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Eternal Cycle


美少女戦士セーラームーン ミュージカルフェスティバル-Chronicle-
全8公演が終了しました。

余韻ひたひた。ギリアーカイブも見れる。
しかも私はもう次の舞台の稽古に頭を切り替えねばならない、、というこのタイミングでupするしかない!ということで筆を取りました。間に合え!!!俺!!!




セラミューフェスとは

さて、今回のセラミューフェスは、
美少女戦士セーラームーンおよびセーラームーンミュージカルの30周年を記念したイベントの一つでした。

昨年のセラミュー「かぐや姫の恋人」のためにオーディションで集められたセーラー戦士とルナ、それから敵役のスノーカグヤ様とスノーダンサー6人中4人は続投のまま、
タキシード仮面にセラミュー常連の立道梨緒奈さん、ちびムーンに新津ちせちゃんが入ったスペシャルな座組みでの30周年記念公演。

台本をいただくまで、どんなものになるのか、キャストは誰も知りませんでした。ライブだけなのかな?歴代の名曲をみんなで歌い繋ぐのかな?セラミューファンしか楽しめないやつかな?色々謎のまま、久しぶりにみんなに会えるウキウキを抱えて、お稽古へ。

台本をいただき、がっつりストーリー仕立てになっていることや、人間ルナやスノーカグヤと言った特殊キャラの使い方に驚きつつ、演出の三浦香さんが天才だったことを思い出しました。

覚悟

アニメや漫画のキラキラをマシマシに、さらに舞台になったことによる演劇的な感動をプラスする香さんに、
歴代の名曲の名振り付けを生かしながら新たに魂をいれる里美さんのスペシャル神タッグ。

パンフレットを読んでいただいたみなさまはわかると思うんですが、このお2人、セーラームーンとセラミューへの愛が半端じゃないのです。

座組の中でもかなり年長者のわたしでもセーラームーンとは同い年で、いわゆる「見て育った」世代ではない、ましてや戦士のほとんどはまだ生まれてないとかご両親も出会ってないとかそんな世代。
もちろんその若い世代にも愛されるセーラームーンではありますが、幼少期をセーラームーンと共に育った人たちとはやはり存在感が違うわけで。

小さい頃や思春期に、普通の中学生が地球を守るために可愛いセーラー服の戦士服をきて戦う漫画がどれだけ大きな存在だったか。
それをしっかりと認識して、ステージに立つこと。どれだけ大きなものを背負ってるか自覚していなければいけませんでした。

香さんと里美さんのおふたりには今回もビシバシと、愛がしみしみのムチでバチバチと、お尻を叩いていただきました。できなくて悔しくても、そこに愛があるから。愛がすごいから、頑張りたい!!!と燃えることができる。今回はライブだけど、フェスだけど、お芝居があり、歴史もある。大変だけど、ぜひ頑張りたい。
歌唱指導の市川先生は、稽古から、なんと初日迎えてからの8公演のほぼ全て、公演前にはボイトレ指導やその子の苦手なところをさらって練習させてから頑張ってね!と本番を見て、終わってからまた楽屋まで来てフィードバックと「今日ここすごく上手く行ったね!!」と褒めてくれていました。そんな先生いますか?なかなかいません。お忙しい中時間を作って毎公演、見れない回は動画でまでチェックしてフィードバックをくださる。これは市川先生も振り付けの里美さんも同じことをしてくださってました。毎公演後、長ーいダメ出しのLINEがくるのをドキドキしながら待ちました。愛がしみしみで今見ても泣きそう。レジェンドたちの名曲を背負うわたしたちの責任をわかっていてくださるからこそ、ちゃんと歌えるように踊れるようにいいものを届けられるように、連日指導してくださってたのです。

みんな各々の壁にぶつかりながら、初日迎えてからも毎日いろんなチャレンジをしてフィードバックを受けて、どんどん良くしていこうという意識がありました。そうして、台本のなかから徐々に立体に立ち上がっていくセラミューフェスを、そのさなかに立って見つめて咀嚼して舞台に立てたことは…なんだろう、他人事のようにとても、めでたかったのです。

その上で、私たちキャストがさんざん叩き込まれたこと。

それは
「セラミューはあなたたちだけのものじゃない」
ということでした。

1993年から脈々と誰かの身体の中を流れ、受け継がれていった「美少女戦士セーラームーン」そして「セラミュー」が、30年経ったところにたまたま居合わせることができたのが、わたしたちでした。
みなさんが守り抜いて愛してきたこれまでを大事に、今へとつなぎ、さらに未来のセーラームーンたちへつなぐこと。
そういう使命を持ってステージに立ちました。

わたしは人間姿のルナだったけど、
それはいつもうさぎちゃんの隣で愛されてきたルナであり、
数々のセーラー戦士たちと共に戦ってきた、あの黒猫のルナなのだと。


戦士たち

今回はなんと全部で27曲という猛烈な曲数を歌って踊ってお届けしておりました。
戦士たちに渡された楽譜は重ねると5.6センチの厚さがあり、可憐な彼女たちはその歌と歌詞全てを覚えて、
さらにダンスも覚えて、連日泣き言も言わずニコニコ稽古していました。ワイワイと、まるで学園祭の準備でもしているかのように和気藹々と楽しそうに、あのエグい量の楽曲を覚えていたのです。

あぁ、彼女たちはセーラー戦士なんだな、と思わされました。悪と戦い地球を守りつつも、流行りのかき氷には目がない、戦士たち。

1年前とも少し違う、力強い背中がそこに重なりました。

また少し強くなったんだね。
そう、袖からいつも見つめていました。

また今年も戦士たちひとりひとりへの愛をオペラ調にでも謳いたいところなんですが、今回は昨年の座組みから変わったキャストさんへの愛を呟くにとどめておきます。


タキシード仮面、地場衛役
立道梨緒奈さん


この写真、結婚式か??😇😇😇


もう、かっこよすぎてりおなさんの夢女になりそう(なるな)
今回は特に絡みが多くてね…今年も後半にこんなにいいことがあったからもう思い残すことは何もないよ、いつでも連れてってくれ、って感じなんです。

気絶したスノールナは、タキ様に肩を抱かれて(ここ大事テストに出る)舞台上に出てくることが何度かあるんですが、その時、ステージに上がる前の階段でね、、マントを、あのー、サッと広げてね、、その腕の中にね、スルッと収まらせていただくんです、、あのー、、それがね、、もうね、、(絶命)

「エッ、あのー、え、これは無料でいいんですか?お金払います、いや、払わせてください!!払わせて!!たのむ!!!!!!!タキ!!!俺だーー!!!」
というオタクが胸をね、ドンドン!!!!ってやってくるんです…

ふざけてる場合ではない。
ダンスもたくさんご相談させていただいたり、気さくに話していただけて素敵な方なんです。回し蹴りもカッコいい。

りおなさんのまもちゃんは、普通に強そうなまもちゃんで、令和のまもちゃん。TikTokで友達があげた動画でイケメンすぎて話題になってしまうタイプのまもちゃん。SNSはやってないか、初期設定のままのアイコンのフォロー12人とかで、うさぎちゃんたちの投稿をたまーに見るだけのインスタをやってるだけのまもちゃん。

ただお互いなかなか敬語が抜けないので、次の進撃ではずずいと距離を縮めたいと思います。対戦ありがとうございました。



ちびムーン、ちびうさ役
新津ちせちゃん


あんなに激かんわいいのに話し方とか中身が大人っていうかほんと大人っていうか900才っていうか、、もうただのちびうさなんです。
ちせちゃんは、子役さんによくある、キャピっとしたあざとさが0。ゼロです。
よろしくねぇ〜と猫撫で声で挨拶したこちらが恥ずかしくなるくらい「あ、宜しくお願いします、新津ちせです」が真顔。逆にすごい。好き。
ちせちびムーンは言わずと知れた真珠推しなんですけど、物販に一緒に行ったときのはしゃぎようをみて、あー真珠ウラヌスかっこいいよね〜って言ったら、

「いや、カッコ良すぎますよ!!なんで国で保護しないんですかね!?!?」

ってスイッチオンで返されて「ウン…?さてはキミ、こっち側の人間だね…?」となりました。僕はこちら側で待ってます。対戦宜しくお願いします。


スノーダンサーの皆さん


アーカイブを見れる皆さん、一度スノーダンサーの皆さんを見る会をしてみてください。まず、運動量エグい。倒されてはすぐ出てきてまた戦って、かと思えば踊って、スタッフ役で誘導したりお芝居したりして、ゲストコーナーでもスタッフをやり、戦士に倒されてからはバックダンサーでバチバチに決めて…もう頭が上がりません。4守護たちに倒されてはけてくるところまでが山場で、袖で倒れ込んでいるみなさんを見て「これが戦か」となっておりました。それでいて、みなさんいつも優しくて、ニコニコしていて、踊りのアドバイスもくれたりして、こちらの身体を気遣ってくれる。

去年もそうですが、やられ役のスノーダンサーさんたちがいなかったら、本当に成り立たない舞台ですし、それはこれまでのセラミュー全てがそうなのです。ダンサーの皆さんなくして成り立ちません。陰の功労者の皆様です。

ゲストコーナーの皆様


毎回楽しみにしていたゲストコーナーですが、時間もあまりないのでお写真も毎回は撮れず…
人間ルナというのは良いもので、何せ初代人間ルナなもので、あのレジェンドANZAさんにも「ルナ可愛い〜わたしたちの時は違う感じだったからね…知ってる?」と話しかけていただけたりして、、そういう意味でも美味しい役どころでした。

懇願して撮っていただいた2枚の家宝をお見せしますね…。


藤岡さやかさんと汐月しゅうさんとヅカオタが2人

伝説のウラネプ、しゅーさやさんとのグリーティングタイムでした。

汐月さんは惜しまれつつ退団された頃の衝撃を覚えているし、その割とすぐあとにウラヌス役が発表されて2度めの衝撃でした。
ヅカオタにとってタカラジェンヌは遠い存在。いらっしゃらないときは立ち、近くにきたら座って静かにお見送りをする存在です。(入出待ちの教え)
なのにお写真を……撮っていただけました。
お二人ともお衣装は着ていないのに、並ぶと戦士服が見えてくる。。あのツンデレトークの破壊力大きすぎましたね。やはりレジェンド的ウラネプなのでした。


チユウちゃん……!

スーパーライブのセーラームーン役の河西智美さんともお写真撮っていただきました。
実は中高生のときはAKBが大好きで、チユウちゃん推しだったのです。劇場でおしめし見てましたって言ったら「あ、ちゃんと古参だった」って言ってもらえました。これで成仏できます。ありがとうございました。


最強スタッフの皆様


稽古場から劇場に入って初めて照明さんがついたシーンをみて、「これは、やばい(語彙力なんとかしろ)」となりました。OP映像だけで涙出る。

背景に縦に走っていたLEDから、メンバーカラーに染まるムービング、背景の背景にあるクリスマスのイルミネーションみたいな照明に、それをさらにゴージャスにしてくださる映像まで、あらゆるものを使ってセラミューを彩ってくださってましたよね!!

全体の照明やムービングだけでなく、要所要所ではいるスポットまで、完璧なタイミングで差しこまれる照明。

わたしも今回初めて知ったことなのですが、スポット照明というのは1つにつき1人が、手動で、大砲でも打つように抱えて、向けてくださっているのです。照明さんだけで4人くらいの方が、高所恐怖症なら失神する高さで1時間半、ずっと中腰です。

そんな照明部のみなさん。
マチソワ間に物販でリングライトを買ってくださったらしく、「推しを自引きしました!」と言って見せてくださいました。そして、本番中、上を向くと、スポット照明を抱えたみなさんの手にリングライトが…!!!
ライブパートのムーンライト伝説ではそのリングライトを振ってくださってるのも見えました。下からはお客様が、上からは照明スタッフさんがリングライトで応援してくださるという最高現場だったのです。

それからお衣装さん。
30秒で支度しな!!!!のパズーにもこのお衣装さんたちがいたら鳩に餌くらいやれただろうな、という早技のお衣装さん、演出部さんたちが、わたしたちの早替えを手伝ってくださってました。
オーディションに向かう戦士たちや、ダンサーから一瞬で会場スタッフに変身するスノーダンサーの皆さんは裏を全力で駆け抜けて着替えていました。着替えて舞台上に出る寸前の3秒でも、すかさずレイちゃんや美奈子ちゃんの髪を梳かすヘアメイクさん。舞台上できゅるりんと揺れるあのツヤツヤサラサラヘアーにも、ヘアメイクさんの技が光ります。

現場から現場を数日単位で移動されるお衣装部、ヘアメイクの皆さんも「昨日DVDでかぐや姫の恋人みて泣きました」と教えてくださったり、
セーラームーンのTシャツをきてくださってたり、
作品を愛してくださるスタッフさんが関わってくれるのは当たり前のことじゃないよな、と改めて認識しました。

そんな大勢のスタッフさんに支えられて、セラミューフェスは約1ヶ月の稽古と4日間8公演の本番を無事完走することができたのでした。
他のたくさんの部隊がバタバタと公演中止になるこのご時世で、これは本当に奇跡だったと思います。神様ありがとう。

おわりに


カーテンコールの時。
毎回たくさんのお客様が泣いたり笑ったりして、リングライトをつけた手で拍手していただいてました。
そのお顔を見ながら、芝居から抜けて、MARISAとしてステージに立って我にかえると、

あーわたしはいま、ものすごく幸せだ、最高に恵まれた有難い環境で、大好きなミュージカルをやっている。幸せだ。

そんな気持ちに包まれてポカポカしていました。それと同時に

この世界でわたしは頑張っていきたい。

と強く思いました。


千秋楽を終えて、ルナのウィッグを外す時
「もうこのウィッグをつけることはないのかもしれない」
と思った途端、猛烈な寂しさが襲ってきて、いっそこのまま走って逃げてやろうかと一瞬おもいましたが、そんな勇気はあるわけもなく、ルナさんありがとうと念じて外していただきました。

人間ルナは、セラミューの30年という長い歴史の中でも初めて登場したキャラクターでした。
登場してからたくさんの人に愛されて、憧れられてきたキャラクターで、その役を実写で演じさせていただけたことは我が人生一片の悔い無しと言っても過言ではありません。しかも去年の本編に続き、この30周年の記念すべきタイミングで再登場させていただけたのも、なんと奇跡的なことでしょうか。

セーラームーンのEternal Cycleの一部になれたこと。
この経験を胸に、わたしは舞台・ミュージカルの世界で、ルナの重たいウィッグを頭皮に感じながら、ずんずんと歩いて行こうと思います。


楽屋を出る時、
大丈夫、きっとまた会える!
とみんなで言い合いました。まだ先は何も決まってないけれど、きっとまた会える。みんなどこか晴れやかな表情で、お互いに手を振りました。また会える。それを、今回の出演ゲストの皆さんが証明してくれたから。


最後になりましたが、
ご来場いただいた皆様、配信で見ていただいた皆様、劇場まで念を飛ばしてくださった皆様、DVD購入を考えている皆様、これまでの30年の中でセラミューを一度でもみて愛してくださった全ての皆様、セーラームーンを愛してくださった皆様、

誠に、まことに!!!

ありがとうございました!!!!!(りこムーン風)


また会えますように!!


MARISA

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