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ラグビーワールドカップの裏の戦い| 国際防衛ラグビー競技会(IDRC)2019
こんにちは。
元・国防男子/陸上自衛隊応援団/初級・中級幹部サポーターのMr.Kです。
幹部自衛官として13年間勤務し、主な経歴は🪂最精鋭部隊第1空挺団、🇺🇸米国陸軍留学、✏️陸自最高学府の指揮幕僚課程、🇺🇸在日米陸軍司令部、🇺🇳国連南スーダンミッション軍事司令部等で勤務して参りました。
現在は、民間企業の危機管理部門で海外セキュリティ担当として危険国の情勢分析、セキュリティ対策の立案など、陸自時代よりもよりリスクの高い仕事をしています。
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2019年に作りかけになっていた記事があり、東京オリンピック・パラリンピックが開幕したこの連休中に完成させようと思って作業に取り掛かりました。😅
東京オリンピック・パラリンピックには関係ないのですが・・・
今更感満載ですが、ご容赦ください🙇♂️
当時、職場の同僚が、
「お、防衛省が、軍のラグビー🏉の交流会を主催するんだって!」
そう言って防衛省の『国際防衛ラグビー競技会(IDRC)』のホームページの画面を見せてくれました。
防衛省も世界各国の軍人を招待して、このような大会をやるようになったことに非常に感銘を受けました。
それから数日後、Yahoo!ニュースでそのラグビー交流会の映像を目にしました。
そこで、第1空挺団で同じ中隊に所属していたときの隊員が奮闘している姿を目にしました!
興奮しました!
『国際防衛ラグビー競技会(IDRC)』は、2011年より『ラグビーワールドカップ(RWC)』に合わせて開催されています。
ラグビー競技会を通じて各国軍同士の交流を図るもので、今回の大会は日本で開催されました。
⏩ 国際防衛ラグビーの概要
🟢 目的
国際防衛ラグビー競技会(IDRC)を開催し、ラグビー競技を通じた交流により、各国軍との相互理解を深め、信頼関係を強化し、もって我が国と諸外国との防衛協力・交流を推進するとともに、政府一体となって取り組んでいるラグビーワールドカップ2019日本大会への機運醸成の一助とする。
🟢 日にち
2019年9月9日(月)~9月23日(月)
🟢 場所
陸上自衛隊朝霞駐屯地、習志野演習場、柏の葉総合競技場
🟢 国際防衛ラグビーの歴史
2011年よりラグビーワールドカップ(RWC)に合わせて開催。今回は3回目の大会です。
🌈 第1回大会 :🇳🇿 ニュージーランドと🇦🇺 オーストラリアの共催
👑 英国陸軍優勝
🌈 第2回大会 :🇬🇧 英国主催
👑 フィージー共和国軍優勝
🌈 第3回大会 :🇯🇵 日本主催
👑 フィージー共和国軍優勝
⏩ 第3回大会 全試合結果
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/57382153/picture_pc_2a58125b97f146a92335c9dd60ed64ce.png)
🟡 優勝チーム(フィジー共和国軍)
![図11](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/57409228/picture_pc_333d85fd8d06253465846edaa1980e4b.png?width=800)
🟡 決勝戦(フィジー共和国軍◯vs⚫英国陸軍)
![図12](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/57409296/picture_pc_4b48b28a4b0658a60d7aafd9c6e66a04.png?width=800)
フィジーの『ハカ(シビ(Ci Bi))』でしょうか?
試合開始前に行う『ウォークライ(戦いの雄叫び)』です。
![図13](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/57411493/picture_pc_d396df71781c211dfe2beafe9ffc5a90.png?width=800)
ちなみに『ハカ』とは、
ラグビーニュージーランド代表のオールブラックスが国際試合前に舞う民族舞踊として有名ですが、ニュージーランドでは相手に対する敬意や感謝の意を表わす際に踊られる一般的な民族舞踊です。
フィジーの『シビ(ウォークライ(戦いの雄叫び))』はこんな感じらしいです。
⏩ 自衛隊選抜チームの試合の様子
🔴 自衛隊⚫ VS ◯フランス軍(トーナメント)
![図4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/57410293/picture_pc_ff2c2d272b6c68deb00b9b174b716296.png?width=800)
🔴 自衛隊◯ VS ⚫トンガ軍(親善試合)
![図2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/57409902/picture_pc_f7f1920905821dcd10f4ba173733f942.png?width=800)
![図3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/57409916/picture_pc_48906b27af4be331540bca95df25c754.png?width=800)
🔴 自衛隊⚫ VS ◯オーストラリア軍(親善試合)
![図1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/57410019/picture_pc_a203c0c505fa696b7fc2e1d146370a55.png?width=800)
トーナメント選では、残念ながらフランス軍に敗退してしまいましたが、親善試合では競合のトンガ軍に勝利を収めました!
次回の開催は、2023年に🇫🇷フランスで開催されます。
⏩ 空挺団でのラグビーの思い出
僕も第1空挺団に所属している時、少しだけラグビーをかじったことがあります。
もう、ルールすら覚えていませんが…
当時、第1空挺団では、2年に一回、中隊対抗のラグビー競技会がありました。その競技会に向けて、数ヶ月前から中隊としてラグビーの錬成をやることになります。
もちろん、その代表選手に選ばれるのは、僕なんかよりももっと経験、体力のある隊員や、空挺団のラグビー練成隊でラグビーをメインにやっている隊員が選抜されます。
しかしながら、競技会に向けて部隊が一団となることも競技会を定期的に開催している目的の一つですので、ラグビーが上手な人だけにやらせておくのではなく、部隊全員で一丸となって錬成をする必要があります。
ですから、空挺隊員はラグビーの経験がなくてもその練成には参加しなければならないのです。
特に、幹部自衛官は、こういう錬成にしっかり参加していないとリーダーシップに影響します。
いくら業務が忙しくても、いくらラグビーが下手でも参加をして隊員達が錬成している姿を見に行く、実際に隊員達と汗を流すことが重要なのです。
また、このラグビーの練習が非常にきついんですね😅
ラグビー競技会の時期になると、毎日のように15時からの体育の時間にラグビーの練成。
そして土日のどちらかもラグビーの練成。
体がボロボロになりながらも、休日中の錬成にも参加しました。
何度も何度も何度も何度もラグビーボールを追いかけて、コートの中を走り回りました。
恐怖の言葉が、「Again」(もう一回)。
パス回し等が上手くいかないと何度もやらされるんです。
中隊のラグビー錬成をリードしているラグビー担当陸曹に、ここぞとばかりにやられるんです😭
「Again!」
「Again!」
「Again!」
いつ終わるかわからない・・・
そして、御存知の通り、ラグビーは非常に接触が多く、体力的にも非常にハードなスポーツです。ラグビーをやったことのある人、またはラグビーワールドカップを見ている人にとってはよくご存知のことだと思います。
体がボロボロに・・・
ラグビーシーズンには、駐屯地の医務室には、受診する隊員の列ができています(^^)
今思えば、よく昔はやってたなと思います。
接触の激しいスポーツですので、細い体のままだと、すぐに体がいかれてしまいます。
ラグビー競技会の前から、食事で、タンパク質の多いものを取ったり、プロテインを飲んだり、トレーニングジムに通ったりと、ラグビーに耐えるだけの体を作る努力をしていました。
⏩ 選抜メンバーに選出された部下隊員
冒頭でも記載しましたが、かつての同じ部隊で勤務していた隊員が自衛隊選抜メンバーに選出されていたことを知って大変興奮しました!
ついにT士長がこういう場で活躍するようになったか!
当時、彼はまだ陸士長という階級で空挺団のラグビー錬成隊に所属していました。
体がガッチリしていて、身長も高く非常に恵まれた体格をしていました。
彼は航空科の隊員でしたが、第1空挺団での勤務を希望して、空挺団に転属してきました。
空挺団には、基本的に航空科職種の枠がないため航空科の隊員はいないのですが、彼の空挺団で勤務したいという熱い思いもあり空挺団での所属が実現したのです。
彼の能力を最大限に活かすために、空挺団に転属してきて良かったなと思いました。
もし、彼が元々所属していた航空科部隊で勤務していたら、彼はここまで体力的に向上することもなく、ラグビーに出会うこともなく、もちろんラグビーの自衛隊選抜になることもなく、陸上自衛隊での勤務を過ごしていたかもしれません。
彼は最精鋭部隊の第1空挺団に転属することで、人生を大きく変えたのです。
⏩ 良い環境に身を置く事の大切さ
僕は彼のことを見ていて、改めて感じました。
良い環境に身を置く事の大切さを。
確かに、僕も振り返ってみると、第1空挺団にいるときは、非常に多くのことを学び、もちろん体力的にもこれまでの人生の中でマックスで、すごい隊員たちから様々なことを学び、一般部隊ではできない出会い、経験をさせていただきました。
自分自身を一番成長させることができた部隊が、第1空挺団での勤務であったと感じています。
僕の場合は、空挺団での勤務を熱望していたわけではありませんでしたが、たまたま転属時期に空挺団の話があったことで、大きく人生を変えることができました。
だから僕は非常にラッキーだったんです。
自分を成長させるために、成長できるような良い環境に身をおくこと。
🌈 自分を成長させることができる良い環境に身をおくことで、自然と自分の能力もその環境に適応していき、自然に上がっていきます。
初めのうちは慣れない環境できついと感じるのですが、自分を成長させることは勿論、自分の新たな可能性も知ることができ、将来可能性も広げることもできます。
かつての部下隊員から改めて学ばせていただいたことでした。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
今日も皆様にとって良い一日となりますように!
元・国防男子/陸上自衛隊応援団/初級・中級幹部サポーターのMr.K
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貴重な時間を割いて私の記事をお読みいただき、心から感謝しております。 私の記事が少しでも皆様のお役に立てたら嬉しく思います。 もし、今後の創作活動をサポートしていただけると、さらに質の高いコンテンツを提供する糧となります。皆様のご支援が、私の次の一歩となります。