思い出にもなれずに消えた毎日のこと(日記・断片)

下書きの下書き。暗いときしか書かないから暗いけど通常運転です。

毎月のように決まって死にたくなって、どうせ朝にはケロッとしてるんだろうと思いながら夜をやり過ごして、朝にはおもった通りケロッとしている。数時間後にまた波が来て、3日も経てばおさまる。わかっているのに性懲りもなく繰り返す。
10年後も同じことを言っていそうな自分が嫌いだ。10年後が同じなら20年後もきっと同じで、30年後なんて生きていられないとおもった。自分に耐えられない。
なんとなく急に、「あの子は30年後どこで何をしているんだろう」とおもった。大好きなアイドルの子。子たち。
あの子たちが大人になって、おばあちゃんになって、今を振り返ることがあったらいいなとおもった。その時何をしていても、たくさんの人に愛された今のことを大事に思い出したりしてくれるといいなとおもった。
おもって、その時自分が生きていないのは少しだけいやな気がした。

全部戯言で、別にそんなのなくたって朝になればふつうに暮らして、30年後もたぶんのうのうと生きてるのに。でもおもって悪いことじゃないから、そのままおもったことにして書きつけている。

昔書き溜めた31文字の断片が出てきた。大学生の頃から社会人5年目くらいまでか。情緒がある程度安定するにつれ何も書けなくなったのが明らかだった。はじめは短歌ぶろうとしていたのが、どんどん表現みたいなものはなくなって、ただの直接的な言葉に変わっていた。
150個以上あるのが「憎しみも悲しみもなくて息をするのがこんなに楽でころされたいの」で終わっていた。少しだけ上に「切実さを捨てたら呼吸は簡単で、ふいに誰かに悪い気がして」というのもあった。
常にじゃなくても、ほんの少しだけ死にたいとか、そういうことをおもっていないと安心できない。そうした性について考える時、決まって小学校の帰り道を思い浮かべる。川があって、橋があった。歩いても歩いても時間が停滞しているみたいだった。別に未練とかないし、と嘯いては呆れられていた。

教室移動の途中の中庭で空を見て「今日すごい地球が丸い」と言ったら「今のすごい好き」と言われた。高校生の頃、友達の友達、みたいな子。
卒業式前のなんでもない日の放課後、廊下を歩きながらふと、「こういうなんでもない瞬間をきっと何年か後に思い出すんだろうな」とおもった。
そうおもったことだけを覚えている。あとは全部脚色かもしれない。

20代前半の頃は、やたらと約束を欲しがった。大人になったら欲しい約束がなくなった。
自分は幸せになっちゃいけない、似合わないとおもっていた。ここ数年で、幸せにならなきゃいけないとおもうようになった。楽になって、でも難易度が上がった。

大学生の頃、主体であることと語り手であることの両立がうまくいかず、精神がバラバラになりかけた。うつ病と診断されたけどたぶんそんなことはなかった。
自分が死んだら死にそうな、少なくとも廃人になりそうな人がいたので死ねないなぁとおもっていた。当人からは「こっちのことなんてどうでもいいと思ってるんやろうけど死なんといてや」と言われた。
めんどくさくなって治った。

「男は相手のはじめてになりたがり、女は最後になりたがる」みたいなことばを聞いたことがある。男も女もあったもんじゃないとおもうけど、最後にはなりたいなぁとおもう。

12歳から好きだった人はとうに見えないところにいってしまった。その人の生まれ育った場所に時々行ってみるけど、市の名前しか知らないので本当は全然ゆかりのない場所かもしれない。もちろんいるはずもない。たぶんハワイとかにいる。知らんけど。
追っていた頃はちゃんと名前で呼んでいたのに、いなくなってしまって、いなくなったあともずっと特別なものだから、いつからか心の中で「永遠の唯一無二」なんて気持ち悪い呼び方をするようになってしまった。ライブしなくていいから、新曲なんて出さなくていいから、もはや歌わなくてもいいから、どこかで元気に生きていることが分かればそんな呼び方しなくてよかったのに。悲しい。

なんでも常に終わりばかり考えてしまうのを、常に「今」ということばで引き戻されている。それでもどこかのグループが終わりを迎えるたび、その時が来たらどうやって受け止めるのだろう、どうなったらその時が来るんだろうと考えてしまう。
いつかなくなってしまっても、どんな形でもいいから表立って応援できるところにいてほしいとおもってしまう。あの子たちがいろいろな制約の中表に出ている間にも、わたしは結婚してこどものことを考えたりしているのに。ほんとうに勝手。
アイドルじゃなくてもいいから、やりたいことならなんでもいいから、応援していい存在でいてくれるなら。最後の一人、ではないか、最後のone of themになるまで、もう誰も知ってる人がその子の話をしなくなるまで今度はちゃんと追いかけていたい。細々ひっそりにはなるだろうけど。

用事を一つ済ませ、乗ったことのない路線で降りたことのない駅まで行ってみようかな、とよぎったのを、15時以降雷雨の予報に従い13時過ぎに家に帰った。18時過ぎ、いまだ雨は降らず。いつもそう。こういう時に出かけられる人間になりたい。雷雨が来て帰れなくなっても。

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