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黄金期構想 Vision 2025

 ご無沙汰しております。お正月の箱根駅伝の余韻がいまだに抜けておりませんが、キャンプも始まり春の足音も近づいている今日この頃。そうとなれば今季の展望、注目ポイントを述べるのが筋ではございますが、表題の通り、千葉ロッテの黄金期に向けた構想を述べていきます。あくまでも、自分の頭で今と未来を照らし合わせただけなので正直、意味がないとは思います。

「マリーンズ黄金時代」

 井口監督の就任当初から、これを合言葉としてチームづくりに励んできた。そして、この言葉は次第にメディアやファンの間でも浸透してきた。

 2021年3月、上記のように球団も「千葉ロッテマリーンズ 理念」を策定するなど、中長期的に常勝チームを構築するうえでの意識改革を促している。その理念の中で、今回のタイトルにもなっている「Vision 2025」というワードが取り上げられている。以前、私も下記のnoteにて、個人的に描く千葉ロッテの2025年までの構想を下記のように述べさせていただいた。

 2020年からの6年間で5度Aクラス、2度優勝を目標にしたい。つまり残り4年で3回Aクラス、2度優勝。時間は限られている。井口監督がこのチームを率いて、もう4年経っていると考えれば時の流れの早さが分かる。

 いつまでも「未来は明るい!」など言っている暇はない。そんなことを続けていたら夢物語で終了してしまう。

 自分の鈍った野球に対する感覚(?)を想起させる意味合いも込めて長々書いてますが、内容はそう深くない机上の空論。個人的見解でございます。その点をご了承ください。

☆投手:より強固な循環サイクルの確立

 数年にまたがって、コア候補を複数選定して、的確なポジションに当てはめていくことが求められる野手と異なって、投手は毎年、質のいい投手を供給できる体制があるか。そして、そのときのニーズに合わせた投手を送れるかが重要だ。昨季こそBクラスに甘んじたが、福岡ソフトバンクを参考にするとわかりやすい。そのサイクルは千葉ロッテにおいて、ここ数年で出来上がってきたと感じる。

 高卒組を基礎から育てるノウハウ、即戦力投手のスカウティング、途中補強組の再生能力。1・2軍ともに差のない投手層を築きつつある。夏場から秋口にかけてギアチェンジが浸透してきた先発陣、コマ不足に陥りながらも最終的に固めてくるブルペン陣。といったように。

 そのサイクルに拍車をかけようと試みたのが、上記の記事にも掲載されている通り、昨季まで1軍投手コーチを務めた吉井理人氏が今季からピッチングコーディネーター部門の就任。

 具体的な役割は上記に記載されている通りで多岐に渡る。私としては吉井氏はこのような役割の方が合っていると思っている。これまで以上にミクロな視点で選手たちに接することが出来て、各選手の育成プラン、コンディショニング管理、課題解決に当たってくださることだろう。

 若手はもちろん種市篤暉、西野勇士、松永昂大といった故障(明け)組。就任初年度から1軍戦力として活躍しながら故障に苦しんだ選手を彼が放置したままこのチームを去ることなんてしない。基本は投手コーチが行うものの、彼らの復帰時期、登板管理も裏から指示を与えていくことだろう。引き続き佐々木朗希の育成計画も。

 この中でも「データを活用した課題抽出、解決策作成」の部分おいては、ぜひ積極的に活用して原因解明に努めて欲しい。
 例えば昨年、低調に終わってしまった美馬学や二木康太。彼らのリリースポイントのバラつき、いいときよりも体が沈み込まないといった課題点が浮かび上がってくるのではないか。二木はタイミングの取られ方、足の上がり方にズレの違いがあるといったように(上記の感想は私が昨年登板した試合を拝見した際に感じたもので、それが課題点に起因しているとは限らない)。

 海外選手の動向もアンテナを張り、球質と制球改良の余地を見越した選定を行う。今回のタイロン・ゲレーロ獲得も、その一つだ。

 現メンバーを元に2025年の投手構想例を下記のように書き表してみた(年齢は2025年度時点)

先発
佐々木朗希(24) 種市篤暉(27)  
小島和哉(29) 森遼大朗(26)  
岩下大輝(29) 石川歩(37) 
古谷拓郎(25) 美馬学(39)  
二木康太(30) 鈴木昭汰(27)
河村説人(28) 中森俊介(23)
中継ぎ・抑え
廣畑敦也(28) 国吉佑樹(33)
八木彬(28) 土居豪人(25)
小野郁(29) 唐川侑己(36)
東妻勇輔(29) 西野勇士(34)
佐々木千隼(31) 秋山正雲(22)
横山陸人(24) 小沼健太(27)
(外国人投手)益田直也(36)

 先発は佐々木朗、種市、小島の三本柱がバランス良いか。そこを石川・美馬の両ベテランが3連戦の真ん中でグラウンドボーラーとして支えていくという構図になりそう。彼らが中10日で回っていく事が理想。今季から古谷、森、中森らが徐々に1軍に顔を見せ始め、着実に世代交代が進んでいる。2024.2025年には全員20代ローテを組むことも可能だろう。育成から支配下に登録された森をモデルに今年の育成ドラフト組の田中、永島田が、この25年までに基礎固めをして支配下を目指していくことになりそう。

 UT枠も岩下、河村、廣畑敦也らが先発を中心に、状況に応じてブルペンに回る体制を敷くことだろう。左では中村稔がロング>先発の割合で、秋山星雲がまずは先発を目標に巨人・大江のような存在を視野に入れていくことになるのかな。成田翔にかなえて欲しかった役割を彼に当てはめていく形。その成田は今年、左リリーフとして存在感を出さないと立場はない。

 リリーフは今まさに小野郁、東妻勇輔に多くの投資が施されており、この頃には本格的にブルペンリーダーとして回したい意図が伝わってくる(東妻に関しては得点圏での火消しが向いてるのかなと思い、現段階ではAチームよりもポスト・田中靖洋のポジションで考えている)。

 こう見るとアバウトな攻め、淡々と抑える投手が揃っていて、最大出力で支配的な投球をするリリーフが不在気味か。そこを外国人投手だったり、沢村、国吉のように途中トレードで駒を揃えるのだろう。益田の後継者となるクローザー候補は横山・小沼あたりか。
 今年の段階でもブルペンの主力は30代が中心となっており、少しずつフレッシュな顔ぶれを増やしていきたい。真っ直ぐで押す力、第3球種でカウントを取れるかが分かれ目になるか。

 この計算だと2025年は井口政権でドラフト指名した投手たちが全員20代で揃う最後の年になる予定。さらに佐々木朗希の夢舞台への道のりを考えると投手陣のピークも、この年ということになりそう。良質な投手が揃いそうだが、欲を言えば種市クラスの先発がもう1枚出てくれると助かるかも。最大の敵、佐々木朗希の故障には要注意。

☆野手:有望株が揃っているが・・・

 再建から黄金期を築く上で最も重要なのが野手。94年から96年世代がすかすかな編成だったが、ここ近年のドラフトで集まってきた。しかし思い描く理想とは逆に課題、問題点が少なくないと感じる。当然、入れ替わりがあるが、現メンバーにおける2023年~2025年の主な陣容を下記に示した。これをもとに見ていきたい(年齢は2025年度時点)。

捕手・佐藤都(28) 松川虎生(22)
   田村龍弘(31) 
一塁・山口航輝(25) 井上晴哉(36)
   菅野剛士(32) 新外国人野手?
二塁・中村奨吾(33) 池田来翔(26)
三塁・安田尚憲(26) 藤岡裕大(32)
   池田来翔(26) 福田光輝(28)
   新外国人野手?
遊撃・藤岡裕大(32)、平沢大河(28)
外野・藤原恭大(25) 和田康士朗(27)
   山口航輝(25) 山本大斗(23)
   菅野剛士(32) 高部瑛斗(28)
   岡大海(34) 荻野貴司(40)

 黄金期構想の軸は97~00年世代の若手野手ではあるが、本当の中心は二塁・中村奨吾。彼だと再認識させられる。25年には33歳を迎えるが、井口監督自身が38歳あたりまで二塁を守っていたことを考えると、自身の経験則から中長期ビジョンの1つの目標点である25年までは二塁・中村奨との見方をしているのかも。今回は彼が残留することを前提に話を進めているが、今オフの動向に注目。

 そして、もう1人が佐藤都志也。28歳と選手として全盛期を迎えるであろう彼が正捕手としてチームを引っ張る必要がある。気迫を前面に出す彼のスタイルはチームを変えていくに違いない。今季は田村と併用可能な水準に達することが目標だ。次期正捕手候補・松川虎生も22歳とはいえ、この頃には1軍に顔を出していてほしい。左右に打力あり、チームのオーラを変えられる捕手の有望株を2枚抱えているのは心強い。この2人を究極の頭脳が支えていくという形が理想か。

 藤原恭大、山口航輝、安田尚憲、和田康士朗。彼らは中心として君臨しなければいけない。急かすつもりはないのだが、自分が当初描いていた構想からは遅れているのが正直な感想だ。特に安田は昨年までのレアード2年契約の期間に1人前に育て上げ、22年から三塁・レアード→安田の予定だった。

 安田に関しては、首脳陣が自主性に任せた弊害も少なからず出ていると思う。自主性に身を任せた結果、試行錯誤を繰り返すうちに何が正しいのか、自分には合うのかを見失っている。ベースになるものから手を加えるというよりは、根本から体の使い方、形を変えてしまい、あれこれ言われている状態。そのうえ体の使い方が下手という印象。
 以前、球団の動画でゴムチューブトレーニングを拝見した際、チューブがピンと張らず、目標の高さに届かなかった事があった。軸足で壁が作れず、お尻が落ちて力が逃げていく(?)とでも言うのだろうか。打てても崩され気味になりながら、このような形になっているものが多い。まずファウルの打球からして弱い。タイミング早くても強く引っ張ったみたいなファウルを観た記憶がない。

 藤原も20年終盤の流れから昨季、最低でもレギュラーの足がかりを作って欲しかった。期待しすぎといえばそうだが、一瞬のチャンスをものにして階段を駆け上がってくれると思っていた。そこは自分の考えも甘かった。まずは崩れた自分の打撃を取り戻して荻野の負担を減らそう。

 また上の表をご覧いただけると顕著なのが二遊間の人材不足。今まさにエチェバリアがそのつなぎを担っている状況。茶谷、西巻・福田光らが控えているものの、正直コア候補とは言いがたい。打力ある福田光が殴り込みをかけたい。上記の選手+平沢、小川から残った選手がUT枠を担当していただければと考えている。

 このポジションは井口政権下のドラフトで唯一、1位指名をしていない。その点を踏まえると今オフは二遊間のコア候補を1位指名すると考えている(大卒を軸に選手が揃っていそうな雰囲気が漂うが、池田来翔を指名したため、過去の傾向を考慮しても高卒二遊間の可能性が高いか)。真の黄金期構築に向けては、攻守両面でプラスを与えられるコアクラスの二遊間を確保することが必須と考えている。2025年に間に合うかは不透明。

 もとい上記4人+佐藤都が抜けており、彼らに続く野手のプロスペクト、二遊間の枯渇、スカスカの94年から96年世代の野手層が今の編成のゆがみを生むなど問題点は少なくない。上記の彼らも期待の選手という位置からは少しずつ脱してきており、今季爪痕を残していかないとチームの将来に暗雲が立ちこめる。

 未来構想としては23.24年で二遊間候補(主に遊撃)を軸に集めて、2025年には松川、山本大斗が頭角を現し、軸は中村奨ながらも池田がレギュラーに近づけるかといったところか。外野は人数が多いので、右打者を中心に一塁も兼任か。あとは名前を挙げたUT候補に菅野、高部。いまの段階でも厳しい立ち位置にある彼らが、チームに足りない部分を補える存在になっていけたら。まだ井上晴哉のパワーツールも必要とされることだろう。

☆仮スタメン構想

2佐藤都
4中村奨
8藤原
3山口
7菅野
Ⅾ外国人
5安田
6平沢(藤岡) 
9和田

 サッと適当に組んでみたため、それはないだろうと思われるかもしれない。まず1番・佐藤都からツッコミが入る。個人的に負担のかかる捕手は、いっそのこと考えすぎずに1番で振らせるのはありではと思っている。核弾頭要素は備わっているので。

 イケイケな1番・佐藤だが「俺が決める」という気持ちも備わっており、1番がもったいなくも感じる。そこで9番に和田を入れてみた。彼は1or9みたいな起用になりそうか。コンタクト率などは、さほどだが当たれば飛ぶみたいな。出塁率はそこまで伸びないが長打率、足で補うイメージ。下位打線からも得点できる打線が作れる。

 この打線の中で絶対に揺るがないのが3番・藤原恭大。理想は全盛期・柳田悠岐。出塁率.462 長打率.586 OPS1.048はやろう。

 こうみると中軸に挟む5番あたりで、全体の統率を図りたい打者が不在なのが分かる。ここでは菅野剛士をいれているが、彼次第では再び大社ドラフトでこの手のタイプを加えることになるかな。

 一応、三塁に安田を入れてはいるものの、今の体たらくが続くなら、この構想から外すことを当然考えている。代わりは松川。打席機会はもちろんのこと、捕手と類似性の高い三塁を守らせることによって、捕手育成の一貫として壁性能を高めさせようと考えている。昨年、試合前ノックも入っていた、投手出身で肩の強い山口航を三塁のプランもある。

☆黄金期構成のキーマンたち

 若手が多く(特に投手)全選手を紹介出来ないので、2023年から2025年。今後の編成において、この選手がカギなのかなという選手を勝手にピックアップさせていただいた。

 35. 鈴木昭汰(投手)

 2020ドラフト1位指名。入団前の様子では不安材料も多かったが、プロ入り後に磨きがかかった。どんな状況でも腕の振りが変わらない、落ちない強気の投球が持ち味で、ウエートの乗った真っ直ぐで押す力はチームの左投手でも抜けている。切れ味鋭い2種類のスライダーを武器に奪三振率も8.62(79.1回)を記録。貴重な左腕で先発・中継ぎ両方で活躍出来るため、今季含めて起用法に注目が集まる。そこはスタミナを維持できるか、2シームで幅を広げられるかが分かれ目になりそう。個人的には先発派。

 62. 森遼大朗(投手)

 昨オフ支配下契約を勝ち取った、完成度の高さが魅力の本格派右腕。最大出力、エースポテンシャルではやや劣るが、故障の少ないであろう彼のフォームは他の若手投手陣のなかでも1つ抜けている。先発ローテ5.6番手で息長く活躍できるタイプ。再現性を保って8勝8敗,150イニングを軸に10勝も達せるかが今の理想像。筋のきれいな真っ直ぐ、膨らみの少ないスライダー、美馬から直伝のフォークボール。1つ1つ球の精度も、この4年間で磨きがかかってきた。個人的に今季最も期待を寄せる選手。

 69. 土居豪人(投手)

 190cmを超える長身右腕。特にフォークは落差があり、被打率.182(11-2)、空振り率19.57%と決定力がある。現状リリーフだが、カットボール、カーブという球種構成は先発向きでもあるため、可能性を広げる意味でも、その構想はとっておく。どちらの起用法でも、この体格を存分に生かすために真っ直ぐの力強さUPは必須。角度ももう少し出せると良い。このタイプは国吉佑樹というお手本もいるので、ぜひ色々吸収していただきたい。そうなるとリリーフになりそうかな。

 121. 小沼健太(投手・育成)

 昨季2軍最多セーブ。将来の守護神候補として、昨季は英才教育を受けた。捕手・田村から「まっすぐとフォークだけで抑えられるようにしろ」との金言も授かったように、スピンの効いた重い真っ直ぐ、フォークの2種類が武器。とはいえクローザー候補にしては奪三振率5点台は物足りない。まずは高め真っ直ぐ、追い込んでからの低めフォークに磨きをかけよう。そして独立時代に投げていた右打者の先端を切るカットボールをカウント整理で使えたら楽になる。

 2. 松川虎生(捕手)

 2021ドラフト1位指名。将来の大型捕手候補。金属バットながら反則級の打球速度を誇り、しっかりと壁を作ってたたく打撃はすでに完成度が高く、早い段階で1軍投手陣のスピードにも対応出来ると見込んでいる。1軍で打席を積ませながら、身近で若手投手、田村・佐藤都の背中を見て学ばせていく起用法が望ましいかな。小園健太(横浜DeNA・1位)を引っ張った経験も活かしていこう。

 00. 池田来翔(内野手)

 2021ドラフト2位指名。3拍子揃った内野手でポスト・中村奨吾と目される。体格とリストを生かして右方向に強い打球を飛ばすが、ややヘッドの倒しすぎ、テイクバック時に腕が伸びきって手が遅れて出るような印象で、そこが引っ張りのハードヒットを欠いてるのか。守備では握り替え含めて送球がやや気になった。今季は二塁・三塁をメインとして中村奨吾1年目の役割を担えたら合格点。彼の出来が今後の内野編成を変えそう。

 63. 和田康士朗(外野手)

 昨季パ・リーグ盗塁王。現段階では代走の切り札として活躍しているが、プロスペクト・和田としては物足りず、現戦力から終盤力が失われる状況。軽く払って逆方向に飛ばせるセンスは折り紙付きだが、まだ折れて差し込まれているようなスイングも目立つ。それでも右ひざの使い方は柔らかく、上手く合わせられる力もある。引っ張りを磨こう。個人的に彼は延長なしの影響を最も受けた選手だと感じる。今季から12回制に戻り、代走から打席に立つ機会も増えるはず。この2年で打席機会を積んで、24,25年までにスタメンも狙えるように。育成プラン再確立の意味合いも込めて、今回取り上げさせていただいた。

 124. 山本大斗(外野手・育成)

 昨秋のフェニックスリーグで5本塁打を放った期待の育成野手。無駄のない形から強いスイングが出来ている。その姿はプチ・鈴木誠也で本人もお手本にしているそう。縦に角度もつけられ、高めを被せることも可能。
 昨季は2軍で打率.224(170-38) 5本塁打32打点。OPS.676。打数200未満とはいえ、BB/K0.44は1年目にしては中々のアプローチを見せたか。
 それでも初めて1軍の舞台に呼ばれたエキシビションマッチでは、一線級の投手の壁にぶつかった。丁寧なゾーン管理を心がけ、対左のクロスファイア捌きから信頼を高めていきたい。

☆総評・今季の位置づけ

 2020年から球団の中長期的ビジョンの1目標である2025年までが勝負。そう称した今季はその3年目に当たる。現時点の評価としては、投手に関してはこの数年で全体の底上げを図れてきたが、野手はまだ道半ば。レアード・マーティンが盾になってくれる今年のうちに、若手のコア候補を23年にレギュラー格として目処を立たせてきたい。

 今のロッテの編成は、23~25年に若手投手陣が軒並み20代半ばから後半と一番稼働率の高い年齢に差しかかる。この頃の投手陣はリーグでも平均以上の水準は保てるはず。そこに若手野手たちがピークを被せ、センターラインの要・中村奨吾、佐藤都と引っ張っていきたいのだが...。

 ドラフトでは井口監督が担当したこの5年間で安田尚憲、藤原恭大、佐々木朗希、鈴木昭汰、松川虎生と左右の先発、捕手、内野手、外野手すべてのポジションにおける有望株を1位指名。黄金期に向けたチーム作りに着手している。
 ちなみに度々申し上げているが、捕手・松川が大成する頃、佐々木朗希は海の向こうへ飛び立っている可能性が高いため、この2人がバッテリーを組む機会は、そうないと考えておいた方がよいとは思う。そういう意味でも時間は限られているのだ。今のロッテは佐々木朗希を軸に時を歩み、勝負段階を見極め、ビジョンを描いているのだ。

 そうはいっても、今年は、現チームで戦える最後の年。それは編成的にも肉体的にも。若手の大成なくして黄金期なしだが、ここまでのチームを築き上げてきた多くは10年代から主力として引っ張ってきた選手たちのおかげ。やはり彼らに一番上の景色を味わって欲しい。

 優勝以外、敗北。それくらいの気持ちで観ていくので、厳しいよ。覚悟していただきたい。

 頂点を、つかめ。

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