<悪魔城伝説語り>悪魔城伝説四人組

最近の悪魔城ドラキュラシリーズではよくグラントがハブられていますが、悪魔城伝説はやはりラルフ、グラント、サイファ、アルカードの四人が揃ってこそ、いや揃わなくちゃだめだよ、絶対だめなんだよう、なんだと思っています(笑)。

悪魔城伝説の四人組はそれぞれが孤独だったんじゃないかなと思っておりまして、人々から畏怖されていたラルフは言わずもがな、サイファも天涯孤独であり「本当の自分を隠して生きてきた」くらいですし、アルカードも人間時代は同輩や友に恵まれていたとは思えません。父親が発狂した際、もしも彼に心を許せる仲間や友がいれば一緒に行動をおこしたはずだと思いますが一人で何とかしようとしていたっぽいですし、アルカードもまた孤独であったのでしょう。
グラントは「孤独であった」と言っていいのかどうか微妙なのですが(仲間や親兄弟がいるというような描写があるし)、私は、実は密かにグラントは身体的なペナルティがある人なんじゃないかなと思っていたりします……。
そのペナルティのせいでグラントは、大切に思う仲間や家族がいたとしてもそれでもなんとなく疎外感的なものを、彼らと自分は違うんだ的な事を考えていたんじゃないかななんて思っています。

ラルフの話に戻りますが、当時のベルモンド一族は人目を避けて暮らしていたそうですが、どうやって血筋を繋いでいったんでしょうね。
一族と、一族以外の僅かな人々が暮らす集落のようなものがあったのでしょうか。例え閉ざされていたとしても一族以外の人間が僅かでも存在する空間でないと、血族結婚するしかなくなるだろうしなあ。……あるいはベルモンド一族は、元は普通に外部と関りがある一族であったのだが、ラルフの代の前後でいきなり大没落&隠遁するはめになったのか。
ちなみに私の妄想ではラルフの母親はソニアだと思っているので、名門ベルモンド家の令嬢であったソニアがアルカード(仮)と恋に落ち子供を出産、名門の令嬢が魔物との子供を産むなんて恐ろしい!と言う噂が広まりベルモンド家は領地没収大没落、ソニアとラルフは山奥で暮らすことになった……みたいな感じじゃないかなと思っています。ラルフの後、クリストファー、シモンの代を経て、ジュスト、リヒターの代でようやくベルモンド家は再び「名門」と呼ばれるようになった……みたいな。リヒターの代でまた没落しますが……;;

アルカードには婚約者はいたのでしょうか。一国を収める領主の息子と言う身分の彼なので、あの年頃なら当然決まった人(婚約者)はいたと思うのですが……。実はアルカードは既婚者だったり、それどころか既に子供がいたりしたらどうしよう(笑)。(妻子がいたとしてもドラキュラが起こした騒動で亡くなってしまった可能性は高いですが……)
しかしながらどうも彼は既婚者っぽくないので、婚約者を決める前に、結婚する前に父親がおかしくなったみたいな感じなのかな~なんて思い直しました。どちらにしろ気の毒です……;;
サイファもグラントも当時としては既婚者でもまったくおかしくない年齢だと思うのですが、流浪していたサイファはともかくグラントも独身っぽいですよね。(「仲間も親兄弟もドラキュラにやられた」とは言っているけど、恋人や妻が……とは言っていない)

中世ヨーロッパなんて言ったら生き方の自由なんてこれっぽっちもなくて、それができる年齢になったら本人の感情は全く関係なく、当たり前のように誰かと結婚して何がなんでも子供を作って、とにかく血を繋いでいくことが何よりも一番大事な事で当たり前の事だったと言うのに、悪魔城伝説の四人組は「当時の人間ができて当たり前だったこと」ができていないんですよね(ラルフとサイファは後に結ばれますが)。そう言う意味でも彼らは、はみ出し者の集まりなんだなあ……。


悪魔城伝説四人組は、四人ともが世間のはみ出し者であり、孤独を抱える者なんですよね。この物語は、世界からはみ出した者同士が偶然巡り合って心を交わして力を合わせ、世界を救った話なのではないかなと思っています。この四人組は、互いが互いの支えになり、光となっていたのではないかと思っています。
だからこそ彼らの物語の終幕はきっと、大勢の人の祝福とファンファーレと共に幕が下りるようなエンディングでは無く、誰にも知られぬ場所で四人だけ、夜明けの黄金の光の中で静かに笑い合うような……そんなささやかなエンディングなのでしょう。

きっと、蘇った太陽に照らされて輝く常緑(Ever green)が、彼らを祝福してくれるのでしょうね。



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