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おにぎりはあったかいねん〜ウチがおにぎりを握る理由〜

ウチが小学校の低学年の時に父が脳腫瘍で闘病する事になった。母は看病の為に1ヶ月間ほど自分の実家に兄とウチを預けた。

優しくて大好きな祖父母だったが幼いウチは日ごとに父や母に会いたい思いが募った。それを知った兄は祖父母に内緒で駅まで行って自宅までの切符を買って戻ってきた。

一つ上の兄は切符さえあればいつでも家に帰れるとウチに言った。本当にそう思っていたのかウチを慰める為だったのかはわからない。今度兄に会ったら聞いてみよう。と、今は思うのだがウチのことだから多分忘れるだろう。

その切符はあっけなく祖母に見つかり電車の切符は当日しか使えないと言った。大のおばあちゃんっ子だった兄は泣いていた。祖母は「明日の朝は何が食べたい?」と優しく聞いた。兄は即答で「おにぎりが食べたい!」と言って祖母に抱きついていた。

そしたら次の日から祖母は毎朝ごま塩とかのおにぎりを作ってくれた。じゃがいもの赤だしといつもセットだったのも思い出す。

そのおにぎりはあったかくてとても美味しいかった。毎日の朝ごはんのおにぎりが楽しみでウチの寂しいという思いはどこかに吹き飛んでしまった。

その後、ウチが10歳の時に父は息を引き取った。今思うと祖母は娘婿の回復を祈り、娘の事を案じながら孫2人を引き取って毎日精一杯の笑顔を見せてくれていたのだ。心労は計り知れない。子供心の正直さとはいえ申し訳なかったと心から思う。

【おにぎり】について書いてみようと思ったら遠い昔の事が次々と甦った。ウチの〝おにぎり好き〟の原点はここなのかも知れない。

次に、毎朝のように〝おにぎりを握るきっかけ〟になったのはおにぎりアクションというSNSのキャンペーンだった。

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給食がある。それだけで子供を学校に行かせようとする親が多い。給食だけが唯一お腹いっぱいの食事となるからだ。1人でも多くの子供達が学べるようになって欲しいと思い一昨年から参加している。昨年は10月にこのキャンペーンは行われた。

ウチも微力だがコンゴのカンボブ地方に住むカイテ君という男の子を9歳からサポートしている。現在は17歳。あと少しで学校を卒業しデザイナーという夢に向かって歩き出す。治安も悪く貧しい村で生まれた彼が素晴らしい人生を送れるようにと願っている。

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話は戻るが、このおにぎりキャンペーンに参加した1ヶ月間は「明日はどんなおにぎりを握ろうか」と必死に考えたがとても楽しい毎日だった。

〝誰かの為に〟〝何かの為に〟という事がこんなに楽しいく喜びをもたらすものかと改めて実感する事もできた。

また当たり前のように朝ごはんを食べれることに感謝する日々でもあった。

そして毎日おにぎりを握っているうちに〝おにぎりの無限の美味しさ〟をもっと探ってみたいと思うようになった。

高齢の母の為におかずをちょくちょく届けるようになったので朝食は和食がメインとなった。グッドタイミングである。

誰もが食べてみたいと思うワクワクするようなオリジナルおにぎり。そんなおにぎりを考えるのが楽しい。

ウチはこれからもずっとおにぎりを握り続けられたらいいなと思っている。


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