見出し画像

メタバース解体新書 - 新たな経済圏の登場

オンラインバトルゲーム『Fortnite』で米津玄師やトラビス・スコット、Diploがライブをすることに驚きをもった2020年春から一年を過ぎてみると、米国の若年層に人気のラッパーであるリル・ナズ・Xが『Roblox』上でライブを開催することが当たり前のように感じ、GUCCIも『Roblox』と組んだショウを展開している。2020年に登場したオンラインゲーム『Blankos Block Party』も英国老舗ブランドのBurberryと組んだイベントを実施しており、子供向けかなぁと思っていたオンラインゲームの世界にアーティストやブランドが参画するシーンが多くなっている。しかもこのようなオンラインゲームを"メタバース"とまとめて語られるシーンも増えてきている。この現象はなんなのか?!知りたい!と思い、YappliのイベントUPDATE 2021でメタバース動向に非常に詳しいオフトピック宮武さんと『メタバース解体新書』というセッションを持たせていただいた。

画像1

セッションは宮武さんが2020年に書かれたメタバースとはなにか?を軸にしつつ、私が知りたいと思っているメタバーストピックを交えて進めさせていただいた。メタバース=インターネット2.0、ワクワクするメタバースの世界に一歩足を踏み入れる私としてのメタバース・イニシエーションとなった。

画像9

■ネクストSNS = ゲーム。SNSの波を5年単位で掴む。

メタバースを語る前に押さえておくべきと宮武さんが言うのが「SNSのサイクルを知ること」。大体5年ごとに次の大きなSNSが来るのだが、その理由は次の世代のユーザーの行動に合わせたプラットフォームが出てくるからである。確かに2005年にFacebook, mixi, YouTubeがでてきて2010年頃Instagram & Snapchatが登場し、2015年に動画コンテンツが主流になり2020年以降TikTokが中心となっている。

画像2

ネクストTikTokとして2025年頃ブームが来ると予測されるのがオンラインゲームである。現在の米国10代前後の子供たちがハマりにハマっているのがFortniteやRobloxで、友達とのコミュニケーションもゲーム内で行っていたり、あまりにも熱中しすぎるので親御さんがゲームデトックスのためにサマーキャンプに行かせるようなことも起きてきているそうだ。これを「アメリカのことだから関係なーい!」など対岸の火事と思うことなかれ。アーティストのライブやGUCCIやBurberryとの協業を積極的に行うことにより世界中のユーザーを巻き込み始めている。現に私も、Diplo / 米津玄師のライブが見たいのでFortniteのアカウントを作り着飾りたいのでスキンを課金したり、GUCCIコラボでレアアイテムを見つけたり限定アイテムを購入したりしている。

画像4

画像3

GUCCIのイベントにはパートナーと一緒に参加し、イベント空間内でレアアイテムを一緒に探したりGUCCIのムービーを楽しんだりして、少しだけ限定パーティーに呼ばれたハイな気持ちになれた。確かに、ゲーム=SNSとして機能し始めていることを体感できる。

さて、ネクストSNSがゲームであることを理解した上で「メタバースとは何か?」について宮武さんと話を進めていくのだが、まず前提として理解しておくべきはメタバースはまだ完成されたものがあるわけではないということ。FortniteもRobloxもメタバースを目指しつつ進化を遂げている状態だ。ただ、非常に面白いのはFortniteの創業者ティム・スウィーニー氏はメタバースを作ることを目指し、多くのユーザーを獲得できるバトルゲームからスタートしたという。なんとなくメタバースになった、と言う結果論のメタバースではなく、メタバースを目指してFortniteを作ってきているというのだ。

さて、なぜティム・スウィーニー氏はメタバースを目指せたのか?実はメタバースという言葉自体はSF小説「スノウ・クラッシュ」という小説からきているそうだ。Google, Facebook, EpicGames などのテックジャイアントの社長室には必ずあると言われるSF小説がメタバースの源泉らしい(あなたもテクノロジーに造詣が深いということをアピールしたいのであればスノウ・クラッシュを持ちながら外を歩くといいだろう😉)。

■メタバース=経済圏をもったゲーム世界

セッションの中では、メタバースの定義を宮武さんの note ブログに沿って教えてもらったのだが、その中でも特に私が注目しているのは「4.自社経済を持つこと」「6.データ、デジタルアセット、コンテンツなど過去にないレベルの相互運用が可能に」「7.様々な人々が作るコンテンツや体験があること」、だ。

画像5

私がRobloxで遊んでいて驚いたのがゲームの世界に「Create」というメニューがあること。Robloxでは自分の遊びたい世界を自分で作り、アバターのアイテムを作り、そして売ることができる。実際にRoblox上で数千万円売り上げているユーザーもいるそうだ。日本のゲームの感覚と違う。日本のゲームだと、パッケージとなっているゲームを遊ぶだけで自分でオリジナルを作り込むことができない。メタバースの話をする際に任天堂の「あつまれ どうぶつの森(あつ森)」みたいなもの、という例を出されることがあるがどうもあつ森はメタバースの定義には当てはまらなさそうである(将来的に変更あるかもしれないが少なくとも2021年6月時点では、である)。

スクリーンショット 2021-06-21 17.18.21

このゲーム内で自分のゲームを作って儲けられるというのは、ネクストYouTuberのような存在と見ることもできる。YouTubeというプラットフォームを活用して儲けたYouTuberがいたように、Robloxというプラットフォームを活用して儲ける猛者も出てきそうである。

■アバターと一緒に着飾る世界

宮武さんのメタバース定義の「6.データ、デジタルアセット、コンテンツなど過去にないレベルの相互運用が可能に」から派生して今後面白くなるだろうなぁと思っているのがデジタルアイテムの売買である。NFTベースのデジタルファッションが数億円で落札されるというニュースも記憶に新しいが、デジタルアイテム自体の売買にプラスして、自分が落札したアイテムをFortnite、 Robloxなどのゲーム(次世代SNS)を跨いで利用することができるようにもなり、より、デジタル上でのラグジュアリーアイテムが高額でやりとりされそうである。そして、リアルな人間もデジタルアイテムを楽しむことがすでにできてきている。例えば新進気鋭のブランドRTFKTはSnapchatフィルターを使ったデジタルファッションの試着を可能にしており、今後気に入ったデジタルファッションをリアルに購入できる世界を作ろうと目指している。

画像7

こちら↑の写真はRTFKTのSnapchatフィルターを使ったPS5スニーカーの試着を試したものなのだが、試着した感じは十分写真に残せる。GUCCIもデジタルフィルターでの試着・販売を行うなどラグジュアリーブランドもARフィルターに力を入れているのが面白い。しかもRTFKTの取材をさせていただいた際に教えてもらったのだが、希望者はデジタルアイテムをリアルなアイテムとしても購入することができるそうだ。

このような世界ができてくるとアバターとしての西村真里子とリアルな西村真里子が同じ衣服を着てデジタル上の友達、リアルな友達に会うことも近い将来可能そうである。また、今までは各ゲーム内で閉じていたデジタルアイテムのゲーム間相互利用に向けても動きがあると宮武さんに教えていただきリアルな世界での購買行動がデジタルでもできそうな興奮を覚える(例えていうならば伊勢丹で買ったティーシャツを着て、原宿のスニーカーショップでスニーカーを買うようなことがデジタル上でも出来そうでワクワクする(=Robloxで買ったティーシャツとFortniteでゲットしたスニーカーを着用して、Blankos Block Partyに遊びに行ける)。

■ゲームの世界で生きていく

いままでだったら「ゲームの世界で生きていく」というと廃人、オワコンなど思われてしまったかもしれないが、eSportsプレイヤーにならなくともゲームの世界でも生きていける人が増えそうである。新たなSNSたるゲームの世界でクリエイション&コミュニケーションすることが、2025年頃のイケてる生活になっている予感がする。そう、メタバースは次世代の熱狂が詰まったプレイグラウンドとなりそうだ。

画像9


-----

謝辞:素晴らしいセッションの機会をいただきましたYappli 原田さん&島袋さんに感謝いたします。

画像10


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?