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【本感想】本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む

■まさかの大感動!
いや大爆笑するんだけど。
いろんな人にこれを読ませたい!
とりあえず全ての図書館に置くとよいよ。
本好きの人は感動する自分に驚くと思う。
そしてこの本自体が綺麗に物語になってしまうという見事さ。

■タイトル通り、
ほとんどまともに本を読んだことのない人間が
友人の助けを借りながら名作小説を読む。
そのリアクションを実況中継的に読めるという変な本です。

■しかし、これが面白い!
初出はオモコロというウェブ媒体でのネット記事だったのですが。
ネット記事にしては無茶苦茶長い!
しかし読んでしまったのですよ!
延々スクロールしながら。
延々笑ってしまっていたのです!
なぜなら面白いから。

■そして彼は文学を読んでいるのです。
すごくまっさらな気持ちで名作に触れて感動している。
その状況が滑稽でおかしみがあるのだけど。
小説ってこんなにも面白かったのか。
文章で人の心を震わせることが本当にできるんだ。
そんなことを目の当たりにしてしまって
この本を読んでるこちらまで感動してしまう。
文学の力って本当に偉大なんだ。
なんてそんなことまで思ってしまうのです。

■いやー、この本の彼と同じように
あまり本を読まないし苦手だと感じている人には
もちろんオススメですが。
本当に普通に小説とかバンバン読む人もこれは是非に読んでもらいたい。
なんていうか文学の総括がここにあるのですよ。
初心に帰るということでもありますが。
あまりにも純真な心の動きが体験として書き記されていて、
心も体も打ち震えてしまうのですよ。

■面白いわ、感動するわで
しっちゃかめっちゃか、
わちゃくちゃな情緒に溺れてしまう。
まるで一本の映画を見たような充実感ですよ。
ここにひとりの人間の人生が本当して閉じ込められているかのよう。

■ネット記事であったのは
太宰治の「走れメロス」だったのですが。
本にするにあたり
有島武郎「一房の葡萄」
芥川龍之介「杜子春」
が追加されています。
これらも激烈に面白いです。

■そして読んでいる彼
「みくのしん」の感情移入度が半端ない。
びっくりするほど深く感情を読み取っていたりはもちろんのこと
妙な角度から文章の背景を読み取っていくので。
読者としてのこちらが関心しきりだったり。

■彼が言う
「これ俺のことじゃん!」
と言う小説の作者としては最高の感想がそこにあるのです。

■そして最後にもうひとつ本を読む。
それはウェブライターで「変な家」を書いた小説家でもある雨穴氏。
彼の書き下ろした短編小説「本棚」をみくのしんは読むのである。
これがもう彼に当ててチューニングされたような小説で。
もう彼の心を捉えまくり
全ての登場人物の心にガッツリとハマり、
さらには作者の雨穴氏も思ってもいない感想が飛び出し。
物語は読者によって完成させられる、
そんな瞬間を目の当たりにしてしまうのですよ。

■あら、なんてこと。
泣いちゃいそうなくらい。
こちらまで心が動いてしまう。

■そう、そうしてそれらいくつかの本を読む。
それだけのことが大きな物語としてここに完成したのです。

■はへ〜、と言うわけで。
自分でも驚くほどこの本で感動を体感できてしまって
驚いている有様ですよ。
本にこんなことが出来るんだ。
そんな驚きが。

■どんな人にとっても面白い本だと思うので。
全ての人は読むと良いですよ。
読んで損はしない、なんて
そんなもんじゃねぇ〜。
得しかないですよ。
ホックホクです。
ヤッタネ!
ハッピーエンド!

本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む~走れメロス・一房の葡萄・杜子春・本棚 @amazonより

極楽京都日記: 【本感想】本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む https://kyotogokuraku.blogspot.com/2024/08/32.html?spref=tw


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