<悪魔城伝説語り>アルカード

ファミコンゲームの名作「悪魔城伝説」の世界観や登場人物についての妄想や考えを語っていこうと思います。基本的にファミコン版の設定前提で書いています。

今回はアルカードことアドリアン・ファーレンハイツ・ツェペシュ。
ちなみに月下の夜想曲版のアルカードではなく、あくまでファミコン版悪魔城伝説のアルカードについての語りです(笑)。

悪伝版アルカードを語る上でしつこくてウザいかも知れませんが言っておきたいのは、ファミコンの悪魔城伝説のアルカードはダンピールじゃないと言うことです(笑)。人間として生きてきてある日いきなり発狂した父親に吸血鬼にされた人間だったと言うことですこれ大事です(笑)!
どちらの設定のほうがいいと言う優劣話ではなく、生まれたときから吸血鬼とのハーフなアルカードと、ずっと人間として生きてきてある日いきなり吸血鬼にされたアルカードは根本が違うと思っています。
と言うわけで私が考える悪伝アルカードと月下アルカードは別人です。あっ、これだけでもうこんなに文字数を……^^;

悪伝アルカードは立派な成人男性に見えるので、ここまで人間として、領主の息子と言う上流階級の一員として生きてきた人が、ある日いきなり父親が魔王化して領地が魔界化してヨーロッパ全土の公敵になって、しかもとどめに人間として生きる権利すら奪われたらもうどんな気持ちなんだろうと思います。
魔王になる前のドラキュラが収めていたワラキアは美しい国だったと言うことと、ドラキュラの息子であるアルカードが安定した精神と正しい善悪感を持っている事から、かつてのドラキュラ伯爵は領主としても父親としても優れていた人物だったと思います。当初のアルカードは父親を必死で止めようとしていたので親子の仲も悪くはなかったと思いますし、でもその父親が闇に狂い、その身を無理やり吸血鬼にされてしまった事は、彼にとって耐えがたい屈辱であり地獄だったんじゃないかなと思います。
彼は闇に、地位も領地も今までの生活も家族も人間としての生命までも奪われ、そこまでの屈辱を受けても死ぬこともできない。悪伝アルカードの、こんな渋い設定が大好きです。

絶望で気が狂ってもおかしくない状況だと言うのに、闇の力を(とりあえずでも)受け入れ、状況を改善しようと行動できる悪伝アルカードは強い人だよなあと思いました。強い精神を持ち、感傷に流されず、理性的に行動できる人なのだと予想しています(笑)。
悪魔城伝説の説明書に「父親の悪事に反対していた」と書いてあったから、自分の周りにあったもの(領地・地位・父親・今までの生活など)が次々と崩れ落ちていく中で、それでも何とかそれを元に戻そうとがんばっていたんだろうなあ……。しかし自分をも吸血鬼にされ、ついに彼は『父親を元に戻す』と言う選択肢を諦めた。

繰り返しになりますが、青年と言う年齢になるまで貴族として地位ある者として生きてきた人が、ある日突然その暮らしを無くすって並大抵の辛さじゃないと思います。そしてこれも前に書いたことですが、アルカードにとってはドラキュラを倒す=ハッピーエンドじゃない。
例えドラキュラを倒してもアルカードにとってはほとんど何の解決にもなっていない。彼はただ父親殺しと言う罪を背負っただけで、平和だった頃の生活や人間の身体が戻ってくるわけではない。(もしかしたら悪伝版は、ドラキュラを倒したらアルカードは人間に戻った……と言うオチもあるかもしれませんが)

彼の一族はヨーロッパ全土を巻き込んだ争いを起こしたのだから、戦後、ドラキュラ伯爵の領地が無事で済むわけはないし(しかも荒れ果てているだろうし)、ドラキュラが死んだとしても彼の息子が完全無罪なんて事には多分ならない。アルカードには戦いに勝利しても平和も栄光も訪れない。酷い未来しか残っていないかもしれませんね……;
そんな彼に「救い」があるとしたら、やっぱりラルフを始めとする仲間たちの存在じゃないかなあと思います。
うう……渋い、渋いですよねファミコン版悪魔城伝説……。
この硬派な感じがすごく好きだ~~!

そしてここからは私が妄想するアルカード語りになります(笑)。
私妄想アルカードは非常に誇り高く文武両道で、他人にも厳しいけど自分にも厳しい感じの人です。決して人前では弱音は吐かない。決して膝を屈しない。命より誇りを選ぶような人です。
なのに無理矢理吸血鬼にされて彼の誇りはズタボロなのに簡単に死ぬことすらできず、更に「人の血を飲みたい」と言う欲求にも悩まされていて精神的に発狂寸前なのだが、ものすごい自制心と復讐心でどうにか堪えている。
元々愛想がいい性格ではないが、吸血鬼化してますます愛想が無くなり無口になった。
冷酷と言うわけではないが特別慈悲深くもなく、基本的には自分より身分や能力が劣る者には興味がない。ラルフやグラント、サイファとは、このような事件が起きなければ生涯関わることはなかった。三人と仲間になってもあくまで「同行者」と言う感覚で、交流を持とうとしない。
……はずだったのだが、グラントとケンカしてたりサイファに世間知らずっぷりを突っ込まれてたりラルフに(悪気なく)焼きたてのうまい肉を口に突っ込まれてたりしたら可愛いなあとか思ってしまいました(笑)。
髪の色は黒、眼の色は蒼玉色。吸血鬼と化してからの眼の色は黄金。

アルカードは本当に魅力的なキャラクターですよね。

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