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見立ての世界

帰省していた福岡で開催されていた田中達也さん(サッカー寄りの脳みそなので選手を思い浮かべてしまうけれど違う)の個展に行ってきた。

田中達也さんはミニチュア写真家で、日常にある物を別の物に見立てた写真をインスタグラムで毎日UPし、注目を集めた。ポスターや映像でも田中さんの作品が使われているのをよく目にするようになった。

81年生まれとのことで年齢も近く、同じ九州である熊本出身というのも知らなかったが、知った瞬間、急速に親近感を覚えた。

思い返せばわたしは小学生の頃、フェルトでマスコットや小さなオブジェ(主にお菓子)をよく作っていた。例えば、2色のフェルトを細長く切り、くるくると丸めて糸で止め、それに穴をあけてつまようじを刺して、棒キャンディの完成である。

ある時はテディベアをつくるのにハマっていた時期もある。テディベアは型紙のパーツを切って縫い合わせ、最後に組み立てていくのだが(画像参照)

わたしはパーツを全部違う色のフェルトにして、かなりビビッドなベアをつくっていた。自分で言うのもアレだが、手先は器用なのである。

話は逸れたが、ものづくりには小さい頃から興味があったわたしにとって、この田中さんのつくり出す世界はドンピシャに好きなのである。

そしてもう一つ惹きつけられたポイントは、タイトルのダジャレである。

例えば、この作品。

タイトルは何でしょう??


客を引きつけてやまない店

磁石の特性である引力と、魅力的な店だという意味をかけてつけられた秀逸なタイトル。

ちなみにトップ画像の作品タイトルは「裁縫のプロポーズ」
「最高」と「裁縫」をかけている。

会場内には作品だけでなく、田中さんのインタビュー動画も流れていて、その中でタイトルの付け方についても言及していた。
ダジャレと言われるけれど、作品と同じで「見立て」だと語っていた。

「客を引きつけてやまない店」は磁石をお店のカウンターに見立てていて、さらにタイトルにもダブルミーニングで言葉を見立てているという作品。

作品のコンセプトやアイテムから思いつくワードを片っ端から書きだすと、ひとつふたつ重なる(遊べる)ものが出てくるとのことで、それをタイトルにしていると話していた。

言葉でものづくりをしているわたしにとって、田中さんの考え方はとても合点がいって参考になったし、気付かれないことも多いけれど、自分の作品にはそういう「言葉遊び」を多用している。(気付かれないくらいが丁度いい)韻を踏むラップも好きである。

「タイトルも含めて作品だ!!」と、誰かが言っていたような気がするし、言わなくても当たり前のことのような気もする。

脚本やこのnoteを書くにしても、タイトルは本当に悩む。書く前に決める人もいるそうだが、わたしは最後に決めるタイプ。しかもなかなか決められないことが多い。で、結構ダブルミーニング(たまにトリプル)を使う。それぐらい言葉って面白くて奥深いんだと、改めて気付かせてくれた田中さんに感謝!誘ってくれた地元の友人に感謝!

見立ててこーぜ!!

👆田中さんの作品はこちら。
本当に毎日(撮りだめはたまにするらしいが)1作品アップしていて、noteを毎日書くのすら続けるのが難しいわたしにとって、本当に脱帽。これがプロです←当たり前


最後に福岡限定の作品を。

麺も釣りも上げ時が大事

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