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#音名(英語・ドイツ語・日本語)

音名とは

音の高さを区別するために、それぞれの音につけられた固有の呼び名を「音名」といいます。

例えば、私たちが日頃使っている「ドレミファソラシ」イタリア語(またはフランス語)の音名です。

ここでは、ジャズやポピュラー系で親しまれている英語音名と、クラシックでよく使われるドイツ語音名、学校でも教わる日本語音名をとりあげました。比較しながら覚えていきましょう。



変化記号 (#・♭・♮など)

音名の説明に入る前に、半音変化記号について理解しておきましょう。
また、この講座で説明しているとは、一般的な西洋音楽の音階で使う音のことです。

ピアノの鍵盤上で説明します。動画をご覧ください。


半音は音程の最小単位半音2個分全音です。



音名 (英語・ドイツ語・日本語)

変化記号によって変化させられていない音を幹音(ピアノ鍵盤では白鍵)、幹音それぞれの固有の呼び名を幹音名といいます。

また、幹音に変化記号をつけて派生させた音を派生音、その呼び名を派生音名といいます。

幹音名

まず、幹音名をしっかり覚えましょう。ここでは、音域はまだ考慮していません(音域を考慮した音名表記法は後述)。
イタリア音名はお馴染みですね。英語表記、ドイツ語表記は《ラ(伊)》から始まるアルファベットです。日本語も、《ラ(伊)》から始まる「いろは歌」ですね。

ただし、例外的にドイツ語表記の場合《シ(伊)》の音は《H》となることを覚えておきましょう。


派生音名① ♯ がついた音名

英語は、幹音名にシャープ( ♯ sharp)をつけて呼びます。
ドイツ語は、幹音名の語尾「is」をつけます。
日本語は幹音名の「嬰」(えい)をつけて呼びます。


派生音名② ♭がついた音名

英語は、幹音名にフラット(♭ flat)をつけて呼びます。
日本語は幹音名の「変」(へん)をつけます。
ドイツ語は、幹音名の語尾「es」をつけます。ただし、幹音名が母音のときは「s」のみをつけます(Es、As)。また、ドイツ語の「B」は変ロ音なのに注意しましょう。


派生音名③ ダブル・シャープがついた音名

英語は、幹音名にダブル・シャープ( double sharp)をつけて呼びます。
ドイツ語は、幹音名の語尾「isis」をつけます。
日本語は幹音名の「重嬰」(じゅうえい)をつけて呼びます。


鍵盤の位置にも注目!


派生音名④ ダブル・フラットがついた音名

英語は、幹音名にダブル・フラット(double flat)をつけて呼びます。
日本語は幹音名の「重変」(じゅうへん)をつけます。
ドイツ語は、幹音名の語尾「eses」をつけます。ただし、幹音名が母音のときは「ses」をつけます(Eses、Ases)。



音域を指定した音名表記法

今まで述べてきた音名表記では、音域の指定まではできませんでした。
幹音名や派生音名に数字や「・」を併用することで、どの音域の音なのか区別することができます。

まず、一番わかりやすいアメリカ式の表記法を説明します。

アメリカ式 音域表記法

アメリカ式の音域表記法はDTM等で使われるので、知っておくと便利です。

それでは、ピアノの鍵盤図を使って理解を深めていきましょう。

低音から数字をふっていく。鍵盤中央Cは「4」

アメリカ式はシンプルです。幹音名・派生音名をアルファベットの大文字で示し、低い音域から順番に数字をふっていきます(文字の右下に小さく数字を書く)。

一番低いC音に「1」と併記するので、それより低いA音とB音は「0」になります。音域が上がるにしたがって、C音が来るたびに数字が増えます。
鍵盤中央のC音は「4」最高音のCは「8」です。(上図参照)


ドイツ式と日本式の音域表記法 【考え方は同じ】

ドイツ式では、アルファベットの大文字小文字を使い分けます。
日本式でも、ドイツ式の大文字に当たる部分をひらがな、ドイツ式の小文字に相当する部分をカタカナで表記します。

下図の、ドイツ式と日本式を見比べてみましょう。

見事に対応していますね!

鍵盤中央の c音に注目してみましょう。ドイツ式では、小文字の c 右上「1」と数字を書きます。
日本式では、カタカナ「ハ」真上「・」1個うちます(一点ハと読む)。

音が高くなるにつれて、ドイツ式では数字が、日本式では「・」の数が増えていき、最高音には「5」、「五点」をそれぞれ併記します。

鍵盤中央より1オクターブ(8度)下を見てみましょう。
ドイツ式では数字なしの小文字表記、日本式では「・」なしのカタカナ表記です。それより1オクターブ下がると、ドイツ式では大文字表記、日本式ではひらがな表記に変わり、さらに下がると文字の右下数字もしくは文字の真下に「・」を併記します。

じっくり図をみて、規則性を理解しましょう。


まとめ

各言語の音名表記法を覚えるのは大変だと思うかもしれません。
しかし、共通性・差異を比較しながらまとめて勉強したほうが記憶に残りやすいです。

最後に、まとめ動画をあげておきますので、復習用にお使いください。



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