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虐待防止法の恐ろしさ

今障害者虐待防止法の改正を叫ぶ運動が広がっていますが、高齢者虐待防止法も含めてその負の側面が指摘されていません。
障害者が養育者による虐待を受けているとなると、解決法としてグループホームなど施設収容がなされる。それにあたってはいわばマニュアルの如く後見人がつけられてしまう。虐待にはセルフネグレクトも入ってます。セルフネグレクトというのは例えばゴミ屋敷のように自分のケアを自分でできないのに孤立したままということ。

障害者虐待防止法では以下
(通報等を受けた場合の措置)
第九条 
3 市町村長は、第七条第一項の規定による通報又は第一項に規定する届出があった場合には、当該通報又は届出に係る障害者に対する養護者による障害者虐待の防止並びに当該障害者の保護及び自立の支援が図られるよう、適切に、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)第五十一条の十一の二又は知的障害者福祉法第二十八条の規定により審判の請求をするものとする。

(成年後見制度の利用促進)
第四十四条 国及び地方公共団体は、障害者虐待の防止並びに障害者虐待を受けた障害者の保護及び自立の支援並びに財産上の不当取引による障害者の被害の防止及び救済を図るため、成年後見制度の周知のための措置、成年後見制度の利用に係る経済的負担の軽減のための措置等を講ずることにより、成年後見制度が広く利用されるようにしなければならない。

障害者は親の虐待から救済されたと思ったら今度は公的機関によって合法的に虐待されるという実態
踏んだり蹴ったり
障害の社会モデルが障害を否定的に捉えている以上、その限界を突破できないかもしれません。
障害者虐待防止法の条文とその運用が象徴しているとも、障害の人権モデルを障害者権利条約委員会が使うのも当然です。
 後見人がつけられるとどうなるか、選挙権は奪われないものの、被選挙権はなくなる。後見人は本人に代わって契約を結ぶことはできないけれど、契約を取り消すことは可能、さらに財産の処分もできる。
 例えば家を持っている人に後見人がつけられたらどうなるか。後見人としては手間を省くためには施設に入れたい、、入所の契約はできないにしろ、まず家を処分、処分すればその手数料の後見人の懐に、そして家を処分されていくところがなくなったら、本人としては施設に行くしかない、ということになる。
 財産がなくともアパートの契約解除は後見人ができますから、そうなったらやはり施設に行くしかありません。
 こうしていっちょう上りとなって、高齢者や障害者は施設におくられ、施設側も家族がいなければ後見人をつけることを求めます。
 そして後見人の毎月の定額報酬は本人負担が原則です。
 自分の権利制限の費用を自分で払うというとんでもない制度です。
 行政も孤独死などと非難されないために、施設におくりたい、しかも公的責任は逃れるために後見人をつけて後見人に責任を追わせるという仕掛けです。
 まさに後見人制度は池原弁護士の言うように合法的障害者搾取の仕組みと言えましょう。

精神障害者権利主張センター・絆 会員 世界精神医療ユーザーサバイバーネットワーク理事