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娘の雑木林はどこにあるのか

娘の雑木林はどこにあるのか〜環境講演会に参加して〜
環境ナビゲーター 上田マリノ(所沢市マチエコ大使)

 「武蔵野学がはじまる」と題して地域学から武蔵野を観るという内容で、聴講者が武蔵野台地の自然、雑木林について思いを巡らせるようなご講演でした。
 国木田独歩氏の『武蔵野』によると、かつては武蔵野の風景が新宿・渋谷辺りに広がっていたそうです。その後、武蔵野の風景は都市開発とともに国分寺の方へ移り、そしてさらに西へ。現在は所沢周辺にあるとのこと。
 私は松井・柳瀬地区で生まれ育ちました。小さい頃から住まいの周りに雑木林がないので雑木林は身近な存在ではなく、車で見に行く存在です。ですが幸いなことに公園が多い地域なので、虫取りも木登りもしましたし、花の蜜を吸ってみたり落ち葉に埋もれたりと、自然とのふれあいは多かったように思います。
 今は2歳の娘と家族3人で、私が2歳だった頃と同じ地域に住んでいます。30年前と比較すると自動車の交通量が増え、畑は住宅へと変わり、公園も植栽しないと明らかに植物が減っています。私の頃ようにのびのびと遊ぶには、安全も自然も足りないように感じています。11月に三富でイベントがあったので娘と一緒に自然の中で遊んできましたが、車を10分走せれば雑木林があるというのは、まだ恵まれた環境なのかもしれません。彼女が小学生になる頃、この自然はまだあるのかが気になります。
 都市化により得た恩恵も大きいと思いますが、失ったものも多いと感じています。雑木林は自然とふれあう機会提供はもちろん、ヒートアイランド現象の緩和や動植物・生態系の保護など多くの役割を担っています。まちづくりや開発は便利さと自然環境のバランスをしっかりみて計画・実行してことが、これからさらに重要になっていくと、今回の講演に参加して思いました。

所沢市環境推進員連絡協議会会報 第33号より




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