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私家版・プロ野球ユニフォーム史 2004-2020 Vol.24

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【横浜ベイスターズ→横浜DeNAベイスターズ②】

・サード(2004・2005・2005〜2006・2006〜2007・2007〜2008・2010〜2011)

 2004年を皮切りに登場したサードユニフォームは、いわゆるTBS時代の続いた2011年まで様々なデザインが出現した。

サマーユニフォーム(2004年・2005年)

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 まず2002年から始まっていたTBSとの共同イベント「ブルーサマーフェスタ」。2004年に使用されたのはユニフォームは白地に青いラケットラインと脇の差し色が入った、夏らしい爽やかなデザイン。BayStarsは胸のロゴはホームと同じ。背ネームは入っていない。クレイジーケンバンドの小野瀬雅生の手による新しい応援歌“BE A HERO”が同イベントにて発表され、この年のスローガンであったこの名フレーズは袖のワッペンにも使用された。楽曲はその後もしばらく横浜スタジアム内などで流されていた。2005年の夏のユニフォームも同じデザインだが、脇の差し色の青が少しだけ濃くなっている。

④交流戦2005ホーム

④交流戦2005ビジター

 2005年から始まった交流戦にはホーム・ビジターの専用ユニフォームが用意された。ホームは2本の青いラケットラインと袖のラインのみのシンプルなデザイン。胸のロゴはイニシャルのB。ビジターはグレー地で胸のロゴは筆記体のYokohama。ホーム・ビジターともに番号が胸から右袖に移動したスタイルだった。このデザインは翌年も使用されることになる。

④夏2006

 2006年からの2年間は新たなサマーユニフォームを使用。肩がマリンブルーに染められ、その肩の上と襟に水色のラインが入る。このユニフォーム独自となるBAYSTARSのアーチ型ロゴが入る。水色の胸番号はその左上に据えられた。

④交流戦2007

 2007年からの2年間の交流戦では、通称「赤レンガユニフォーム」が登場。襟と袖のラインは金色となり、脇には横浜赤レンガ倉庫をイメージしたえんじ色が差し色として入った。右胸に大きく番号がつけられ、右袖のラインにはYOKOHAMA BAYSTARSのネームが加えられている。

④夏2010

 やや間があって2010年からの2年間、再びサマーユニフォームを着用。白地に濃い青い袖、脇には金色のラインが添えられ、ホームと同じく両袖には金星が入っている。このユニフォームで強烈なインパクトが残っているシーンといえば、なんといってもシーズン途中から加入したばかりのブレット・ハーパーによる逆転満塁サヨナラホームランだろう。打ち砕いたのがベイスターズからジャイアンツへ移籍したかつてのクローザーであるマーク・クルーンだったため、ファンにとってみれば痛快極まりない試合となったはずだ。

②ビジター2013サード

 DeNAベイスターズとなって初めてのサードユニフォームは2013年に登場。濃い色と明るい色のブルーのシャドーストライプが入り、胸にはYOKOHAMA :DeNAのロゴが入る。週末のビジターの試合で使用されることが多く、開幕戦であるナゴヤドームでいきなり着用することとなった。この年の夏から、特別ユニフォームを着用するイベントは横浜スターナイトに集約されることになる。

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 2019年に登場したのが、70周年記念イベントのために用意されたのは歴代のユニフォームの様々なエッセンスを盛り込んだデザイン、通称「70th アニバーサリーユニフォーム」。青を基調として、大洋ホエールズ時代に「湘南電車カラー」の愛称で親しまれたオレンジ色と緑色のラインが襟と袖口に配した。ホエールズのWを回転させたベイスターズのBのイニシャルのロゴが胸に入り、背ネームは全選手をYOKOHAMAに統一。まさに歴史のかけらを散りばめたデザインとなっている。


・YOKOHAMA STAR☆NIGHT(2013・2014・2015・2016・2017・2018・2019)

 親会社がDeNAとなり、シーズン中は矢継ぎ早にイベントを打ち出すようになったベイスターズ。横浜ガールズフェスティバル、ブルーライトシリーズ、勝祭(かっさい)など、それぞれ魅力的な内容が詰め込まれているが、その中でも最大級となる夏のイベントがYOKOHAMA STAR☆NIGHT(横浜スターナイト)だ。スタートとなった2012年は通常のホームユニフォームを試合が行われた。

③スター2013

③スター2014

③スター2015

 次の2013年、星空が輝くグラデーションのユニフォームが登場して驚かされた。よく考えてみればBs夏の陣で度肝を抜かれたあの宇宙柄より3年も早かったのだ。2014年は流星の尾の中に無数の光をたたえたデザイン。この天の川のようなラインは大きく広がりながら背中にかけて入れられている。2015年は横浜の海にきらめく波を思わせる、様々な濃さの青が入り混じるユニフォーム。目を凝らすと、この波の一部が選手のシルエットになっているのがわかる。この年のハイライトといえば、若きクローザー・山﨑康晃による新人最多セーブ記録更新。ファンからの絶大なるバックアップを受けてマウンドに立つ彼の姿が、このユニフォームとリンクする。

③スター2016

③スター2017

 2016年は青の濃さがランダムな三角形が組み合わされた幾何学模様の、通称「氷結ユニフォーム」。たしかに表面をペキペキと鳴らしたくなるが、布なので当然そのような音は出ない。2017年は一見して何の模様なのかわからないが、これは横浜上空から見た夜景をモザイク処理でデザイン化したもの。右腹部のあたりに光る緑色の部分が横浜スタジアムと思われる。

③スター2018

③スター2019

 2018年はミラーボールを想起させるラメ柄のようなデザイン。これも写真で見ると硬い素材のように見えるが、実物のユニフォームは柔らかい。球団としてはいわゆるインスタ映えも意識して、PCやスマートフォンの画面の中での見え方も研究していたのではないだろうか。2019年はYのロゴを中心に円が広がる、太陽系の惑星のようなデザイン。もしかして太陽=大洋、惑星=ベイスターズ、という意味も込められているのか。同年に登場した70周年記念ユニフォームのデザインを踏まえ、過去に球団のイメージカラーとなっていた紺色・オレンジ色・水色の3色ラインが襟と袖口に入っている。

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 2020年のユニフォームは超新星爆発=スーパーノヴァのイメージ。青い花火のように見えるデザインは、奮闘する医療関係者へのリスペクトも込められているように見えるのは私だけだろうか。

 暗黒期と呼ばれる時代を過ごしてきた往年のファンからすると、満員の横浜スタジアムというのはうれしい反面なんともこそばゆい感情もわいてくるかもしれない。横浜スターナイトのメインスポンサーは地元のメインバンク・横浜銀行。かつての「横浜大洋銀行」と揶揄された時代から、横浜銀行がチームとともに輝きを共有する時代へ。「ひとりひとりが星のように輝いて、チームも街も元気に」というイベントのコンセプトは、野球にとどまらず横浜の街全体を巻き込む壮大なプロジェクトの根幹なのだ。

【横浜ベイスターズ→横浜DeNAベイスターズ③へつづく】

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