_イベント2019まるは

私家版・プロ野球ユニフォーム史 2004-2020 Vol.25

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【横浜ベイスターズ→横浜DeNAベイスターズ③】

・復刻(2010・2012・2016・2019)

 ベイスターズの復刻ユニフォームはTBS期に2回、DeNAになってから2回、それぞれ登場している。

⑤復刻2010ホーム

 2010年のセ・リーグ共同企画のオールドユニフォームシリーズ「グレートセントラル」でベイスターズが選んだのは、1978年から使用された横浜大洋ホエールズのホームユニフォーム。かつてのスーパーカートリオや田代富雄、遠藤一彦などでおなじみのデザインで、白地に濃紺のYOKOHAMAのロゴに往年のファンは胸を躍らせた。

 2012年のグレートセントラルでは2005年まで使用されていたビジターユニフォームを着用。低迷が長引くチームに優勝時の気運をもたらしたい面もあったのかもしれない。(※画像はビジターユニフォームの項を参照)

 2016年、横浜DeNAベイスターズの5周年記念事業の一環としてWe☆YOKOHAMA DAY(ウィ・ラブ・ヨコハマ・デー)を開催。ここでは横浜大洋ホエールズのホームユニフォームが再び復刻される。ゲストとして登場した齊藤明雄氏がこのユニフォームを着用。オールドスタイルの着こなしも完璧であった。

⑤イベント2019まるは

 2019年には、球団創設の地である下関でのオープン戦で着用する予定だった大洋ホエールズ1950年の復刻デザイン、通称「まるはユニフォーム」。真っ白なユニフォームにWHALESのロゴ、左袖の「まるは」が光る。大洋漁業をルーツに持つ水産加工業社・マルハ(現・マルハニチロ)のロゴマークだ。歴史を重んじる球団の熱意が通じ、マルハニチロはイベントのオフィシャルスポンサーに就くこととなった。残念ながら試合は雨天中止となってしまったが下関の人々との交流は深まり、シーズン終了時にはマルハニチロの公式サイトで球団への感謝のメッセージが掲載されて話題を呼んだ。

 DeNAベイスターズとなってからの球団は革新性と歴史の継承を同時進行で重んじるという、非常に難しい取り組みに成功している稀有な例といえる。横浜スタジアムの改修も毎年のように進み、理想郷の完成は近い。ファンのみならず横浜に住む人々からも、球団の次なる一歩は熱く注目されている。

・ファーム(2000〜2010)

⑥ファーム

画像4

 ベイスターズ二軍は2000年に独立採算制を目指し、チーム名を「湘南シーレックス」に変更。ファーム独自のファン感謝デーの開催など、地元との交流が多く行われていた。シーレックスのユニフォームは、ホームが白地に水色のラケットライン。胸にはSearexの筆記体ロゴが入る。ビジターは明るい水色を基調として、Shonanの筆記体ロゴ。ホーム・ビジターともに背ネームはアーチ型にプリントした生地を縫いつけるという大きな特徴があった。これには「シーレックスのユニフォームにとどまる存在にならず、一軍を目指す選手になってほしい」という球団からの激励の意味が込められていた。

 2010年になると二軍の名称は横浜ベイスターズに戻され、湘南シーレックスの歴史は11年で閉じることになる。

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