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METAL MAX2の感想

 はいMM2です。今回の目標は賞金首やアイテムのコンプを狙わず、地図を隅々まで埋めたりもせず、世界観に浸りながら雑にプレイすること。オリジナル版に触るのは20年ぶりくらいかな、今も悪名が残るナウプロダクション産のメタルマックス2改(壊)の出来に涙してSFCを引っ張り出して以来だから……。まあ適当に遊んでも195mmバーストを撃ち込めばクリアはできるので気楽に。


1日目

 開始直後、街を護りに来たのに宿敵テッドブロイラーに為す術もなく育ての親を殺され街は荒らされ自分も半死半生。

    オイオイオイ死ぬわコイツ        RPGの強ボスの話題には必ず上がるテッド様

 復讐を胸に一人荒野を往く主人公と「忘れ得ぬ人」でもうテンション上がりますね。バイアス・グラップラーによる人間狩りで力無き者は収奪され異常気象で台地は穢れ、そんな状況でも自暴自棄にも無気力にもならず淡々と日々を生きる人々の雰囲気がすごく好きで、モブとの会話が世界観構築にしっかり役立ってるのが最高。

もうこの世界は終わっているんだけど、じゃあ死ぬかっていうとそうもいかないリアリティ

 さて、テッドブロイラーに復讐しようにも生身では勝ち目が無いので、最初の戦車(というかビークル)バギーの入手フラグを立てるため、マドの街から砂漠を越えて隣のエルニニョまで直行。……したら最初のエンカがビームハチドリ・バルカンチュラ・サソリガンのデスエンカ。当然即逃げも、失敗して1ターン全滅。これこれ~この極端なバランスがMMなんだよなあ〜とか気持ちよくなってしまった。
 Dr.ミンチの電撃で意識を取り戻し、気を取り直して全逃げでエルニニョへ。そのまま転送マシーンでマドに戻って1泊してバギー入手。

 周辺をうろうろしレベル3まで上がったら砂漠を泳ぐスナザメに特攻。装甲を剥がされ武装も破壊されたけど主砲を撃ち続けて勝利。主砲を48mm砲に買い換えたら牢破りフラグを立ててから西の検問を無理やり突破。戻ってレンタルタンクを借りたら放棄された下水管理局で牢破り名人を説得しメカニックを仲間に加えてから下水管理局に戻って9mmバルカンを拾い雑魚狩りレベリング。

 まあここまではスムーズに進むんですよ。ただ、2人旅(このあとポチを仲間にするけど)なのに戦車は1つしかないから、個人的にはここから先、具体的にはサイゴンとバズーカドーベルに襲われるアズサ周辺が一番キツかった印象がありますね。まずはその先に落ちてる装甲車の取得を優先しましょう。

……でバギー+レンタルタンクで向かったもののサイゴンで削られバズーカドーベルで全滅の黄金パターン。仕方なくレンタルタンクに乗ってバギーを回収に向かうも、やはりバズーカドーベルの徹甲弾で戦車を破壊され全滅の泥沼。このバズーカドーベルって敵、素早い、1ターン目に徹甲弾でパーツを破壊してくる、痛恨あり、逃げづらい特性、プロテクター持ちで一撃対処が困難、最大4体まで出現という嫌がらせの権化みたいな相手。腰を据えてレベル上げ&装備固めをすべきなのか……?というところで初日終了。

最終的に戦車を降りてた方がマシという結論に    レンタルタンクは容赦なく破壊される   

2日目

 とりあえず犬の村でポチを仲間にして、一泊するとレンタルタンクの整備が終わってたからリセット覚悟でバギー回収のため特攻。運よくサイゴンに遭わなかったのでマドに戻ってバギーを直したら、できるだけタイルを貼って、そのまま装甲車発掘ツアーへ。

高架の新幹線周辺に作られた街、アズサ     匂わせさえ無いガチのノーヒント。正気か?

 ようやく気付いたんだけどこのゲーム、「かばう」が結構大事で、単体攻撃は全部肩代わりできるからバギーで「かばう」、もう一人が「逃げる」でどんどん先へ。アズサで緋牡丹のさらしを買って作中マジでノーヒントな装甲車を発掘したら、トンネル掘りを手伝ってバザースカへ。人間用装備が充実したのでウルフ入手前に危険な相手が少ないグラップルタワーで少し稼ぐことにしました。適当なところで切り上げたらブラド博物館でウルフを入手して88mm砲をバギーに積み、スカンクスを撃破。

   このアイロニーがMMの華よ        低レベル攻略だと火炎瓶とニトロビールが鍵

 無事グラップルタワーを突破したらデルタ・リオへ。ソルジャーを仲間にしたらビイハブ船長と一緒に宿敵Uシャーク狩りへ。

 このイベントすごく好きなんですよね。妻子も弟も失って復讐鬼になるしかなかった船長とか、病床で恨みと呪いしか言えなくなってる母親とか。無事に復讐を果たして抜け殻になりながら「今度はおまえ自身の復讐を果たすがいい」って船を譲ってくれるくだりとか。それを盛り上げる「流れ者の歌」も最高。メタルマックス2は自由度も台詞のセンスも素晴らしいゲームだけど、何が一番いいってBGMですよ。一般に認知されてるのは「お尋ね者との戦い」だろうけど、長閑さと寂寥感が同居する「パパは道具屋」、深刻な不安と絶望感を喚起する「スクラップタウン」、陰鬱で悲壮感を感じさせる「錆びた荒野」なんかも。もちろん勇壮な曲や楽しい曲もあるけど、マイナーコード進行(意味分かってません。ピアノみたいな悲しげな音色、くらいの感覚)の曲が多いのが実に好み。

 恨みで完全におかしくなってしまった母親   再訪すると復讐鬼は抜け殻になっている悲しさ

 で、実はこの先ラスダンまでフラグ無しで進行できるんですよね。戦車の上から異様な高確率でマヒさせてくる注射サソリや、素早い・多数出現・攻撃力高い・2回攻撃・逃げづらいアクアウォーカー、ホローチャージで痛恨+パーツ破壊・逃げづらい死神戦車、単純にタフなうえ攻撃が痛いATゴリラと危険なザコは一杯いるんですが、倒さなきゃいけないボスはいないから、リセット上等のデスマーチへレッツゴー!

 イスラポルトからダーク・カナルを抜けてモロ・ポコへ。レーザーバズーカを拾って南ゲートを突破、177mmアモルフを取ってデスクルスをブックマークしたらキャタピラビレッジ方面でV48コング、サンダーストーム、オメガブラスターを取得。デスクルスへ戻ってメルトタウンに立ち寄ったらレインバレーを超えて195mmバースト、メディカルスーツ、サンバーンXXを掘り当て、海上から北ゲートを突破してアクセルノイマン、マニアックシェフを入手して、バトー研究所でレーザーゴーゴンをGET。装備がかなり充実したので世界巡りをしながらイベントを消化していきましょう。
 
 野生化した路線バスを捕まえたり、

中学生の頃はこの辺の設定がおかしくて大笑いしてました。誇り高き野生のバスって。

 逆恨みからヘイトスピーチを繰り返す男に一対一の決闘を挑まれたので4人がかりで騙し討ちしたり、

 遊覧船の中に作られた街、スワン。街の人達はガルシアの言うことを鵜呑みにして主人公に罵声を浴びせてくるが、卑怯でもなんでもガルシアを殺せば掌を返したように喝采で迎えてくれる。

 一方的にこっちをトモダチ認定して罵声を浴びせてくる距離の詰め方が下手な陰キャの相手をしたり、とにかくぶっ飛んだセンスを浴びてるだけで楽しいですね。

呼ばれ方は自分で選べるがどれも酷い        この鉄クズ集めがまた面倒で……  

3日目

 このゲーム大好きだけど全肯定はできないし、誰にでも勧められるわけでもない。まずエンカ率が鬼のように高い。移動スピードは速いから快適かと思いきや1秒足らずで連続エンカすることが多くって閉口。一方で3秒くらい敵が出なくて「あれ?ここって安全な区間だっけ?」とか思っちゃったり、ムラがある。

 戦闘バランスも悪い。基本的に戦車は低守備力・高HPで、降車状態はその逆。戦車だと300くらいダメージを食らう相手も、しっかりと人間を固めた人間ならカキーンと攻撃そのものを弾けたりする。それはいいんだけど、人間の守備力を支えてるのが破損の恐れがあるプロテクターってのが問題で、敵の攻撃でプロテクター破損!追撃のバルカンでミンチに!みたいなケースがそこそこ起こる。これはこれで人間の儚さと戦車の頑丈さ(戦車はHPがゼロになってもしばらくは耐える)のフレーバーとして完璧だけど、人間はノーダメorダイって極端なバランスになってるのよね。

 攻撃の方も守備力の影響が大きく、硬い相手だと戦車の主砲で800ダメ、副砲で20ダメ、人間が斬りかかってもせいぜい1ダメっていう、リアルなんだか……って極端な感じは人を選ぶと思う。戦車は建物内だとスロープやエレベータが無い階層へは移動できず、車止めや階段、ハシゴを越えられないから乗り降り・けん引の操作が発生するのも面倒さを感じる。この辺も乗車時の安心感と降車時の心細さはゲームのメリハリに繋がってるから一概に批判もできないし、戦車の「ごっこ遊び」としては最高なんだけど……。

 というわけで続きから再開しましょう。

 戦車系の敵を狩って新造に必要な分の鉄クズを集め終わったらバトー博士の研究所で新しい戦車を発注。これでウルフ・ゲパルト、アビシニアン(ティーガーやレオパルドは鉄クズ集めるのが大変すぎる)が揃ったのでラストまでこれでいけますね。

バトー博士は距離感の分かってない陰キャで人が離れるのも納得なんだけど、助手ロボットのサースデーのセリフにはドキッとさせられる。めでたしで終わるエピソードが全然無いわこのゲーム。

 マンムートとエレファントはちょっとシャシーの重量が……だし、バギーや野バスは守備力に難ありだけどクリアはできます、というか初クリアのときはウルフ・バギー・野バスが最終メンバーだったし。せっかくだから今回はゲパルト使いましょう。MM2はまだ対地・対空の概念無いけど、地対空ミサイルとか高射砲ってロマンじゃない?

 装備もウルフに195mmバースト、アビシニアンに205mmキャノン、ゲバルトはサンバーンXXとソプラノトロンにレーザーゴーゴンでサポートと完璧な体制(全車に195mmバースト積んで脳死で主砲撃つのが最強なんだけどそれじゃあね)。
 というわけでレベル上げがてら賞金首撃滅作戦を展開しましょう。イスラポルトの北でウロウロしてカミカゼキング、モロ・ポコ南で偶然に遭遇したダイダロス、「マダムとイヴ」の創世神話を掲げる筋肉至上主義のマダムマッスルをプロテインパレスで撃破。このプロテインパレスが嫌がらせの塊みたいな複雑さでうんざりしましたね。せめてマダムとの追いかけっこは雑魚とエンカしなくていいじゃん……。

 明日は海の賞金首と、そろそろ四天王をやっつけましょうか。ダスト原人てどこにいるんだっけ、いや風力発電所の地下ってのもその場所も覚えてるんだけど、どこから行くんだっけ……。

4日目

 モロ・ポコからスタートして、トータルタートル撃破→ヒトデロン撃破→スワンからまっすぐ北上して風力発電所の地下でダスト原人撃破。そしてその帰りに哲学の池を訪問。
 ここね、メタルマックス2で一番好きな施設なんですよ。古池の水が意思を持つ存在「ZEN」となって自分の存在について思考し、主人公たちに問いかけてくるというものなんですが、ストーリーには全く関係ないんですね。唐突に出てきて自分とは何なのか、意識のことなのか肉体のことなのか、意識のことだとすれば寝てるときは自分が消えてしまうのか、なんていう、禅……老荘思想めいた問答をぶつけてくる。こんなの何も知らない中学生がまともに食らったらそりゃ影響受けますって。

自分とは体のことだと答えた場合       自分とは意識のことだと答えた場合

 ほかにもこのゲームはぶっ飛んだ施設が多いんです。砂に埋もれた仏像の中に街が出来てたり、戦車をご神体として祀ってる村があったり、

 近くを野バスが走り回るノボトケの村     ゲパルト自走対空砲を祀るタイシャーの村

 「キャタピラになら踏まれて死んでもいい!」って人たちと「車輪を捨てよ自分の足で歩こう!」って人たちがいがみ合ってたり、既に死亡してる黒幕の幽霊が世界の荒廃をよそに平和にテニスをしている廃リゾート地など、とにかくクセの強いものばっかり。

悲しげなBGMにポーンポーンとボールの音が響く    ブラドの脳が移植された機械がラスボスです   

 各地にトレーダー(交易商人)がキャンプを張ってて、そこを訪れてうわさ話や周辺の様子に耳を傾けるのも面白いですね。

 そしてなんといってもメタルマックス2といえば鮮烈な印象を放つのが地上の楽園デスクルスのドラム缶。外向けにはパラダイスを装う一方で入ってきた人間を囚人扱いして奴隷労働させている施設で、主人公は1日中ドラム缶を押して整列させては元の位置に戻すという何の意味もない作業を延々と強いられる。看守を倒して脱出を試みても入園時に付けた頭のリングから電撃が流れて1ターンで敗北。そんな状況で食堂係を命じられた主人公はこの環境で唯一手に入る金属製品である先割れスプーンで地面を掘っての脱出を試みる……。

北朝鮮モチーフなんだろうけど……       刑務所でありながら宗教施設っぽくもある

 NPCの反応が変わらない中で淡々とドラム缶を押しては元に戻すのは、えっこれ大丈夫?別のところにフラグあったりしない?と不安になる単純作業だし、施設を解放したあとに残る一抹の寂しさも含めて割と伝説のイベントだと思いますね。

メタルマックスといえばドラム缶、というくらいのインパクトで延々と擦られ続けるイベントに。

 話が逸れました。あらかた世界を回り終えたのでラスダンに侵入して一気にレベリングします。レベル上げの王道といえば倒しづらいが大量の経験値を持ってるやつを狩る(はぐメタ)か仲間を呼ぶ敵を倒し続ける(グレーターデーモン)か。メタルマックス2は後者で、殴ると勝手に分裂する「ちょうでんどうX」をひたすら倒し続けます。1匹が1戦闘で50匹以上に増えるのもザラで、ここでレベル28→35へ。明日はいよいよクリアですね。

諏訪湖に浮かぶラスダン 舞台は未来の長野     攻撃で電気系統がイカれるので降車して戦う                   

5日目

 このゲームのラストダンジョン、バイアス・シティは数段階の手順を踏まないと最下層まで行けないのでまあ長い。

 IDカードを見つけてドアを開け、バスワードを探し、システムのフェイルセーフをすべて解除して、戦車を持ち込み、エレベータの電源を入れ、セキュリティを無理やり突破し、最下層でラスボスの生命維持装置をOFFにしてようやく最終決戦。その間には宿敵にして実質最強の敵テッド・ブロイラーとの決戦まで。

 道中は降車状態で進む場面が多いうえ、出てくる敵もとにかく強い……というかSSグラッブラーが本当にキツい!攻撃されれば確実にプロテクターを剥がされるだけでなく、集中攻撃特性持ちなので複数で出てくると追撃で簡単に倒される、そのくせ逃げづらい特性持ちなので常に死と隣り合わせ。

 装備スロットとレジストリの関係で予備のプロテクターは各自2つしか持てない=3回プロテクターを剥がされたら即死待った無しなもんだから探索がなかなか進まない。戦車に乗ってないと、リレミト・ルーラ相当のアイテムであるドッグシステムも使えないから、戦車から離れたところで死者が出ようもんなら拠点に戻ることさえ難しくなってしまう。

生身だと最悪の相手だが戦車があれば怖くない   道中はいつ全滅してもおかしくないバランス

 そんなわけでサクッとクリアの予定が第6次遠征までかかっちゃいました。テッド・ブロイラーもギリギリでしたね。バリアで炎攻撃をほぼ無効化し、ドーピングで攻撃力を上げ、回避率アップのバフをかけ、無消費全体回復のアイテムを持ち込んだにもかかわらず主人公は死亡で他のキャラもプロテクターと回復をすべて削られバンザイ突撃するしかない状態での勝利。いやキツかった。

うっかり回復前に突っ込んでしまうミス      薄氷の勝利だが肝心の主人公は死んでる

 クリア時間は21:14。RPGはこのくらいで終われるのが一番充実感があっていいですね。マンションを購入して愛人を囲ったり組み合わせで効果が変わる特別なアイテムがあったり語ることが尽きないゲームですが、シリーズの権利を買い取ってくださったサイゲームスさん、よろしくお願いします!

愛の巣に家具を置くことも出来る        モー娘。より早かったLOVEマシン
ミーハーなので競走馬の名前から         完全に存在を忘れていた賞金首 

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