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絵柄のルーツのお話

完全なるオリジナルの絵柄というものはなく、よいと思った絵柄の組み合わせで自分の絵柄ができていくと言いますね。
私の絵柄もそうです。

今回はそんな私の絵柄のルーツのお話をしたいと思います。


子ども時代の神は…

子どもの頃は「りぼん」や「なかよし」を読んでいて、好きな漫画の絵をまねして描いていました。

絵や話の雰囲気が大好きだったのが、谷川史子先生です。
谷川先生はあまり連載で本誌に登場することがなかったので、先生の作品読みたさに隔月で発刊されていた「りぼんオリジナル」も買っていました。

谷川先生の絵になりたすぎて、当時投稿した漫画の批評には「特定の作家の影響が強すぎる」と書かれました😂
若い頃にはありがち。

谷川先生のタッチをまねしてサノが描いたイラスト


模索した高校時代

高校生になると、本気で漫画家になりたい!と思って自分の絵柄を模索し始めるのですが、模索の果てに絵柄が全然安定していませんでした。
それも若い頃にはありがちですね。


もうひとりの神との出会い

そして大学生の時、バイトをしていた映画館でとある映画のチラシを見かけます。
「セクレタリー」という映画だったのですが、そのチラシのイラストを描いていたのが江口寿史先生でした。

噂には聞いていました。江口寿史という漫画家が存在すると。
「なんだこの絵めっちゃ好き!!」と思った私は、古本屋で『ストップ!! ひばりくん!』を購入し、その当時出ていたイラスト集も全てなんとか入手しました。(Amazonとかまだ一般的でなかったんですよね。)

その時描いたイラストは、私が江口先生にはまっていることを知っている友人に「影響受け過ぎでしょ」と言われました😂
今でも服のシワや下まつ毛の描き方は影響の延長線にあるなぁと自分でも思います。

とはいえ、その頃からスッキリとした清潔感のある絵柄を目指していったように思います。

映画「セクレタリー」のチラシ


横顔はまた別の影響が

また同時期に『俺物語!』や『消えた初恋』で知られるアルコ先生の描く男子が大好きで、特に横顔の描き方に当時かなり影響を受けました。
横顔の最適解を見つけられないまま「なんか違うな〜」と思いながら描いていた頃、初めて「うわっ、この横顔すごい好き!」って思ったのがアルコ先生の描く横顔だったんですよね。

そして横顔でいうともう一人、山下和美先生です。
『不思議な少年』を読みながら「なんて気品あふれる横顔なんだ!」と思っていました。
山下先生の影響が特にあるのは後頭部の丸み。
いつもなるべく丸く描いています。

後頭部の丸み…わかりますか…

総合すると…

というわけで、総合すると私の絵にはベースには谷川史子先生江口寿史先生、横顔にはアルコ先生山下和美先生の影響があります。

わかりましたかね?

余談

元々クセが強い絵ではないのですが、広告漫画を始めてからはとにかく読んだ人を不快にしない絵柄を…! と思って描いてきました。

しかし突如自創作に目覚めて商業漫画に手を出した2020年からは、とにかく!自キャラのおじさんを!できうる限りの力で!かっこよく描きたい!と思って、男性キャラが魅力的なBL漫画をよく読むようになりました。

あとは目の形や鼻の描き方などは、最近のいろんな絵描きさんの絵を見てマイナーアップデートしています。

いや〜、いつまで経っても自分の理想とする絵柄にたどり着くのは難しいものですね。


※この記事は2020年に個人ブログに上げた記事を加筆修正しました。

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