホルモンバランスとか気圧とか、そうじゃなければたぶん、なんか落ち込みたい時期だから落ち込んでるだけなんだろう。
同じ状況でも全然平気なこともあればそうじゃないこともあるし。
今は連絡くれて救われた気になって復活して、たぶんそういう物語にしたいからしただけかもしれない。
じゃあコントロールしろよって言われるとそれは無理なんだけど。
年を取るにつれ、どんどん鈍くなっているような気もするし、開き直って図太くなってる気もする。なんにしても昨日よりは元気なので良しとする。

…ずっとなにを書いてるんだろう。
まぁそういうこともあるよね、諸々ひっくるめ。って、言いたかっただけです。

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