_ホーム1998

私家版・プロ野球ユニフォーム史 2004-2020 Vol.23

【横浜ベイスターズ→横浜DeNAベイスターズ①】

・ホーム(1993〜2008・2009〜2011・2012〜2014・2015〜)

①ホーム1998

 横浜大洋ホエールズから横浜ベイスターズに生まれ変わった1993年。ここから着用が始まった白地に青いストライプのホームユニフォームは、栄華を極めた1998年の日本一を頂点としてチームの象徴であり続けた。みずしな孝之先生の野球4コママンガ「ササキ様に願いを」でもっとも多く登場したのも、当然このデザインだ。しかし21世紀に入ると2005年を除いてBクラスが続き、ベイスターズにとっては苦闘の歴史が続くこととなってしまう。

①ホーム2009

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 開港150周年に横浜が沸く2009年、長きにわたり愛され続けたユニフォームはホーム・ビジターともに一新される。襟から胸にかけてのラインが横浜のイニシャルであるYを形作り、両袖には星のマークがつけられている。当初この星の色は、ホームでのカード初戦にあたる試合では金色、それ以外の試合では銀色という法則があったようだが、のちに金色を中心に使用されるようになっていく。襟、肩、袖口、脇には青とグレーのラインが入り、袖口のラインに沿って切れ込みが入るデザインも斬新だった。2010年からは「心の親会社」としてファンに親しまれるノジマのワッペンが右胸に入る。

①ホーム2012

 2012年、新生した横浜DeNAベイスターズのホームユニフォームは、白地に青いストライプというかつてのデザインを継承しながら脇にネイビーの差し色を加え、球団のフルネームを詰め込んだロゴを胸に配した。上昇のきっかけをつかみきれないチームを鼓舞するよう、中畑清監督が奮闘していた姿がこのユニフォームとともに記憶に残っている。

①ホーム2015

 2015年になるとデザインはそのままに脇の差し色を明るいブルーに変更。襟の裏には選手別のパーソナルスローガンが英語やスペイン語などで刻まれた。

 かつてのガラガラのスタンドから一変してなかなかチケットが取れなくなった横浜スタジアムは、球場での経験に付加価値をもたらすという現代らしい手法で抜群の稼働率を誇っている。神奈川県全域にターゲットを広げ、互いの未来を見据えた指針を次々と打ち出す球団の努力の賜物である。MLBへ渡った筒香嘉智をはじめ、子どもたちの将来の夢としてベイスターズがあり続けるため、このユニフォームはこれからも輝きを増し続けるに違いない。


・ビジター(1993〜2005・2006〜2008・2009〜2011・2012〜2013・2014〜2015・2016〜2019・2020〜)

②ビジター1998

 各地で相手チームを震撼させたマシンガン打線の旗印ともなったのが、1993年から使用されている明るい青に染められたビジターユニフォームだった。胸に入るBのロゴを白い星が取り囲む洒脱なデザインは、港町・横浜のパブリックイメージそのままといったところだった。

②ビジター2006

 2006年になると、このロゴから星を取り払われる。まさかそれが原因ではないだろうが、以降はウソのように白星から見放されるシーズンが続くことになってしまう。

②ビジター2009

 2009年、ホームユニフォームとともにデザインを刷新。襟から胸にかけてのYラインはホームと同じ。グレー地に白のピンストライプが入り、2005年の交流戦ユニフォームに使われたYokohamaの筆記体ロゴがここに採用される。

②ビジター2012

 2012年からの、横浜DeNAベイスターズとして初めてのビジターユニフォームはネイビー。胸の球団ロゴはホームと同じだがグラデーションが入っている。2012年には横浜スタジアムでビジターユニフォームデーが開催され、この試合ではパンツの色も含めた全身がネイビーに。全選手がオールドスタイルで統一され、縞模様のソックスが特徴となった。

②ビジター2014

 2014年になると早くもデザイン変更。前年に使用されたサードユニフォームに近い色合いで、胸には:DeNAの大きなロゴが据えられた。

②ビジター2016

 ようやくチームに勢いが増してきた2016年。ビジターの青はさらに明るくなり、横浜スターナイト用に使われてきたYOKOHAMAのロゴが入れられた。三浦大輔がこのユニフォームを着用した巨大な広告が、横浜高島屋の外壁に掲示されたインパクトは絶大だった。

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 2020年に登場する新しいビジターユニフォームは前年までの青を継承しながら、4色の異なる青を組み合わせたストライプが入る。ラインがまっすぐではなく下から上に向かって広がっている珍しいデザイン。

 ベイスターズのビジターユニフォームの歴史でハイライトとなったのは、なんといっても2017年。シーズン3位から日本シリーズにまで勝ち上がっていったシーンが痛快ですらあった。様々な歴史の積み重ねを経て、反骨・反逆・反撃の精神がこの青いユニフォームを染み渡っていったのではないだろうか。

【横浜ベイスターズ→横浜DeNAベイスターズ②につづく】


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