「諦めた鍵屋」オール讀物新人賞出品・あらすじ
あらすじ
猪突猛進な弟、濱木桜真は大雪の降る成人式の日に失踪した。兄、望真は臆病なサラリーマンとなった。人と深く関わるのを避けていたが、白風真瑠の芯の強さに次第に惹かれ、交際が始まる。しかし、望真の実家へ挨拶に行った夜、真瑠は死の宣言をする。これは、「諦めたくないものを実現できる鍵」の「他者にバレたら十二時間以内に自分が死ぬ」という条件によるものだった。桜真は自身を捨てて、白風真瑠という人間になっていた。愛する人を救うため、望真は鍵を使う。後日婚約し、二人は濱木桜真の認定死