<悪魔城伝説語り>ラルフ・C・ベルモンド

ファミコンゲームの名作「悪魔城伝説」の世界観や登場人物についての妄想や考えを語っていこうと思います。基本的にファミコン版の設定前提で書いています。

まずは主人公、ラルフ・C・ベルモンドについて。
私が妄想している悪伝のラルフの性格は、寡黙で朴訥で孤独で心優しい人です。人々からその力を恐れられて疎まれても人々を憎むことなく、一人去っていくような人。黙って俺についてこいタイプのリーダーではなく、周りが手助けしてやりたくなるようなタイプのリーダー。
頼りないとかか弱いという訳ではなく、「なんでアンタはそうなんだよったく仕方がねえなあ!」と思わせてしまうみたいな(笑)。人づきあいは基本的に下手と言うか人と接する事自体に慣れていない。劣等感とまではいかないが自己肯定感は低めで、自分は人前に姿を見せてはいけない存在だと思っている。
ベルモンド一族としての退魔の力は折り紙付きだが甘い部分もあり、一見して戦意が無いものや敵意を見せないものに対して攻撃をためらってしまったり、口車に乗せられてしまうような時もある。何もかもを自分一人で背負い込んだり、自分が犠牲になればいいと思ってしまうような所もあるような人です。

外見は、肩甲骨に届くくらいの長さの赤っぽい茶色の髪と深い湖のような蒼い眼を持ち、母の形見である銀色の十字架を首飾りをいつも身につけている。彼の母親はソニア・ベルモンド。彼の父親はソニアと恋に落ちた吸血鬼の青年。ラルフは父親の顔は知らないが正体については知っている。好きな食べ物はうまい肉。芸術関連(歌とか踊りとか)の才能は絶望的。
人々から疎まれてきた事を恨んではいないが寂しいとは思っていて、自分を必要としてくれる者に(密かに)焦がれている。
その魂は、強く輝く黄金色の光。闇を照らして切り開き、惑えるものを導く光。自らを焦がして削り、それでも尚、他人の為に輝く光……。

私が悪伝ラルフ=懐が深い、優しいキャラだと思うのはただの妄想ではなく(笑)、『魔物と同レベルの扱いを受けている上に存在を忘れられるほどの長い間人々から疎外されてきた一族』であるのに、まさに自分たちを疎外した張本人たちの為に戦えると言う部分や、グラントやサイファやアルカードと言う一癖も二癖もありそうな人物たちをまとめ、交流を深められたと言う部分からの妄想です。
グラントやサイファは単身悪魔城に乗り込んだ??ほどの腕を持ち、気に入らない相手と無理して同行しなくてもいい実力の持ち主だと思います。一人でもやっていけるほどの力を持った彼らが、ラルフの人間性が気に入らなかったらむしろ一人で行動することを選ぶでしょうし、吊り橋効果があるとはいえ(笑)友情や愛情を育むことも無かったと思います。
そして『他人に頼らないでなんでも一人でやっていける』人って大抵我が強いですから(笑)、そんなタイプをまとめるリーダーは精神的な受容性に富んだ人の方が向いていると思うのです。ワンマンアーミーであるグラントやサイファ、そして敵のボスの血縁であり「吸血鬼」であるアルカードをも仲間にし、交流を深めることができたラルフは、懐が深い人だな~と思うのです。そして自分を疎んじた人々の為に、しかも最後の最後までスルーされててもうどうしようもなくなった時点で責任を押し付けられたと言うのにそれでも人々の為に戦うラルフは優しい人だな~と思うのです。

ゲームのオープニング、寂れた教会でラルフが祈りを捧げる場面は開始直後のクライマックスですが、何となくですがラルフって人間サイドの最後の希望、それこそ待ち望まれていた勇者だと言うのに、好待遇での旅立ちではなかった気がするのです。
教会がベルモンド家に助けを求めたと言う事すら伏せられて、ラルフが悪魔城へ旅立ったことすら街の人々は知らなさそうですよね。
勇者の旅立ちだと言うのに誰の見送りも無くろくな装備も与えられず、夜中にまるで罪人のように密かに街を出ていくラルフ……みたいなイメージがあるのですが、私だけでしょうか。

ドラキュラを倒した後はベルモンド家は英雄として語り継がれるようになりますが、ベルモンド=英雄の名が定着し、扱いがすごく良くなったのはラルフの死後のことじゃないかな~と言う予想です。いきなりちやほやされてゴージャスな扱いをされることは、まずラルフが慣れていないんじゃないかなあ……。

ちなみに私は趣味で悪魔城伝説の音楽に歌詞をつけて、「歌劇『悪魔城伝説』・序曲」なるものを作ったことがあるのですが(笑)、この歌はラルフを称える歌です。
この歌が歌われる場面のイメージとしては……深夜、魔物に怯えて門や窓を固く閉ざし、重く静まり返った街、一人も見送る者のないまま悪魔城へと向かうため街を出ようとするラルフ。
街の人々はラルフがベルモンド一族であり教会から命を受け旅立つことをうっすらと伝え聞いていて、ラルフの姿を窓や戸からこっそりと、畏敬と期待と若干の恐怖を込めた眼差しで見つめている。
やがて一人が意を決したように歌いだす。「いと気高きその光と……」
……みたいな……(*^^*)

最大の権力を持つ教会は勇者の旅立ちを称えることも激励することもしない(できない)、上が動かない以上、下の者が動くわけにもいかない。でも街の人々はラルフがきっと自分たちを助けてくれると何となくわかっていて、自発的に勇者を称える歌を歌い始めた……みたいなイメージです。

ちなみに「歌劇・悪魔城伝説・序曲」のファンムービーも作っています。
動画サイトで公開していますので、良かったら見てみて下さいねv


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