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DEAD OR SCHOOLの感想

 2023年一発目のゲームはこれ。年末年始のセールで購入した『DEAD OR SCHOOL』。結論から言うとめちゃめちゃ面白くって、今年プレイしたゲームの中では暫定1位ですね!(※今年一本目)

地上をゾンビに制圧された東京。
人々は地下通路に籠り、希望を失い、静寂の日々を過ごしていた。

地下育ちの少女ヒサコは、
祖母から「学校」の存在を耳にする。

学校とは、友と遊び学び、青春を過ごす、
若者にとっての地上の楽園

少女は祖母から聞いた「学校」を夢見て、地下列車に乗り込み地上を目指す。
その先に待ち受ける、絶望にも気づかず…

My Nintendo Storeの公式紹介文より

 2D横スクロールで近接武器・遠距離武器・ランチャー(Special Equipment)を使い分けながら大量のゾンビを叩きのめし、落としたお金やアイテムで装備をアップデートし、レベルアップでスキルを獲得してステージを進もう!途中には隠されたお宝や救助を待つ人々、鍵が無いと通れない道も……?
 という、ハック&スラッシュにゆる~いメトロイドヴァニアっぽさを足したような内容。アクションゲームって時点で自分のプレイ傾向的にはだいぶマイナスなんですが、レベルがあってランダムドロップで強いアイテムも手に入る可能性があるってことは、時間をかければゴリ押せるってことでもあるし、2Dなら操作も複雑になりようがないし(FPSは無理)、なにより女子高生が日本刀を振り回しやマシンガンを撃ちまくり、ミサイルランチャーぶっ放してゾンビ相手に大立ち回りを演じるなんて、男の子が絶対好きなやつじゃんね。

プレイしてみて

OPデモもコテコテのカッコよさでテンション上がる

 操作性は良好。ダッシュが標準装備だし、ジャンプ中なら下降中だろうがどこからでも二段ジャンプを出せて、前転で攻撃を完全に回避できる。しかも相手の攻撃をタイミングよく前転で回避して後ろに回ると、画面が白黒になり敵の動きが少しの間スローになるから攻撃のチャンス。ゾンビが拳を振り上げた瞬間に前転ロール!後ろに回って日本刀を一閃!という気持ちいいムーブが簡単にできる。
 遠距離武器はスティックで攻撃の向きを360度変えられるから崖の上の相手を攻撃したり高いところから一方的に撃ったりもできる。はじめのうちはエイムがうまくいかなかったけど慣れですね。
 プレイ時間は30時間以上(Switchは何故かプレイ時間が1時間単位で曖昧。しかも直近20本しか把握出来なかったような。3DSでは大量のゲームを分単位で記録できたのになんでこうなった)でクリアレベルは62。苦戦するようになったら狩りやすい場所でレベリングしつつ強い武器やアビリティの厳選をしてたので時間もかかったし強くしすぎた。
 コレクション要素に関しては、救助民を一人助け損ないました。2日くらい粘ったんだけどね、強制移動のトロッコに乗って伏せやジャンプで穴や障害を避けるというアクションゲームにありがちなアレが無理でした。

後半、助けたみんなが一同に会するシーン。恐らく左後ろのシルエットが救助しそこねたキャラ

良かった点

・ストーリーと演出
 そこまで期待してたわけじゃなかったんですが、区切りごとにキャラクターたちが目的がしっかり認識し、謎に回答が示されるも更なる謎を呼び、設定と背景と結末にちゃんとした理由付けがされてるのは地味に凄い。なぜゾンビ相手に人類は敗北したのか?なぜ100年足らずの間に地上のことを完全に失伝しているのか?ストーリーを進めていくうちにどんでん返しアリ考えさせられる展開アリ、それでも主人公ヒサコの前向きさに救われる。
 アニメーションさせるだけの時間もお金も無いなりに一枚絵に特殊効果をつけたり拡大縮小でそれっぽく見せたり、演出にも努力を感じた(この辺は90年代末~00年代前半にADVで戦闘シーンをやろうとしたPCゲームを彷彿とさせる)。
 ステージ中のBGMも場面ごとの使い分けがうまく、しっかり気分を盛り上げてくれるからとにかく遊んでいて気持ちがいい。

・ユーザーに寄り添うシステム
 エリアごとのマップが常に表示されてる(非表示も可)し、コレクションアイテムや救助民の位置、進行必須アイテムやイベントの場所も全て分かるようになっている。素晴らしいのはマップ上で繋がっている場所には必ず行けるということ。メトロイド他、ミニマップでは繋がってるように見えるけど壁がある(後でアイテムを取れば破壊可能)みたいなことが全く無いからストレスなくプレイできた。勿論、メトロイド他のそういう要素は探索に深みを与えてるから一概に悪いわけじゃないけども。
 マップ上に点在する拠点に辿り着けばHP/武器の耐久度・弾薬がフル回復するうえ、拠点同士はファストトラベルもできるからテンポよく攻略を進めることができる。
 難易度は3段階あっていつでも変更できるし、高難易度限定の要素も無い。穴に落ちたら即死亡じゃなく少しダメージを受けて手前に戻されるだけなのも優しさ。力及ばずHPがゼロになっても、お金を10%ほど失って拠点に戻されるだけだから死のリスクが低いのもありがたいところ。

・豊富な武器とアビリティ
 近接武器は標準的な取り回しが出来る刀の他、ボタン連打でスタミナが切れるまでコンボを繋ぎ続けられるレイピア、ボタン押しっぱなしで多段ヒットするチェンソー、一撃の威力が大きいハンマーやアックスなど。
遠距離武器も速射性に優れるアサルトライフルや広範囲をカバーできるショットガン、広範囲に攻撃判定が残り続ける火炎放射器や、一撃の威力が高いスナイパーライフル、一回ごとにリロードが必要だが破壊力抜群の対戦車ライフルなど多種多様。
 これらの武器にこれまた多様なアビリティを組み合わせて自分だけの戦い方を探れるのが楽しい。敵が落とすアビリティは単純にライフやクリティカル率を上げるもののほか、ダウン攻撃の無効化やドロップ率アップ、それらの組み合わせなど膨大な種類があるし、それら付け替え可能なもののほかにランダムで武器に宿るものの中には「一回の攻撃で3回ヒットする」「回避で敵とすれ違ったときにダメージ」「波動を飛ばして攻撃」など戦闘を根底からひっくり返すものも。
 レベルを上げるか、強い武器・アビリティが手に入るまで粘り続ければアクション下手でもクリアは可能だと思います。

もうちょっとこう……

 ここからは残念だったポイント。

・視点に振り回される
 このゲーム、奥行きという概念の無い完全2D横スクロールなんですが、一部の場所に差し掛かると、高さや深さ、広さ等の表現のためにカメラアングルが自動で斜め見下ろしっぽくなったり手前に引いたりするんです。で、結果として先が見えなくなったり乱戦の最中に主人公が小さくなってどこにいるか把握できなかったりということが起きるのが辛い。

見えないけど、左側に2段ジャンプすると足場があります

・一部の武器の存在価値が薄い
 自分の場合、近接武器はスタミナ消費が低い割にクリティカル率の高い忍刀系、遠距離武器は一撃の大きなスナイパーライフル(一部場面で広範囲攻撃のスキャッター)をメインで使ってました。
 ただこのゲーム、武器の種類がむやみに多い気がします。近接武器だと隙が大きくてスタミナ消費が激しいアックス、ウォーハンマー、バルディッシュあたりは分ける必要があったとは思えないし、遠距離武器も似たりよったりな性能のものが多い。属性が存在しないのに火炎放射器と冷気放射器を分ける理由ってあります?
 可哀想なのはランチャーで、種類が豊富な割にどれも弾数が少ないから殆ど使ってませんでした。

・一部アビリティの存在価値が薄い
 武器の耐久アップ(近接武器)と弾数アップ(遠距離武器・ランチャー)は一緒でいいんじゃない?とは思ったし、そもそもランチャー以外は使い切る前に次の拠点に辿り着けるバランスだったように思います。耐久の低いアックス系をメインで使ってれば使用感が違うのかも。
 あと売却額UPのアビリティは最後まで使い方が分かりませんでした。

・キャラの立ち絵や一枚絵から漂う同人臭
 まあこのあたりはインディーズゲームですし、なんか超少人数で制作してたらしいので仕方ないんですが気になる人は気になると思います。

終わりに

 色々と文句も付けたしご都合主義では?ってところも散見されるので、減点方式で評価すると大したことないゲームって評価になるかもしれませんが、加点方式なら一転して高評価が狙えるゲームだと思いました。
 ステージ間のストーリーテリングが毎回巧妙で、それでも「ゲーム部分は同じことの繰り返しだなー」って飽きが来る頃には終盤になってるので最後までプレイしてしまうというボリュームのちょうど良さも良かった。
 ブラッシュアップした続編があったら是非やりたいなと制作元のHPを探したら、なんか高円寺でコンセプトバーはじめてるんですけどなんで……?

とりあえず、でボタンを押す子に悪い子はいない


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