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2020年 千葉ロッテ。

こんにちは、Syu.です。

早いものでもう6月、上半期最後です。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

今日から練習試合が始まり、待ち侘びた開幕をようやく迎えることが出来そうです。正直、野球のない生活に慣れてしまい、意外と生活に困らない事も分かりましたが、やはり毎年観てるプロ野球ですから、開幕出来そうなことは素直に良かったです。(ついに明日、開幕を迎えますね)

という事で、鈍った野球感を取り戻すためにも、今回は2020年の千葉ロッテマリーンズについて色々述べたいと思います。あくまでも個人的意見ですから参考程度にしてください。少し長いので、目が疲れた際は遠慮なくお休みくださいね。

 ☆ 先発

石川、種市、西野、美馬。この4枚は他球団を見渡しても中々強い。きちんといけば4人で500イニングくらい稼いで、10勝近くすることに違いない。(と思っていたのだが…後述)

6枚と仮定した場合、残りは2人、そのうち1枚は小島が最有力候補か。無駄のない柔らかいフォームから放たれるしなやかな直球、大小2つのスライダーに、昨年、空振り率20%を記録したチェンジアップと現代のトレンドに適したスタイルだ。不安要素はローテ定着した昨季後半以降、対戦機会のなかった西武、ソフトバンク相手にどれだけ太刀打ち出来るかといったところか。

もう1人が二木か。この位置でようやく彼の名前が挙げられたかという感想だ。エース候補と称されながら、どうも7勝で止まってしまう。平均球速は140キロとやや低めだが、好調時は球速以上にも思えるし、今年は2月に少しスライダーの曲がりが小さめになり、ストレートの軌道に近くなった。やや、腰が落ち気味に見えて、そこの改善で球に力を伝えるようになるかもしれない。完投できるが、と1年間通して投げきるスタミナが微妙であり、マクロ視点でのスタミナ強化が必要か。

この他にも佐々木千隼、岩下、中村稔弥、先発再転向が噂の唐川とローテの谷間を埋められるレベルは十分揃ってる。6勤1休形態の過密日程が予想される中、投手の駒は多い方がいいに決まってる(野手も)。彼らを第2先発で待機させることも可能だろう。特に中村稔弥は2月からいい球を投げ込んでた。昨年の種市のように、中継ぎから先発ローテ入りの方針はあるかもしれない。

若い高卒組も揃っており、昨年の終盤、2軍のローテに定着した原、3月に一軍練習試合のマウンドに立った古谷などは今季中にデビューとなるかもしれない。そして、最大の目玉、佐々木朗希の動向も注目したい。今季は投球回を全体50回に限定する方針を固めており、今後も体調面、食生活など細かな管理をして大事に扱うことを継続させていもらいたい。

このnote執筆後、衝撃的なニュースが入った。西野が右肘靭帯損傷で戦線離脱となった。昨夏からハイスペックな投球を披露し、この状態なら今年は勝てると思い込んでた矢先だった為、ダメージが大きい。今は6枚目に入った同じ北陸出身の岩下大輝に穴埋めを託そう。開幕ローテは上記の石川、種市、美馬、二木、小島、岩下に決まった。

 ☆ ブルペン

昨季、1年間状態の良かった益田が今季も引き続きクローザーを担うことだろう。
課題はその前のセットアッパーだ。昨季は多くの選手がこの位置に就いた。唐川、酒居では出力不足、東妻は経験不足、東條では今ひとつ支配力に欠けるなど固定出来ずに苦しみ、結局8回の失点数はリーグ最多の87を数えてしまった。

この弱点を解決すべく、昨オフにジャクソン、ハーマンと2人の外国人リリーバーを補強した。いずれも日本経験者である程度計算も出来る。若干トルネード気味からスラッとさせるジャクソン、ショートアームからリーチの長さを活かしてくるハーマンみたいな感じか。

このハーマンのカーブを浸透させたら面白い気はする。現代野球において、スライダーとカットボールの中間球と称されるスラットが流行っており、千葉ロッテも段々とこの球を投げる投手が増えつつある。それと同様、パワーカーブも一つトレンドになっている。この手のカーブを投げ込む投手が皆無なロッテは1つ見習っても面白いと思う。但し、人差し指にかなり負担となる為、4シームの押し込む感覚がズレて精度が落ちてしまうリスクはあるかもしれないが。

上記の外国人2投手+益田、対右の東條、対左の松永を軸にAチームを形成するといったところか。(松永、現時点で6月練習試合の登板がないので、その動向が心配である)

その他にも東妻、石崎、田中靖洋、楽天から移籍の小野、復活を期す大谷、内と支配力は微妙だが駒は揃っている。彼らがBチームを担うことだろう。中でも石崎のローアングルからの150キロ直球、曲がりの小さいスライダーはハマればそう簡単に前には飛ばせないと思う。まず二種を極めて、左対策にバックドアや逃げる球が使えれば支配的な投球も可能だろう。30〜40試合で防御率3点台くらいやってもらいたい。平均球速150キロ近い東妻もロッテのブルペンでは皆無なカーブを習得し、フロントドアの2シームも使えてゾーンを広く使える投球は興味深い。個人的には先発で見てみたい気もある。

個人的に鍵を握る存在になると思うが永野。今年はなるべく移動を避けたような日程となる為、移動に対する負担の大きい彼にとっては優しいかもしれない。松永の行方が分からない今、貴重な左腕である。ツーシームの習得を目指すという噂も聞いており、技術面での磨きも楽しみにしてる。

 ☆ 攻撃力

スタメン9人はすぐ決まるだろう。ポジション順に田村、井上、中村奨吾、レアード 、藤岡、荻野、福田、マーティン。そこに角中、清田を併用するという形が1つ基本線となりそう。

大まかに足のある荻野、福田、中村奨吾を軸に上位打線を、井上、マーティン、レアードを中軸に、この中軸のどこかに角中、清田を挟み田村、藤岡の8,9番といった組み方となるだろう。中軸の破壊力、下位打線も繋がる力がある。

練習試合の打順の組み方を見ると、正直心配だ。3番荻野、4番にレアード、マーティンも続いて低打率長打型が中軸を担い、7番に井上というオーダーになるのか。何ともアンバランスな気はする。正々法に、荻野角中福田井上マーティン中村レアード 田村藤岡、或いは当たりを取り戻したマーティンを上げて、福田荻野マーティン井上角中中村レアード田村藤岡のような組み方でいいと思う。

内野の控えの打力がやや乏しい点は気がかりだが、ドラフト5位の福田光輝は楽しみな存在。OP戦で3本塁打、ストレートに強さを見せてる点は素晴らしい。足を大きく上げたタイミングの取り方、トップ形成、土壇場で逆転打を放つメンタルの強さなど、この辺は随所に大阪桐蔭らしさを感じる。1年目の鈴木大地の成績に本塁打、打点が増えた形が今年の1つノルマかもしれない。

一方、外野は前述の角中清田の片方に加え、深く転がせば内野安打に、一方で細身から放たれる長打力もある岡、先日のフリー打撃で佐々木朗希の157キロを捉えた3年目の菅野が次点に立つか。特に菅野は今年が勝負の年となる。とにかく速球を仕留める力を高めることが重要だ。野手では菅野がポイントに思う。昔、楽天にいた枡田慎太郎の13年型、柔らかい打撃フォルムが理想的か。

注目の藤原安田はもう少し時間がかかると踏んでいる。意外と山口の方が早く出てくる可能性も否定出来ないと思う。3月に見たとき、若干右方向へのゴロ性の打球が多かったのは気になったが…。最近の2軍戦でも動きの硬いタイミングの取り方をしており、心配が増した。

反面、出てきて欲しいのが5年目の平沢だ。打率こそ低いが非凡な選球眼に、狙って逆方向へ打てるストロークの良さはドラフト1位の素材が詰まっていると思う。徐々に確実性を上げていくことがレギュラー定着への道になる。

 ☆ 守備力

千葉ロッテの守備で一番話題に上がるのがショートか。ここで毎度挙げられる平沢だが、昨夏はスピードについていけ、いい守備をしていた。深い打球にも追いつき、厳しい体勢からの送球も一塁ミットに収めるなど、送球も安定して、元来のセンスと技術が一致しつつあるように思えた。UZRも0に近い数値を残しており、まだまだショートでの可能性を捨ててはいけないと感じている。

一方で、強力な武器となるのがセカンド、中村奨吾だろう。昨年の二塁手UZRは9.8と驚異的なものをマークした。体重を8キロ増加させたにも関わらず守備範囲が広く、相手打者や状況に応じてポジショニングを変えているようにも見えて、判断能力にも優れている。素晴らしい選手だ。おそらくこの1,2年が、最も動ける時期となるだろう。

外野に関しては福田を中堅において、34歳の荻野を中堅から左翼へとコンバートさせるのが現実的か。今でもスーパープレーを見せているが、やはり入団当初と比べるとやや守備範囲が狭くなった印象は受ける。それでも、荻野が左翼にいる外野守備陣形が作れるならば、強力だ。

個人的には球場が狭くなった分、そこまで外野守備を重視する必要はないと思ってる。ただ、両翼は以前、ジャンプや手を伸ばす等でようやく金網フェンスに届く形だったが、今は上半身〜歌詞部分が金網フェンスに収まるかつ、お客さんが見える状態となり、少しフェンス際のプレーが難しい。腰に強打した時の衝撃、感覚も想像すると嫌なものがある。前後の距離感をつかむ事は大切だと思う。

守備に関しては89失策→74失策→64失策と3年間で着実に減らしており、鳥越コーチの加入の効果が如実に現れているのではないか。

昨季までと違うのは鈴木大地の存在だろう。投手陣にとっては彼が後ろにいる事で、元気が出た、声かけで心が落ち着いたような事もあったと思う。彼に代わる新たな雰囲気、メンタル作りは大切だろう。序盤は無観客のため、球音がよく響く状況で投手が孤独になりがちな感情を抱く可能性もある。そういう状況では余計に選手たちの声がよく聞こえてくるはずだ。後押ししてあげたい。

 ☆ 走塁力

井口監督が就任時に掲げられたのが「走塁改革」だった。初年度は124盗塁を記録したが、昨年は75盗塁と減少した。攻撃的な野球に着手が出来たこと、個人だと中村奨吾がコンディション不良に陥ったことも要因だろう。

今季、再び井口監督は1試合に1個、試合数と同じ盗塁数を目標にすると豪語しており、その行方が注目される。昨季25盗塁の荻野、13盗塁で失敗1の岡、一昨年39盗塁の中村、鈴木大地と入れ替わりでFA加入の福田秀平らを軸に、前年よりも走る機会が増えることとなるだろう。

18年は.685(181−124), 19年は.682(110−75)と盗塁の意義が出てくると言われる成功率7割をやや下回る盗塁成功率の向上が鍵となるだろう。今年のOP戦でも9盗塁するも、7つの失敗を重ねており、課題が明確となっている。

走塁面では、田村、中村奨吾、藤岡、荻野のセンターライン組が揃ってUBR+をマークし、特に荻野はUBR+4.2と屈指の韋駄天ぶりを発揮した。下位打線組の田村、藤岡がこうした走塁センスを持ち合わせていると打線も繋がりを見せる。

ただ、昨年は疑問な走塁も多々あった。大塚コーチの問題もあっただろうが、個人的にはサイン通りの走塁だけでなく、選手の判断能力も必要だと思う。ギャンブルスタートの合図が出ても、打球の強さを把握して「これは戻るべき」といった判断、浅いフライや内野フライでも捕球体勢を見てタッチアップといった走塁。昔の角中、昨年の三木がやってたか。ああいう隙を突く走塁こそ本当の意味で機動力野球というべきだろう。

足といえば先日、支配下登録された和田康士朗も忘れてはいけない。見事な脚力で開幕一軍の切符を掴み取った。ただ、今のロッテは代走守備固め+長打スペック持つ岡大海がいるため、いずれは2軍で打席を積ませた方がいいと思う。

☆ 采配、総合力

今年は年間120試合、6月開幕、ほぼ6連戦、延長は10回までといった制約が課される非常に特殊なシーズンとなる。まずはこのような状況下の中、開催されることに恩恵を忘れないようにしたい。

例年、長丁場のペナントレースにおいては、“どう勝つか”というよりも“どう負けるか”が鍵と見ている。正直に言って120試合、全て勝つのは無理だ。勝てる試合を確実に取り、傷口の小さな負け方をすることが大切だと思う。無駄にAチームのブルペンを酷使して負けたり、昨年9月の西武戦のような落球でサヨナラ負け、走者一掃で3ラン四球といった試合を作ってはいけない。

千葉ロッテはここ数年、後世に語り継がれる負け試合を年に2,3度提供しているが、強いチームはこのような負け方が皆無だ。ここ数年、毎年こういう敗戦が出てくる点もBクラスに沈む要因である事に違いない。このメンタル面の脆さはチーム全体で、勝ち癖を植え付ける他、克服法がない。

大局観も大切だが、一方で開幕ダッシュが重要な1年になるとも思う。慣れないスケジュール化、球場の雰囲気の中、戸惑いを隠せない部分に動揺して上手くダッシュが切れないと、メンタルの弱いロッテはそのまま低空飛行を続ける可能性も否定は出来ない。シーズンが進むにつれて、特に8月の暑い中、同じ相手と同じ地で6試合は精神面でも体力面でも疲労や飽きが生じるので、巻き返そうと思っても簡単なものではない為、そうなると取り返しが付きにくくなるかもしれない。

開幕カードの福岡でのソフトバンク戦は14,17年共に3連敗、20年も当初の予定通りなら3連敗と3年に一度3タテを喰らっている。そしていずれもBクラスに甘んじているので、上手くスタートを切れるかは重要だろう。

今年は同一カード6連戦と異質な日程、1週間、同じチームの選手を見る事で弱点、状態が把握しやすい面はある。投手は連投を避け、ロング要員を確保する。野手もその日の状態、相性を加味した抜擢や、毎試合なるべく出したいコアの選手は大差試合ではなるべく早めに下げる起用が必要だ。バッテリーも日によって攻め方を変えていくことが余計に求められ、頭を使うことになりそう。

先発ローテには裏も表もない。
絶対エースの存在も大切だが、規定投球回5〜8番目の選手を複数固めた方が有利な気もする。そういう意味ではロッテはそのレベルの選手を多く抱えており、やり繰りはしやすいだろう。カード頭にわざわざエースをぶつける必要はあまりないと個人的には考えている。

試合が延長10回までとなり、早めの代打策も必要となるだろう。1枚のみならず2、3枚中盤から終盤にかけて一振りでプレッシャーを与えられる選手を抱えておきたいか。そういう点でも菅野あたりには期待がかかると思う。

涌井、酒居、鈴木大地と昨季までの主力が揃って楽天に移籍。特に涌井、鈴木の2人の精神的支柱を失った影響はどこかで出てくると思う。また、楽天戦は今年、彼らが今のロッテを把握してる部分が多いため要注意である。

それでも昨オフから積極補強で話題を呼んだロッテ。最下位に沈んだ17年から2年で5割ライン、CSが届く位置まで戻しての井口監督3年目のシーズン。大物ルーキーも複数抱えており、20年代こそ常勝チームへ…その一歩を踏み出してもらいたい。私は井口資仁監督に全幅の信頼を寄せている。

成績も勿論だが、今年はとにかく選手、スタッフ全員が1年間健康に、無事にシーズンを戦いきることが最重要だ。このような状況下でプロ野球が行われることに感謝をし、6月19日の開幕を楽しみに待ちたい。拙い文章、最後まで読んでくださった方々ありがとうございました。


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