読書日記*時空を超える物語『楽園のカンヴァス』原田マハ
わたしは物語の中にしかない時間を、これほどまでに美しく描いている作品にあったことがない。
キュレーターふたりの目線と伝説のコレクターバイラーの目線、絵の中のヤドヴィカとそして巨匠ルソーとピカソの想い。
この物語は巨匠ルソーの名作『夢』に酷似した絵の真贋判定をめぐって時間が流れる。「正しく真贋判定をした者に絵を譲る」と伝説のコレクターが選んだキュレーターに告げ、物語が展開していく。
交差する時間の中に、すっと入っていける。
作中の真贋を図る『夢をみた』という作品が、ほんと